「マインクラフトザ・ムービー」は日本でもヒットするのか?【コラム/細野真宏の試写室日記】

「マインクラフトザ・ムービー」(公開中)

「マインクラフトザ・ムービー」は日本でもヒットするのか?【コラム/細野真宏の試写室日記】

4月25日(金) 22:00

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映画はコケた、大ヒット、など、経済的な視点からも面白いコンテンツが少なくない。そこで「映画の経済的な意味を考えるコラム」を書く。それがこの日記の核です。

また、クリエイター目線で「さすがだな~」と感心する映画も、毎日見ていれば1~2週間に1本くらいは見つかる。本音で薦めたい作品があれば随時紹介します。

更新がないときは、別分野の仕事で忙しいときなのか、あるいは……?(笑)

今週末4月25日(金)から「マインクラフトザ・ムービー」が公開されました。

私は「マインクラフト」という存在を全く知らなかったので、正直なところ興味は薄かったのですが――ひと足先にアメリカなどで公開されると、事前の映画業界の予想を遥かに超えた大ヒットを記録したのです。

アメリカでの週末3日間(4月4日~4月6日)での興行収入は1億6275万ドル。これは数々の歴代記録を持つゲーム原作映画の「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」の週末3日間の1億4636万ドルをも超えたのです!

その結果、アメリカで「ゲーム原作映画の歴代オープニング興収1位の作品」に輝き、世界興収は5億5056万ドルで、僅か3日間で製作費の1億5000万ドルを回収するほどの特大スタートとなっているのです。

ゲームの原作を実写化した作品なので、私は「3D吹替版」で見てみました。

結果的に、全く知らない世界観&やや展開がスピーディーだったので吹替版が正解でした。それに、立方体ブロックがベースになっているような世界だったので「3D」というのも、より世界観に入り込みやすく良かったです。

内容的にはファミリー向きの映画なので「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」と同様に「吹替版」がメインになるのかな、と思いました。

ただ、念のため見てみた「字幕版」で意外すぎる光景を目撃したのです。

今回の「マインクラフトザ・ムービー」はファミリー映画になることが期待できるので、配給元のワーナー・ブラザースが開催したマスコミ試写では「お子様も同伴可能!!」「ご家族で一緒にお楽しみください」という告知があったのです。

「3D吹替版」上映時は「開始時間:13時~」もあってか、試写室では子供の姿は見られない感じでした。

その一方で、「字幕版」は「開始時間:18時~」だったこともあり、この回には家族連れの人が多くいました。

「小学校低学年の子らに字幕版はハードルが高いのでは?」と思いましたが、学校が終わってからの18時開始の試写はこの回しかなく、仕方がなかったのかもしれません。

ところが、上映が開始すると3つの発見がありました。

初回鑑賞時には、世界観が全く分からなかったので気付かなかった“様々な細かい展開”が2回目では理解できるようになり、感想が「面白い」から「とても面白い」に変化していきました。

2つ目は、小学校低学年の子らの反応は想像以上に良く、新しいキャラクターが登場すると、「あ、◯◯だ!」と声を上げたり、登場人物が自分の名前を明かす際に、一緒に声をそろえたりしていたのです。

これは、やはり「マインクラフト」の世界を知っている人と、そうでない人とでは大きく反応が分かれるのだな、と実感しました。

そして3つ目。「字幕版は低学年の小学生には厳しいのでは?」と想像していましたが、現実には、全く問題がないくらいに1つ1つのシーンにハマり続けていたようでした。

おそらくマンガを読むような感覚で成立し得るのだと、小学校低学年における字幕版の可能性を確認することができました。

さて、「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」のメガヒットには、スーパーマリオブラザーズというゲームの存在の認知度が大きく関係していたのと同様に、「マインクラフトザ・ムービー」のヒットには日本での認知度が大きく関係してくるのでしょう。

そもそも「マインクラフト」は、スウェーデンで2009年に開発され、2011年に正式リリースされたゲームのようです。

そして、2014年にはギネス世界記録で「世界で最も売れたインディーゲーム」として認定されているのです!

そしてマイクロソフトに買収され、大きな後ろ盾ができた状況です。

2023年10月には世界中で売り上げが3億本を突破しています。

「マインクラフト」が興味深いのは、ブロックから新たな物を創造していくクリエイティブなコンテンツなので、ゲームの普及だけにとどまらず、小中学校を中心に学校の現場でも「教育の教材」としてどんどん普及していっているようなのです。

現時点での浸透具合までは把握できませんでしたが、試写室にいた子供らのようなコアなファン層は意外と多いのかもしれません。

そして、そのファン層が見れば大満足な出来栄えですし、私のように「マインクラフト」を知らなかったタイプでも満足できる作品なので、見通しは良さそうです。

これからゴールデンウィークということもあり、「ファミリー映画」の代表格として興行収入30億円くらいは狙えるポテンシャルを感じますが、果たして「マインクラフト」というゲームの裾野は日本ではどのくらいまで広がっているのか――続編も当然あると思われるので今後の展開も大いに注目したいと思います。

【作品情報】
マインクラフトザ・ムービー

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