【プロ野球】今中慎二のセ・リーグ順位予想大型補強の巨人、昨年日本一のDeNAなど上位にきそうなチームは?

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【プロ野球】今中慎二のセ・リーグ順位予想大型補強の巨人、昨年日本一のDeNAなど上位にきそうなチームは?

3月24日(月) 1:25

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今中慎二インタビュー後編

2025年セ・リーグ順位予想

(前編:中日の現状 小笠原慎之介や守護神が抜けた穴、得点力不足は解消できるか>>)

巨人が4年ぶりのリーグ優勝を果たした昨季のセ・リーグ。クライマックスシリーズ進出争いも含め、シーズン終盤まで大混戦となったが、今季はどのような展開になるのか。かつて中日のエースとして活躍した今中慎二氏に、セ・リーグの順位予想を聞いた。

今シーズンから巨人でプレーする甲斐拓也(左)と田中将大 photo by Kyodo News

今シーズンから巨人でプレーする甲斐拓也(左)と田中将大 photo by Kyodo News





【1位予想:巨人】――セ・リーグの1位は巨人と予想されました。菅野智之投手(現ボルチモア・オリオールズ)が抜けた穴は埋まりそうですか?

今中慎二(以下:今中)昨年8勝を挙げた井上温大がパワーアップしていて、今年はもっと勝てるかもしれないと思っています。戸郷翔征、山﨑伊織、井上と計算できる先発が3枚いますし、フォスター・グリフィンや田中将大らもいて先発の頭数はいるんです。何よりも、しっかりしたピッチャーが3枚いると強いですよ。

リリーフも、中日からライデル・マルティネスが入って層が厚くなりました。先発は5、6回投げればいい感じですから、序盤から飛ばしていくこともできます。阿部慎之助監督は、ソフトバンクからFAで加入した甲斐拓也を「主戦捕手で使っていく」と言っていますし、キャッチャーを固定できるのも大きいんじゃないですか。大城卓三や岸田行倫は甲斐を休ませる時に使うみたいですし、キャッチャー陣も盤石です。

【2位予想:DeNA】――2位予想は、昨季に日本一になったDeNAですね。

今中リリーフ陣に不安要素はありますが、トレバー・バウアーが帰ってきたのは大きいです。昨年もメキシカン・リーグで投げていて、休んでいたわけではないですから。日本での経験もありますし、ある程度やると思いますよ。

東克樹とアンドレ・ジャクソンは安定していますね。それと、アンソニー・ケイが昨季の日本シリーズで好投し、覚醒したことも好材料です。そのまま、今季のレギュラーシーズンでも活躍できるかどうかはわかりませんが。

――強力打線は、今季も相手にとって脅威になりそうですね。

今中打線が活発なチームですからね。キャッチャーも山本祐大と松尾汐恩が出てきましたし、梶原昂希や森敬斗も昨季の日本シリーズを経験して伸びてきています。松尾はバッティングのセンスがあるので、控えにしておくにはもったいないですね。

DeNAは調子づいたら手がつけられませんし、波はあるけど面白いチームだと思います。シーズンの苦しい時期に、昨年に日本一になった自信が生きるはずです。

【3位予想:中日】――今中さんの古巣、中日は3位と予想。3年連続最下位からのAクラス入りはあるでしょうか。

今中セカンドの福永裕基、ショートの村松開人と、攻撃的な選手を二遊間で起用していきそうですし、岡林勇希も状態が上がってきました。センターラインがある程度整ってきたので、いかに得点力を上げていけるかですね。

その部分に関しては、細川成也や中田翔、新外国人選手のジェイソン・ボスラー(上半身のコンディション不良で離脱中)らにかかってくるのですが、昨年よりは打線が活発になるだろうと期待しています。少しでも点が取れれば、ピッチャー陣はある程度計算できますからね。

――確かに、先発の小笠原慎之介投手(現ワシントン・ナショナルズ)、抑えのライデル・マルティネス投手が抜けましたが、ピッチャー陣の枚数は揃っている印象です。

今中髙橋宏斗が計算できますし、大野雄大の状態もよさそうです。新外国人のカイル・マラーもある程度やれそうですし、柳裕也、涌井秀章らも含めて先発陣もやり繰りをしていけるかなと。マルティネスが抜けたのは確かに大きいですが、それでもリリーフ陣は充実しています。先発と同じように、やり繰りしていけるんじゃないですかね。あとは、井上一樹新監督になったことがどう出るか。期待も込めて3位にしました。

