デビュー間もない新人声優から、ネクストブレイクの期待が膨らむ若手まで、声優のパーソナリティにフィーチャーする特集「“未来の推し声優”名鑑」。声優という職業を目指したきっかけや役者としての持ち味、素顔がうかがえるプライベートな部分までを紹介し、“推し”の新たな魅力を発見する。
今回は、アメリカのTVアニメ「タイニー・トゥーンズのハチャメチャ学園」(日本では2024年より放送)の主人公・バスター・バニーの吹き替えをはじめ、アニメやラジオパーソナリティ、舞台に落語までマルチに活躍する山口竜之介さんを紹介。父は同じく声優で数々の代表作を持つ山口勝平さんだ。物心ついたころから父が声優と知っていたという山口竜之介さんが声優の道を志したいきさつや自身の強み、大相撲フリークの竜之介さんが語る角界の魅力と“推し力士”、これから目指す声優像までさまざまな話をうかがった。
■今回紹介するのは……「山口竜之介」(やまぐち りゅうのすけ)さん
誕生日:6月17日
出身地:東京都
血液型:B型
趣味・特技:落語、相撲観戦、たこやき作り
■父の出演するアニメを見ていた幼少時代。竜之介さんの声優道
――声優に興味を持ったきっかけ、プロを目指したきっかけをそれぞれ教えてください。
【山口竜之介】幼稚園くらいのころには父(※山口勝平さん)が声の仕事をしているというのを理解していたので、きっかけらしいきっかけは覚えていないです。そのころには「ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー」(※山口勝平さんがラットル役で出演)などを見ていた気がします(笑)。
プロになろうと思ったのは大学で進路を考えていた時です。サークルの友人が声優養成所に通っていたり、もともと芝居や舞台に関心が深かったのでこの道に行こうと思いました。声優を選んだのは子供のころからずっと少年ジャンプを始めとした少年漫画が好きだったことと、やはり父の影響ですね(笑)。
――声優を目指してからデビューするまでに、印象的だったエピソードはありますか?
【山口竜之介】声の演技は、感情を頭で考えて作ることより肉体の変化が大切ということです。私の師匠である演出家の小金丸大和さんの言葉ですが、「芝居において一番重要な要素は衝動。人は衝動無く言葉を発することはない。衝動が起きることによって、感情が変わり、肉体が変わり、呼吸が変わり、台詞が変わる」。このプロセスを舞台で実感して、声の芝居でも敏感にできるように研鑽しています。それと、「いい役者ほど、敏感に反応するいい肉体を持っている」という言葉も小金丸さんの教えです。
――お芝居をするなかで好きな役柄やジャンルは?
【山口竜之介】元気いっぱいだったり、テンションの高いキャラが好きですね!テンションの高いなかでも、ビビリやヘタレだったり、弟分っぽい役は様になっているとよく言われます(笑)。
最近は吹き替えやカートゥーン系のお仕事もいただいています。特にカートゥーンのハチャメチャな世界に負けないパワーのある演技は得意だと思います(笑)。
――声優として「自分の特長はこれ!」と思う点は?
【山口竜之介】「感じたままを素直に出す」ことを強みだと思ってやっています。この言葉も小金丸さんからいただいた評価で、この芝居を信じて今の事務所に取ってもらいました。そして落語で培ったリズム感と肉体。これも大事な武器だと思います。あとは父に声が似てるのも強みだと思いますね、父と似ている声質の声優さんって少ないと思うので。
■「一度は生で見てほしい」山口さんが語る大相撲の魅力
――ご自身の性格を一言で言うなら?
