【漫画】黒猫ウロが主人を亡くした三毛猫と出会う…生きものとして“正しく生きる”三毛猫の姿に「胸を打たれた」の声
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は2025年4月1日に作者のかんさびさんがX(旧Twitter)に投稿された『ウロと飼い猫』をピックアップ。
X(旧Twitter)に本作が投稿されたところ、2,000件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、作者のかんさびさんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。
■お寺に住む黒猫の不思議なお話
ウロはお寺で飼われている黒猫。和尚さんがいない間、お寺の留守を守っている。和尚がどこに行ったのか、いつ戻ってくるのかは誰も知らない…。ウロはお寺で和尚の帰りを待ちながら、ときどきお寺の外に出かけて行っては、困っている人を幸せにしたいと思って行動する。ウロにはウロなりの正義と善行があるのだ…。ただしウロが考える”幸せ”と人間が考える”幸せ”が必ずしも一致するとは限らない。
今回のエピソードでは、ウロがご主人を亡くしたばかりの三毛猫に出会う。愛されて可愛がられてきた三毛猫。ウロは「ご主人の魂をここに留めて一緒にいればいい」と三毛猫に提案するも、三毛猫はウロを諭すように申し出を断る。一緒にいられるのになぜ断られるのか、ウロには分からないことが多すぎる…。ウロの不思議な物語に読者から「胸が熱くなりました」「いつも楽しみにしてます」など多くの反響が寄せられている。
■作者・かんさびさん「不思議でありながらも共感できるような話を描きたい」
―― 『ウロの物語』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
私はずっと、不思議なものを扱う骨董屋の話をSNSで投稿してきました。そのおかげで、皆さんに楽しみにしていただき、今年の3月にKADOKAWAさんから『アルマ骨董堂のふしぎ夜咄』という本を出版させていただきました。
出版が無事に終わり、一区切りとは思いながらも、新しい挑戦をしてみたくなったのが『ウロの物語』を始めたきっかけです。これまで描いてきた骨董屋の物語の中で、特に興味を持ったのは、人間目線ではなく、異界の存在の目線から世界をどう見えるかという点でした。
人間の価値観ではなく、「ウロという謎に包まれたキャラクターの視点から物語を紡ぎたい」と思ったのです。読者として、どんな物語や絵のテイストを見たいかと自問自答した結果、江戸時代を背景にした昔話のような、手作り感のある温かみのある雰囲気を目指すことにしました。それでウロを描き始めました。
――黒猫は霊的なエネルギーを持っていると言われますが、ウロを黒猫にした理由があればお教えください。
おっしゃる通り、黒猫は世界中で様々な不思議な逸話を持っています。欧米では魔女の使いとされたり、黒猫が通ると不吉だと言われたりして忌み嫌われることもありましたが、日本では「餡子猫」と呼ばれ、幸運をもたらす縁起の良い猫だとされていました。
黒猫はそんな色んな逸話を持つほど魅力的な動物だということが、主人公にしたひとつの理由です。しかし、ウロが黒猫である本当の理由については、今後の物語の中で明かしていく予定です。まだ少し先になるかもしれませんが、ぜひ楽しみにしていてください。
――ウロはよくも悪くもすごく純粋無垢な猫だと感じます。ウロを描く際にこだわった点があればお教えください。
『ウロの物語』のメインテーマは、人間の理ではなく、「人外」の理で考える幸せです。人間の目線では不幸に思える出来事も、固定概念のない視点から見ると、実は幸せに見えることもあるということを物語に盛り込みたいと思っています。
――かんさびさんは霊的なお話し、不思議なお話しをよく描かれていますが、理由があればお教えください。
私は子供の頃から怪談が好きで、よくテレビを見たり本を読んだりしていました。その中でも、怪談が人間の心理や伝統、信仰などと交わって文化として成り立っている点にとても惹かれます。
科学だけでは解明できないような、人の心が作り出す現象に興味があると言いますか…。ですので、単に「ぞっとする話」を描きたいわけではなく、不思議でありながらも共感できるような話を描きたいと思っています。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
『ウロの物語』は、骨董屋のお話のちょっとした別シリーズとして、最初は2~3話で終わらせるつもりでした。しかし、ウロは皆さんに可愛がっていただき、心配していただきながら、お寺で悩み事相談を受けて元気に活動しています。そのため、まだしばらく続いていくことになりそうです。
今後、どんな悩みを解決していくのか、和尚さんはいつ帰ってくるのかなど、どうぞ楽しみに見守っていていただけると嬉しいです。
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