4月8日(火) 21:10
総務省が実施した「令和5年住宅・土地統計調査」によると、日本における主世帯総数5566万5000世帯に対して持ち家は3387万6000世帯で、持ち家率は60.9%であるとのことです。高齢者のいる世帯については、持ち家率は81.6%で、主世帯全体と比較すると20.7ポイント高くなっています。
高齢者世帯別に持ち家率をまとめると、以下の通りです。
●高齢者のいる世帯:81.6%
●高齢単身世帯:67.5%
●高齢者のいる夫婦のみの世帯:87.6%
●高齢者のいるその他の世帯:88.6%
賃貸に住む50代夫婦が老後生活について考える際に、「老後二人暮らしなら持ち家に住んだ方がよいのでは」と悩んだとしても不思議ではありません。
高齢者の8割以上が持ち家に住んでいるというデータがあるものの、賃貸と持ち家のどちらがよいかは一概にいえません。それぞれにメリット・デメリットがあるからです。
持ち家に住むメリットには、住宅ローンを完済するとその分の出費がなくなり、住居にかかるランニングコストが大幅に減ることが挙げられます。自分の資産になり、老後も住む場所に困らない安心感が得られるでしょう。老後資金が必要になったときに売却したり、子どもたちに財産として残したりすることもできます。
持ち家であれば、リフォームやリノベーションを自由に行えるメリットもあります。DIYやガーデニングなどを趣味にできることもあるでしょう。
一方で、持ち家は住宅ローンの返済が終わった後も、設備のメンテナンスや建物の修繕などで費用負担は続く点に注意が必要です。場合によってはまとまったお金が必要になるケースも考えられます。また一度持ち家に住むと、住み替えや引っ越しが気軽にできないかもしれません。
賃貸に住む50代夫婦が、老後生活に備えて家の購入を検討する際は、以下の点に注意が必要です。
●十分な資金があるか
●老後のためにお金を残しておけるか
●いつまで働けるか
家を購入する際は、物件価格の大半を住宅ローンで借り入れて支払うことが一般的です。しかし頭金や初期費用、引っ越しなどの諸費用がかかるため、住宅購入時に手持ち金として十分な資金が必要になります。
年金だけで老後生活を賄えるとは限らないため、老後のためにお金を残しておくことも大切です。50代で家の購入を検討する際は、貯蓄を大きく切り崩したり、退職金を購入資金にあてたりすることに慎重であるべきです。
住宅ローンの支払いや老後資金の準備などを考えると、いつまで働けるかも重要なポイントになります。勤務先の定年制度や、定年後に再雇用制度があるかなども確認しておくとよいでしょう。
高齢者のいる世帯の持ち家率は81.6%で、主世帯全体の60.9%と比較すると20.7ポイント高いことが分かりました。賃貸に住む50代夫婦の場合、高齢者の8割以上が持ち家に住んでいると聞いて、自分たちも家を買った方がよいのではと考えるかもしれません。
持ち家には、住宅ローンの完済後は住宅にかかるランニングコストが大幅に減ることや自分の資産になることなど、さまざまなメリットがあります。一方で、リフォームや修繕などでまとまった出費が発生したり、住み替えや引っ越しを気軽にできなかったりするデメリットも考えられます。
50代で家を購入する際は、頭金・初期費用・諸費用のための十分な資金があるか、老後のためにお金を残しておけるか、いつまで働けるかを考えておくことは大切です。賃貸と持ち家のどちらがよいかは各家庭によって異なり、一概にはいえないため、慎重に検討したうえで決定するとよいでしょう。
総務省 報道資料 令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果表8-2 世帯の型、住宅の所有の関係別主世帯数及び割合(高齢者のいる世帯)-全国(2023年)(12ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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