【山口竜之介】自分では“理論的”だと思います。実は理系なので。あと、おしゃべりです(笑)。友人に相談したら「真っ直ぐで真面目な性格、言葉や考えは曲げない、好きなことへのこだわりがある」と言われました。それと、友達は男女問わず多くできるタイプですね、モテないですが(苦笑)。
――特技の一つに「落語」とありました。詳しく教えてください。
【山口竜之介】立川志ら乃師匠に長年落語を教わっているので、古典落語は10席ほどできます。新作落語も2席作りました。他にも舞台や朗読劇のちょっとした脚本経験があります。あとは武虎さん(※声優・俳優。たこ焼き作りが特技)のお手伝いで習得した、たこ焼き作りも得意です。
――好きなものと苦手なものをそれぞれ教えてください。
【山口竜之介】好きなものは多くありまして芝居、落語、大相撲、福岡ソフトバンクホークス、少年漫画、ゲーム、筋トレ後のプロテイン。
苦手なものは犬と猫です。犬は幼少期追われたトラウマがあるので体がつい避けてしまいます、「オバQか」って言われた事があるくらい(苦笑)。猫もアレルギー持ちで……。
――Fandomplusは「推し」がテーマのメディアです。山口さんに“推し”と呼べるものはありますか?
【山口竜之介】自分が推しているのは大相撲、角界ですね!格闘技としての相撲の最大の特徴は“体重制限がないこと”。無差別級の世界で、絶対に倒れない体と技術を作り続けるのが大相撲の力士です。相撲って絶対に一般人がプロに勝てない競技だと思っています、異常な世界です。
そんな力士同士の土俵上での戦いは、ものの数秒で決着がつきます!その数秒だからこそ、そこにいたるまでの集中、緊張!一瞬の勝負で生まれる熱量、興奮、感動!そして見ながら嗜むビールと焼き鳥!最高ですね(笑)。本場所は力士たちが少しでも高みを目指す真剣勝負の場なので、一度は生で見てほしいです。空気感が違いますよ!
個人で推してるのは、最近は大の里関ですね!前代未聞、大銀杏の結えない時に大関が生まれたことに、将来の大横綱を期待してしまいます。
■真に目指すべき声優像は「一つでも多くの子ども向けの作品に出られる声優」
――憧れの先輩声優を挙げるなら?
【山口竜之介】目標は、父でもあり役者の先輩でもある山口勝平と、弊社の関智一さん。憧れは高木渉さん、福山潤さん、そして(ワンピース)麦わらの一味の声優のみなさんです。
――また、人生の中で特に大切な作品はありますか?
【山口竜之介】今、声優人生の後押しになっている作品は「タイニー・トゥーンズのハチャメチャ学園」ですね。子どものころから大好きだった「ルーニー・テューンズ」のスピンオフ作品にオーディションで役をいただけたこと。やっと代表作ができたので、胸を張って「声優をやっています」と言えるようになりました。私がお世話になっている方に「息子と一緒に見たよ!」って言われて本当にうれしかったです。
――山口さんのリフレッシュ法を教えてください。
【山口竜之介】父の実家の福岡で、祖母や親戚と過ごすと一番リフレッシュできますね。祖母が元気なうちに福岡でたくさん仕事ができるようになりたいです。
考え方では、思い悩んだ時は1人で抱えこまず、信頼できる人に話してみることが大事かなと思います。考えが定まっていない時は良くも悪くも人の影響を受けやすいので、いただいた考え方で楽になることも多いです。
――今後演じてみたい役柄や、挑戦したいお仕事は何ですか?
【山口竜之介】一番の目標は少年ジャンプ作品の主人公になることです。自分が小さなころから好きだった作品の世界に出ること、そして父は「週刊少年ジャンプでは主人公をやっていない」と言っていたので、もしいつか主人公をやることができたら、一つ父を超えられたということになるのかなぁと……。
――プライベートでやってみたいことは?
【山口竜之介】文字を綺麗にしたいです。母は習字の経験があり、父と妹は絵やデザインのセンスがあるので、家族で一番字が汚いです……サインも字のバランスを取るのが苦手で、上手く書けるようになりたいです(笑)。
――最後に、これからの目標を教えてください。
【山口竜之介】本当になりたい声優は、一つでも多くの子ども向けの作品に出られる声優です。父が親戚の営む保育園に自身の出演作のおもちゃをダンボールいっぱいに詰め込んで「仲良く遊んでくださいね」って一筆を入れているを見た時、真に目指すべき声優の姿が心に決まりました。子ども達が楽しく笑って過ごせるような日常、そんな日々を作る作品に出られるような声優になっていきたいです!子ども達が明るく笑っていることが、明るい未来を創ると信じているので。
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