3月25日(火) 19:00
全国農業協同組合連合会(JA全農)が実施した「若者のフードロスに関する意識調査」によると、東京都内で一人暮らしをしている大学生143人の中で、65.7%の学生が自炊をしていて食材を使いきれなかった、無駄にしてしまった経験があると回答しました。
また、環境省が公表した資料「我が国の食品ロスの発生量の推定値(令和4年度)の公表について」によると、一般家庭の食品ロスの発生量は年間236万トンとされています。
このように多くの食材が無駄になってしまう理由としては、買い過ぎて食べ残した、食べる時に傷んでいた、賞味期限が過ぎてしまったなどの理由が挙げられています。ちなみに、57.4%の大学生が食材を無駄にしないようにするために、自炊を控えることがあるとも回答しています。
フードデリバリーサービス「GOFOOD(ゴーフード)」を運営するゴーフード株式会社の調査によると、自炊1回あたりにかける費用は、301円〜500円が最多で、全体の50%を占めました。
外食1回あたりにかける費用は701円〜1000円が最多の45%であることと比較すると、自炊の費用はおよそ半分に抑えられており、お金を節約するために自炊をする人が多い傾向にあることが分かります。
またこの調査では、一人暮らしの食事で重視することは、「価格(安さ/予算内)」、「簡単・手軽」、「お腹を満たせる量」が上位3つを占めており、栄養は二の次になっているようです。その一方で、「栄養バランスの取れた食事」が理想の食事であるとする人が約60%おり、理想と現実にギャップがあることがうかがえます。
上述したように、自炊1回あたりの平均費用は301円〜500円です。1日1回自炊を行い、買った食材を1割無駄にするとしたら、1日あたり30円〜50円程度損をしてしまう計算になります。
およそ1日1食分にこのような食材ロスが発生しているとしてこの数字を1年間(365日)に当てはめると、年間1万950円〜1万8250円にものぼります。これが2割の場合は2万1900円〜3万6500円の損、3割の場合は3万2850円〜5万4750円の損です。つまり、1食分では数十円程度のロスだとしても、年間では1万円以上損する可能性があるわけです。
一人暮らしを始めると、食費の他にも、住居費、水道光熱費、通信費、日用用品費など、さまざまな出費があります。この中でも比較的大きな割合を占めているのが食費です。一般的に、1ヶ月あたりの食費は収入の10%~15%程度が理想といわれています。
例えば、年収300万円(月収25万円)の場合は、1ヶ月あたり2万5000円〜3万7500円となります。食費を抑える方法としては、食費の予算を決め、それをオーバーしないように気を付ける、外食を控えてできるだけ自炊する、食材は特売日に計画的にまとめて買う、といった方法を実践してみてはいかがでしょうか。
全国農業協同組合連合会極狭キッチンでも簡単、地球にも財布にもエコナ一人前レシピJA全農「もったいない! 東京1Kごはん」~「若者のフードロスに関する意識調査」では、約6割の学生が食材のムダを懸念し、自炊をためらうことが判明
ゴーフード株式会社春から新生活! 「一人暮らしの食生活」に関する調査
環境省 我が国の食品ロスの発生量の推定値(令和4年度)の公表について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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