4月7日(月) 19:40
お札の紙は、みつまたやアバカなどの天然繊維を主原料としています。
これらの天然素材は強い耐久性があるものの、湿気や水ぬれの影響を受けてわずかに縮むことがあります。例えば、洋服がぬれて乾いたときに少し縮むのと似たような原理です。
お札は、さまざまな人の手を渡る中で、折り畳まれたり、機械に通されたりすることで劣化していきます。そのため、見た目や手触りが少し変わることも珍しくありません。特に、水にぬれて乾燥したお札は、サイズが小さくなるだけでなく、表面が硬く感じられることがあります。
日本銀行によると、1万円札の寿命は約4~5年、5000円札や1000円札は使用頻度が高いため、寿命は約1~2年とされています。なお、寿命を迎えたお札は、トイレットペーパーなどにリサイクルされています。
このように、お札のサイズや質感の変化は、素材の特性や日常的な使用状況に起因する自然な現象といえるでしょう。
何らかの理由で傷んでしまった紙幣は、日本銀行で交換してもらえます。「表・裏両面があること」を条件として、残っている部分の面積を基準として引換えてくれるのです。
残存面積が3分の2以上であれば全額、5分の2以上3分の2未満であれば半額、それ以下の場合は引換えができず、銀行券としての価値がないものとされます。破れたり焦げたりしたわけでなく、サイズが縮んでしまっただけであれば、全額での引換えとなる可能性が高いでしょう。
なお、紙幣の交換は民間銀行でも受け付けてくれますが、どこでも交換してくれるわけではないので、金融機関に事前に確認してみてください。
お札は紙でできているため、水にぬれると縮んでしまうこともあります。サイズが違うだけでは、偽札と断定することはできません。しかし、警察庁によると、2024年1月から9月までの間に押収された偽造銀行券は1609枚ありました。絶対に大丈夫とも言いきれません。
不審に思ったときは、お札に施された偽造防止技術を確認してみてください。日本銀行のホームページでは偽札かどうかを識別するポイントを解説しています。具体的には、透かしやホログラムの位置や、識別マークなどです。
これらの特徴が不明瞭であれば、偽札の可能性も否定できないため、その場合は警察や日本銀行に相談することをおすすめします。
サイズが違う紙幣を手にすると驚いてしまうかもしれませんが、偽札ではなく、紙幣の劣化による可能性も考えられます。まずは冷静に判断し、日本銀行のホームページなどで本物との見分け方を確認してみてください。
また、日本の紙幣は世界屈指の偽造防止技術を誇りますが、偽札が全く出回っていないわけではありません。日ごろから紙幣の特徴に注意を払い、不審に思った際は早めに対応することが大切です。
日本銀行 新しい日本銀行券の特徴
国立印刷局 お札
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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