入学卒業式など式典に「ジレ」はアリ?ナシ? ママたちの論争をスタイリストはどう見るか

ジレは着こなし次第でセレモニー向きに?(画像:PLST)

入学卒業式など式典に「ジレ」はアリ?ナシ? ママたちの論争をスタイリストはどう見るか

3月25日(火) 23:47

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スタイリストの大日方理子です。3月中~下旬は、卒園式の帰りかな?と思う親子や、卒業式の帰りかな?と思う子供たちを見かけました。

卒業・入学式などセレモニーに「ジレ」はアリか?



今、Threads(SNS)を賑わせているのが「卒・入式に着物がダメって思ってる人いるんだ…流行りとはいえジレが式典に相応しいと思ってる人いるんだ…モヤモヤモヤ」という投稿。この投稿を見た人からは「ジレを買ってしまったけど卒園式にジレってダメなの?」「ジレを着ていくつもりだけど常識のない人だと思われる?」など心配する声が相次いでいます。

(「ジレ」GILETとはフランス語の「中衣」の意味。袖がなく前開きで、ベストやチョッキと呼ばれていたもの。日本では2018年あたりからジレという呼び名も広まりました)

冒頭の投稿をした人のコメントをさかのぼると、「卒・入式を終えてから数十年」で「ただの独り言でございます」とあり、現役で卒入学式に出席している人たちよりもひと回り上の世代であることがわかります。数十年前は卒入学式にジレはナシだったと思うので、とても常識的な方なのだと思います。

さらにこの論争に拍車をかけたのが、別の方が投稿した「コサージュは私もつけない方が良いかと…主役はお子様ですしね」でした。「ジレもコサージュもダメ?」「ここまで子供を育ててきた親だって主役」など様々な意見が飛び交っています。

「セレモニーはジャケットでなくてもいい」派が54%



ユニクロなどを運営するファーストリテーリンググループのPLST(プラステ)が、全国の保育園・幼稚園~高校生の子ともがいる20~59歳のママ500名を対象に実施したインターネット調査(調査日:2025年1月23日~24日)によると、

「セレモニー服はカジュアル化していると思う」77.0%、
「セレモニーの際にはジャケットを着用しなくてもいいと考えている」54.4%


という結果でした。半数以上の人たちが卒入学式にジャケットを着用しなくてもよいと思っていることがわかります。

一方で、約9割の人がどこまでカジュアルにしていいかわからないと回答しています。記念すべき日にマナー違反になりたくない気持ちがあることもわかります。

セレモニーでジレを着る時のポイント



学校や地域によって雰囲気が違うので、ひとまとめにして語るのは難しいのですが、私はジレもコサージュもアリだと考えています。

ツイード素材のジレを選ぶ、キャンディスリーブなど華やかなデザインのブラウスにする、コサージュやブローチをプラスするなど、着こなしにひとつセレモニーらしいポイントがあると◎。

あとは、全身で使う色を少なくしたほうが上品な印象になると思います。ジレを着るときは、首元から少しブラウスが出ている方が素敵に見えます。スタンドネック、フリル付き、ボウタイなど首に立ち上がりのあるデザインのブラウスがおすすめです。ここまで洋装の話ばかりでしたが、お着物も素敵ですよね。

時代によって常識やマナーは変わる



歴史的な出来事と共に、人々の装いも変化してきました。1868年の明治維新後、政府は一刻も早く欧米に並ぼうと洋服を軍・警官・駅員など公職に就く者の制服としました。それでもなかなか一般の人には広まりませんでした。日本人が洋装を日常的に着るようになったのは大正時代になってから。1923年に起こった関東大震災がきっかけだったと言われています。

大阪で誕生した庶民的な簡易服「あっぱっぱ」は女性の普段着として流行しました。ちなみに江戸時代はお葬式に白を着ていくのが一般的だったそうで、お葬式=黒が常識となったのは洋装が広まってからのことだそうです。

2011年の東日本大震災後は、フラットシューズで通勤する人が増えたと言われています。それまで通勤といえばヒールのパンプスが一般的でしたが、災害時に電車が止まる経験をして、今はスニーカーやリュックで仕事に行く人も多くいます。式典へ参加する際も過去にはヒールのパンプスが常識でしたが、今はフラットシューズの人が多いのではないでしょうか。

頑張りすぎないスタイルが普通になった



ここ10年くらい、世界的にエフォートレスなライフスタイルが流行しています。effortは努力という意味で、エフォートレスとは「肩の力が抜けた」「頑張りすぎない」スタイルのことを指します。「式典にしか着ない服ってもったいないよね?」という発想も、頑張りすぎないマインドが影響しているように思います。

コロナ禍に卒業式や入学式を実施しようと工夫した結果、式典の形式は簡略化されました。また、物価高騰などの影響もあり、より安価なセレモニー服を求める人が増えているそうです。保護者の装いがカジュアル化したのも当然の流れではないでしょうか。

働くママが増えているのも一因だと思います。午前中に式典に参加して、そのままの服装で出勤する人もいます。仕事場でも浮かないコーディネートが好まれるようになっていると思います。

最後になりましたが、この春お子さんの卒園・卒業・入園・入学式を迎えたママの皆さん、おめでとうございます!思い出に残る素晴らしい1日になりますように。

<文/大日方理子画像/PLST、WEARより>

【大日方理子】
(おびなた・りこ)スタイリスト。1979年生まれ、お茶の水女子大学卒。『Ray』などの女性誌やテレビでスタイリストを務める。きれいめからカジュアルまで、今の気分を取り入れたスタイリングが得意。骨格診断アドバイザー。猫背改善で身長149cm→151cmに。中学生の女の子がいる1児の母でもある。公式HP

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