【4位予想:阪神】――藤川球児新監督でリーグの覇権奪還を狙う阪神は、4位と予想されました。

今中先発は才木浩人がいますが、昨年よくなかった村上頌樹がどれだけ頑張れるかじゃないですかね。青柳晃洋(現フィラデルフィア・フィリーズ)は抜けましたが、西勇輝やジェレミー・ビーズリーもいますし、あとは門別啓人や新外国人のジョン・デュプランティエがどれだけ勝てるか、ドラフト1位ルーキーの伊原陵人がローテーションに食い込んでいけるかに注目です。

それと、中日と同じで監督が代わっているので、それがいいほうに出るのか、悪いほうに出てしまうのかですね。

――打線はいかがですか?

今中ある程度、点は取れそうですね。佐藤輝明、森下翔太、大山悠輔がクリーンナップを担うと思いますが、前川右京が成長していますし、打線のカギを握りそうな感じがしています。新外国人のラモン・ヘルナンデスは、前川の状態がいいのでどこを守らせるかが問題です。新外国人は、シーズンの出足がよければそのまま最後まで突っ走る可能性もありますし、未知数です。それはどのチームの新外国人選手にも言えることですが、ヘルナンデスも調子がいいとなると、起用に頭を悩ませることになりそうですね。

【5位予想:広島】――5位に予想された広島はどう見ていますか?

今中大瀬良大地、床田寛樹、森下暢仁を中心に先発は揃っています。それと、2023年のドラフト1位、常廣羽也斗が出てくると思います。タイプとしては森下に近そうですね。森下のほうがボールに角度があるのですが、コントロールが安定していますし、試合を作れそうな雰囲気があります。

ただ、先発が安定していても、広島の場合は点を取るのに苦労しそうです。

――坂倉将吾選手が、右手中指骨折で離脱していることも痛いですね。

今中ケガをしたのが早い時期でよかった、と考えるしかないですね。守りの面ではベテランの會澤翼がいますし、なんとかやり繰りしていけると思いますが、バッティングのほうで坂倉を欠いてしまうのは痛いです。

そういう意味でも、新外国人のエレウリス・モンテロやサンドロ・ファビアンにかかる期待は大きいんじゃないですか。秋山翔吾、小園海斗、矢野雅哉らが出塁しても、返せるバッターがいないと点を取れませんから。

【6位予想:ヤクルト】――ヤクルトを最下位に予想された理由は?

今中先発もリリーフも計算できるピッチャーがあまりいません。ベテランの小川泰弘や石川雅規に頼っているようでは厳しいです。奥川恭伸は開幕投手に指名されていますが、状態次第では無理をさせられないでしょうし、高橋奎二や吉村貢司郎あたりが先発陣を引っ張っていかなければいけません。かなり打たないと順位は上がらないと思いますが......村上宗隆と山田哲人の離脱が痛いです。

ドミンゴ・サンタナとホセ・オスナの両外国人は計算が立つので、あとは赤羽由紘や丸山和郁といった若手、新加入の茂木栄五郎がどれくらい活躍できるかにかかっています。

――塩見泰隆選手が復活できるかどうかも、チーム浮沈のカギを握りそうですね。

今中大きなケガ(左膝前十字靱帯損傷と左膝半月板損傷)からの復帰ですし、あまり無理はさせないんじゃないですか。高津臣吾監督と話した時には「(昨季は)塩見のケガが一番痛かった」と言っていました。長打力のあるトップバッターなので、彼がいるだけで得点力はガラっと変わってきます。ただ、ヤクルトの場合はとにかくピッチャー陣。層が薄いので、今年も苦労しそうな気がします。

【プロフィール】

◆今中慎二(いまなか・しんじ)

1971年3月6日大阪府生まれ。左投左打。1989年、大阪桐蔭高校からドラフト1位で中日ドラゴンズに入団。2年目から二桁勝利を挙げ、1993年には沢村賞、最多賞(17勝)、最多奪三振賞(247個)、ゴールデングラブ賞、ベストナインと、投手タイトルを独占した。また、同年からは4年連続で開幕投手を務める。2001年シーズン終了後、現役引退を決意。現在はプロ野球解説者などで活躍中。

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