3月27日(木) 1:10
不用品回収業の収益は、「回収」「リサイクル」「輸出」の3つのポイントから成立しています。いらなくなったものを有料で回収し、大型の不用品は別途追加料金を徴収して利益を得ます。
回収した不用品のなかからリサイクルできるものは、修理や機器の部品をパーツに分解し再資源として売買します。また、国内需要がないものを海外の途上国に輸出して収益を得ている会社もあります。
また、国の補助金や助成金を利用して資源循環に貢献することも可能です。環境省の「循環型社会形成推進交付金」は、市町村が、廃棄物の3R(リデュース・リユース・リサイクル)を目的として廃棄物処理・リサイクル施設整備計画を推進する事業に交付されます。交付率は、対象経費の3分の1です。
不用品回収業を始めるための資金は主に以下の項目が挙げられます。
●物件代(家賃、敷金・礼金、保証金、内装・外装工事など)
●土地代
●設備工事費
●駐車場代
●車両購入費
●什器備品費(パソコン、棚など)
●広告宣伝費(ホームページ制作、広告チラシ制作、印刷など)
●各種申請手数料(古物商許可申請費、産業廃棄物収集運搬業申請費など)
●求人費(求人媒体利用など)
なお、個人事業型とフランチャイズ型では開業資金が異なります。
物件代、土地代、設備工事費、車両購入費、什器備品費、求人費などは、個人事業型よりもフランチャイズ型のほうが出費は多く、独立行政法人中小基盤整備機構によると、開業資金の合計は、個人事業型で「約150~300万円」、フランチャイズ型で「約480~810万円」となり、その差額は「約330~510万円」です。
日本政策金融公庫「2023年度新規開業実態調査 アンケート結果の概要」によると、一般的な開業費用の平均値は「1027万円」、中央値は「550万円」でした。必要な開業資金が少なく、知名度やサポートを必要としないのであれば、不用品回収業は個人でも開業しやすい業種といえるでしょう。
不用品回収業者は、民間業者と自治体の2つに分類できます。
民間業者の場合は、商品の状態、市場の動向、地域や業者によって手数料が異なります。都合に合わせて自宅への回収や即日対応、粗大ごみ回収や買い取りのほかに遺品整理や清掃作業など、利用者の目的に応じて対応してくれるでしょう。
自治体の場合も、各自治体によって異なりますが、品目ごとに粗大ごみの処分手数料が定められており、数百円から数千円程度を支払う必要があります。例えば、渋谷区では、ビデオカメラ400円、パソコンラック900円、電子ピアノ2300円を粗大ごみの処分手数料が必要です。
ただし、どちらの場合にも注意点があります。自治体の場合は、指定された日時に指定の回収場所へ運ぶ必要があります。民間業者の場合は、利便性は高くても、業者によっては無許可だったり高額な手数料を要求されたりしてトラブルに発展する可能性があるのです。
不用品をお金に換えたい場合、高く買い取ってもらうポイントは以下のとおりです。
●不用品の状態をチェックする(汚れ、キズ、サビ等を除去する)
●相見積もりをする(複数業者の見積もりを比較検討する)
●品物に特化した業者を選ぶ(専門的な販売ルートを重視する)
●事前に査定しておく(品物の価値を知る)
不用品回収業は、不用品を再販やリサイクル、海外に輸出することで利益を得ていますが、廃棄物を資源として活用することで、環境保全に貢献しています。
不用品回収の利用者は、自分の都合に合わせて業者を選べるので、ものによっては高価買取をしてもらうことも可能です。
環境省 循環型社会形成推進交付金サイト 循環型社会形成推進交付金制度の概要
独立行政法人中小企業基盤整備機構J-Net21 業種別開業ガイド 再生資源回収業
日本政策金融公庫 2023年度新規開業実態調査 アンケート結果の概要
渋谷区 粗大ごみ 処理手数料一覧
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
【関連記事】
年間「5000円」の町内会費の支払いを拒否したら「今後ゴミを捨てるな」と言われました。正直払いたくないのですが、法的な拘束力はあるのでしょうか?