松山英樹が14回目のオーガスタで入念に調整を重ねている(撮影:ALBA)
4月8日(火) 23:03
<マスターズ事前情報◇8日◇オーガスタ・ナショナルGC(米ジョージア州)◇7555ヤード・パー72>
先週の“前哨戦”を含めて、直近2試合はともに予選落ち。2021年以来の「マスターズ」2勝目を目指す松山英樹にとって、不安の残る成績でのオーガスタ入りとなったが、現地での様子を見る限り、その心配はなさそうにも思える。
自身の状態については、「予選落ちしているので、いいとは言えないですよね」と語る一方、感覚は決して悪くない。先週は2日間トータル1オーバーで週末行きを逃したが、そのラウンド後には「内容は(好調時と)ほぼ変わっていない。そんなに悪いゴルフかな?という疑問はある」とコメントしていた。その“いい”感覚は、今週も継続している。
「なかなか感覚と(結果が)つながらないので難しい部分は感じているけれど、ここに入ってもそんなに悪いゴルフはしていないと思います」。自身に期待を込めながら、14回目のオーガスタへ前向きに調整を重ねている。
2月の「ジェネシス招待」で2年ぶりの勝利を挙げて迎えた昨年大会は、トータル7オーバー・38位タイに終わった。その後、「全米オープン」で6位に入り、「パリ五輪」では銅メダルを獲得。「フェデックス・セントジュート選手権」ではプレーオフシリーズ初制覇を飾った。
今年はエリートフィールドの開幕戦「ザ・セントリー」で、ツアー新記録のトータル35アンダーを叩き出して快勝。世界ランキングは6位で、優勝候補の一角に数えられている。いまの心境については「別に何も考えてないんで」とクールに前置きしつつ、「試合が始まれば気合いが入ると思う。でも、きょうの段階で判断するのは…」と淡々と語る。開幕まであと2日。心技体を万全の状態に整えていく。
例年よりも早くオーガスタに入った日曜日は、18ホールの練習ラウンドを行い、練習場でも多くの時間を費やした。月曜日は悪天候でコースがクローズとなって姿を見せなかったが、きょう火曜日は午前8時30分頃に練習を開始すると、午前10時10分に1番からティオフ。マスターズ初出場のラファエル・カンポス(プエルトリコ)とともに、アウト9ホールをプレーした。
パトロン(ギャラリー)の声援も浴びながら、直近の予選落ちの不安を払しょくするようなショットを披露し続けた。9番ではベタピンにつけてタップインバーディとし、パトロンをうならせた。2時間40分でラウンドは終了。取材対応を終えると、パッティンググリーン、ドライビングレンジ、チッピングと約2時間を過ごした。
メジャー今季初戦の開幕が、近づいてきている。「いい一週間にしたいですけど、そのためにいい準備をしないといけない。残りの時間をしっかりと有意義に過ごしたい」。今夜は恒例のチャンピオンズディナーが開かれ、松山もグリーンジャケットを身にまとい、出席する予定。初日は午後1時23分にティオフする。残りわずかだが、最後まで入念な準備を進めていく。(文・笠井あかり)