4月5日(土) 17:50
オペレーターにつながったら、どうなったのでしょう。
Aさんは、利用料の未納があるため、支払わないと電話が使えなくなると説明されます。Aさんが「未納はない」と伝えると、「確認するので、住所、氏名、生年月日を教えてください」と言われます。突然電話を止められることを告げられてパニックになっているAさんは、聞かれるままに答えてしまいます。
その後、少し冷静になったAさん。どこからの電話であるのか、相手に会社名と電話番号をたずねると、「B社(仮名)のカスタマーセンター」としか言いません。絶対に未払いではないと言い張っていると、そのうちに「間違いでした」と一方的に電話を切られてしまいました。
お金を払い込むことはなかったのですが、個人情報を伝えてしまったので、悪用されないかと心配しています。
自動音声のガイダンスには、この他に「料金未納のため、法的措置を取る。回避するには、すぐに電子マネーを購入して番号を教えてください」という事例もあります。
Bさんの場合、C社(仮名)ファイナンスを名乗る自動音声で「1年間未納になっているので、期限までに支払わなければ法的措置を取る。守秘義務があるので誰にも話さないように」とガイダンスがあり、電子マネーを購入して番号を教えるよう言われます。
さらに、コンビニで購入の際に何に使うか聞かれたら「自分で使う」と答えるように指示されます。電子マネーを購入して番号を教えたら、電子マネーを破棄するように言われます。うそをつかせて、足が残らないようにして、バレないようにしている時点で怪しいと思いましょう。
しかも、無事に支払いが終わったと思ったら、その翌日も5万円分を追加で要求されます。それだけでは終わらず、次は50万円分の追加要求があり、さすがにおかしいとBさんは思います
電話の利用を停止されては大変なので、何かの間違いだろうと慌ててオペレーターにつないでしまうかもしれませんが、総務省やNTT東日本、NTT西日本から、電話を停止することを、自動音声やSMSを使って連絡することは絶対にありません。
では、被害に遭わないためにはどうすれば良いのでしょうか。NTTや総務省、警察官をかたる詐欺は、「非通知」や「+から始まる(国際電話)」が多いので、固定電話の場合はナンバーディスプレイを付けて、これらの表示に出ないことです。知らない番号からの電話にも出ないことがトラブルを避けやすくなります。
もし、出てしまって自動音声が流れたら、電話を切りましょう。オペレーターにつながったら最後、言葉巧みに個人情報を聞き出されたり、金銭の要求をされたりする危険があります。
また、「コンビニで電子マネーを買って番号を教えろ」は詐欺です。未払い料金を電子マネーで支払うことは決してありませんし、後で番号を聞くこともありません。電子マネーを買ってしまっても、番号を教えてはいけません。身に覚えのない未納料金を請求されても、言われるままに支払わないようにしましょう。
もし未納が心配な場合、公式のカスタマーセンターに問い合わせましょう。絶対に自動音声からオペレーターにつながったり、SMSからリンクに飛んだりしてはいけません。
心配な場合は、消費者ホットライン「188」や警察相談専用電話「#9110」へ相談しましょう。
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執筆者:林智慮
CFP(R)認定者
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