3月28日(金) 1:30
土地活用を検討するなら
トランクルーム経営とは、空き地にコンテナや倉庫を設置し、個人や法人に収納スペースを貸し出すビジネスです。初期投資が比較的少ないため、土地活用の方法として人気が高まっています。
トランクルームには大きく分けて「屋外型(コンテナ型)」と「屋内型(ルーム型)」の2種類があります。
●屋外型:低コストで導入しやすいが、温度・湿度管理が難しい
●屋内型:屋内のためセキュリティーや空調管理に優れるが、初期投資が大きくなる
都市部では屋内型のトランクルームが多く、郊外では比較的安価に設置できる屋外型が主流です。
トランクルーム経営には、主に3つの運営方式があります。それぞれの特徴は次の通りです。
「事業用定期借地方式」は、土地オーナーがトランクルーム事業者に土地を貸し、賃料を受け取る方式です。事業者が建設・運営を行うためオーナーの負担は少ないですが、地代収入が中心で、収益は限定的です。
「リースバック方式」は、土地オーナーがトランクルームを建設し、リースバック業者に一括で貸し出す方式です。空室でも賃料を受け取れますが、手数料が割高なため、収益性は業務委託方式よりも低くなる場合があるでしょう。
「業務委託方式」は、土地オーナーがトランクルームを建設し、管理業務を管理会社に委託する方式です。空室リスクはあるものの、リースバック方式よりも手数料が安く、高い収益性があります。
リースバック方式や業務委託方式なら、管理会社に運営の大部分を代行してもらえます。管理会社に依頼できる業務には、次のものがあります。
●集客・マーケティング:広告戦略の策定、ウェブサイト運営、チラシ配布
●契約手続きの代行:顧客対応、契約締結、賃料回収、クレーム処理
●施設管理・清掃:定期的な清掃・点検、設備の修繕、防犯
●セキュリティー管理:防犯カメラの監視、鍵の管理、警備会社との連携
●収益管理:売上データの分析、最適な賃料設定
トランクルーム経営は比較的低リスクな土地活用方法とされていますが、以下のポイントに注意が必要です。
トランクルームは、賃貸住宅と異なり必需品ではないため、地域のニーズに影響を受けやすい特徴があります。需要が少ないエリアでの開業や、競合施設が存在すると空室が発生しやすい可能性があります。
トランクルームは「倉庫」に分類されるため、建築できるエリアに制限があります。都市計画法では、以下の地域でのトランクルームの設置が禁止されているため、事前の確認が必要です。
●第一種低層住居専用地域
●第二種低層住居専用地域
●第一種中高層住居専用地域
●第二種中高層住居専用地域(一部条件付きで可)
土地活用を検討するなら
トランクルーム経営を成功させるためには、以下のポイントに注意してください。
トランクルームの利用者は、基本的に自宅やオフィスの近くにある施設を選ぶ必要があります。都市部では徒歩圏内、郊外では駐車場を完備し、車でアクセスしやすい場所が適しています。
同じエリアに複数のトランクルームがある場合、料金だけでなく設備やセキュリティーの面での差別化が欠かせません。
●セキュリティーの充実:防犯カメラ、オートロック、警備システムを導入する
●温湿度管理の徹底:書類や衣類、ワインなどを保管するニーズに対応するために、空調設備を完備する
●ターゲットを明確にしたマーケティング:企業向けの書類保管や趣味用倉庫(楽器・コレクション)など、特定のニーズに対応する
住宅街なら防犯性を強化し、子どもの荷物や家財を保管できる施設としてアピールするとよいでしょう。
トランクルーム経営は、空き地を活用し収納スペースを貸し出すビジネスで、屋外型と屋内型があります。また運営方式には「事業用定期借地方式」「リースバック方式」「業務委託方式」があり、それぞれの業務は管理会社に委託可能です。
立地選定や競合調査をしっかりと行うとともに、セキュリティーや温湿度管理を強化することで差別化を図って、トランクルーム経営で安定した収益を目指していきましょう。
国土交通省 用途地域
株式会社NTTデータスマートソーシング HOME4U トランクルーム投資で失敗する10パターンと投資失敗の対策法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
土地活用を検討するなら
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