彼氏との結婚を1週間後に控えた私。しかし、婚約者の母親は、私との結婚を快く思っていない様子でした。そんなある日、婚約者の母から「結婚式に私の友人を1人、追加で招待したい」と連絡が来たのです……。
披露宴会場もすでに決まっており、席次表も完成した段階での婚約者の母からの申し出に、私はびっくり。難色を示す私に、婚約者の母は「私の大事な友だちなのよ!もはや家族みたいな人なの」「親族のテーブルに椅子を増やせばどうにかなるでしょ、1人や2人くらい大丈夫よ」と言い出して……?
婚約者の母親からの無理な要求
いくら婚約者の母の頼みとはいえ、式の1週間前の変更はやはり難しいもの。しかし、婚約者の母は聞く耳を持ってくれません。そして、挙句の果てに彼の元カノのことを持ち出してきたのです。
「嫁なら姑の言うことはおとなしく聞くものよ!」「あーあ、嫁に来るのが息子の元カノだったらこういうときだってすぐに許してくれるのに!」「せいぜい彼女を見習って、格式あるうちの家名を汚さないようにしてちょうだい!」
以前から何かにつけて、私と元カノを比較する婚約者の母。婚約者の母によると、元カノは大手銀行勤めで礼儀正しく、すごくいい子なのだそう。しかし、彼が選んだのは彼女ではなく、私なのです。
「彼に相談する」と言ってその場をおさめ、すぐさま彼に電話した私。事情を聞いた彼は、「はぁ……母さんの友だちなんて俺たちには関係ない。ただの他人じゃん」「うちの母さんが本当にごめんな……」とため息をついていました。
「元カノとは別れて何年も経ってるし、そもそもうちはそんな格式ある家じゃない」「父さんが一代で会社を立ち上げただけだし、そんな歴史だってあるわけじゃないのに」「元カノと比較されて……いい気しないよな、本当にごめん」
彼の言葉を聞いて、私のとげとげしていた気持ちもだいぶおさまってきました。そこで、私は「これ以上お義母さんとの関係も悪化させたくないし、お友だちを招待してあげようと思うんだけど……」と切り出しました。
「えっ!?」と驚く彼に、「私やあなたが強く反論したところで、関係が良くなるとは思えないし……」「それに、お友だちはきっと常識のある方だと思うの!むしろ招待されてびっくりして、逆にお義母さんを注意してくれるかもしれないよ」と言った私。
「その可能性も否定できなくはないけど……」「せっかくの結婚式なのに、新婦が我慢するようなこと……本当にいいのか?」と渋る彼。しかし、私は努めて明るく、「うん、いいの!これが一番円満な解決方法だと思うから!」と言ったのでした。
結婚式当日の裏切りと私の決意
1週間後、結婚式当日――。
ウエディングドレスに身を包んだ私は、招待客の待つ会場へ。そこで婚約者の母の隣に座っていた人物を知って、私は愕然としました。
婚約者の母が「友人」として連れてきたのは、彼の元カノだったのです。
披露宴の途中でお色直しのために会場を出た私は、すぐさま婚約者の母に「どうして彼の元カノを結婚式に連れてきたんですか!?」とメッセージを送りました。
「彼女は息子の元カノだけど、私のお友だちでもあるの」「息子と別れたあとも、ずっと私との付き合いはあるんだから!」
あまりの非常識さに、私は言葉を失いました。しかし、この大切な日に、このまま引き下がるわけにはいきません。
「こんなハレの日にまで、元カノと私を比較するんですか!?」「今日くらいは、何事もなくお祝いしてくれると思ってたのに……」「やっぱり、元カノと彼に復縁してほしいんですね」
私がショックを受けたことを知って、婚約者の母は気を良くしたようでした。「彼女と息子は高校から10年も付き合ってたのよ!」「なのに……あなたみたいなぽっと出の女と結婚するなんて、本当になんでこんなことになったのかしらねぇ?」「生意気なあなたと比べて、彼女は私にもよくしてくれるし……いっそのこと息子の第二夫人になってくれないかしら?」と、明らかに勢いづいていました。
「今日の結婚式、息子の元カノを呼んだのよ。あなたよりもかわいいし気も利くの♡」
「今着ているウエディングドレスも彼女の方が似合うにきまってる♡」
「お義母さん、よくわかりました」
「え?」
たしかに私は元カノの登場にショックを受けていました。しかし、結婚式を元カノと婚約者の母親に台無しにされたくないと、怒りの気持ちも沸いてきていたのです。
「そんなに元カノが理想的な嫁なら、今日の結婚式は中止のほうがうれしいですよね?」「お色直しも何もしないまま、会場に戻って中止を宣言してきます」
どうせ台無しになるなら、自分で台無しにしたほうがいいだろう、と若干自暴自棄になっていた私。
「できるもんならしてみなさいよ!」「あなたがうちの嫁にふさわしくないってみんなに知らしめることになるだけよ!」と婚約者の母。
そこで、私は真っ白なウエディングドレスのまま会場に戻り、結婚式中止とその理由を高らかに宣言したのです。
婚約者の母親との決別
結婚式中止の宣言を聞いて、水を打ったように静まり返った招待客たち。もちろん、そこにはニヤニヤしながら私を見ている婚約者の母と元カノの姿もありました。
恥ずかしいやら情けないやらで、うつむいてしまった私。その場を立ち去ろうとすると、招待客の1人が「待って!あなたは悪くないじゃない!」と声を上げてくれたのです。
そして、招待客たちは口々に「新婦をだまして元カノを招待する新郎の母親ってヤバくない?」「それでのこのこやってくる元カノも面の皮が厚いというか……」「どっちも非常識だよねー」と言い出したのです。その声がだんだん大きくなるにつれて、小さくなっていく婚約者の母と元カノ。
ついには「結婚式を中止する必要ない」「お祝いさせてくれ」「邪魔者たちをつまみ出せ!」と言って、婚約者の母と元カノを追い出してくれたのです。その後も、招待客の方々は私にあたたかい言葉をかけてくれました。
そこへ、私と同じくお色直し前の姿で現れた彼。会場スタッフから事情を聞いて、慌てて戻ってきたそうです。
「新郎の母親が結婚式を台無しにするなんて……前代未聞だよな」「本当にごめん……でも、俺は君と結婚したい!」「あらためてみなさんの前で誓うよ、一生かけて幸せにします!」
新郎である彼の愛の言葉に沸き立つ会場。私も大きくうなずき、その後の披露宴はとても楽しく過ごすことができました。
その後――。
元カノは義母の「息子はまだあなたのことが好きなのよ」「今度の結婚を後悔してるの」という言葉を真に受けて、結婚式にやって来たそう。義母の話とは全然違う光景を目の当たりにして、かなりのショックを受けたようです。夫に「もう二度と関わりません、幸せになってください」とメッセージが来たっきり、彼女からの連絡はありません。
一方、義父は結婚式の一件で、「取引先の方々もいる前で、とんでもないことをしてくれたな」と激怒。「そもそも一人息子の幸せを願えないような妻はいらない」と言って、義母に離婚を切り出したそうです。
夫と私は結婚後も変わらず、ラブラブな日々も送っています。結婚式はハプニングだらけでしたが、これを乗り越えて私たちの絆はより強いものになりました。これからの結婚生活、楽しいことだけでなく辛いこともあるとは思いますが、2人なら乗り越えられると信じて過ごしていこうと思います!
【取材時期:2025年2月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
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