映画文化の礎とも言えるミニシアターが、事業継承や老朽化した設備への投資などの問題により、新たに存続の危機を迎えているいま、全国興行生活衛生同業組合連合会(略称、全興連)によるクラウドファンディングやアンバサダーを活用したミニシアター支援プロジェクト「#ミニシアターへ行こう」が展開中。同プロジェクトの一環としてアンバサダーによるミニシアターの応援動画企画を実施中で、このたびお笑い芸人で映画紹介人のジャガモンド斉藤が、東北は岩手県一関市の「一関シネプラザ」と、秋田県大館市の「御成座」を、巡ってきた様子をお届けする。
【写真を見る】お笑い芸人で映画紹介人のジャガモンド斉藤が「一関シネプラザ」を訪問



岩手県一関市唯一の映画館である「一関シネプラザで」は、同映画館の松本健樹社長に劇場内を案内してもらいながら、同館の歴史について話を聞いた。

一関シネプラザは、前身の新星映画劇場を含めて創業76年、かつて一関市には6つの映画館があったが、現在残るのは同館のみだ。東日本大震災での被害からの営業再開、2022年の福島沖地震での被害時の状況、そして修繕のための寄付やクラウドファンディングを実施した際のエピソードのほか、映画館を運営しつづけることへの想いを語ってもらった。



普段入ることのできない映写室の雰囲気に、斉藤のテンションもアップ！フィルム式の映写機もまだ現役だそうで、普段はDCPでの上映だが、松本社長によると「まだこれで映画をかけることもある」とのこと。斉藤がこれまでの印象深いエピソードを尋ねると、「『おくりびと』の上映の時は楽しかったねえ。市内のご老人がわんさかとつめかけてきて」と懐かしむ。

取材当日は『野生の島のロズ』(公開中)などファミリー層向けの作品を上映しており、子ども会の団体向け上映も実施するなど、地域密着型の映画館としての在り方についても語ってくれた。



場所を変えて「御成座」では、斉藤に加えてゲストに松井咲子も参加。数年前、大館でのロケ中にプライベートで御成座を訪れたという松井は、その時に入手したという同館のTシャツを着ての参加となった。

2014年に、居住のために借りていた御成座の建物を再び劇場として復活させたのが代表の切替氏だ。名物の手書き看板には、それぞれの作品にとある秘密が隠されており、それを見つけた松井は大喜びだった。



引き継いだそのままの雰囲気を活かしたという館内には、レトロな映画ポスターや来訪した映画監督など著名人の色紙などが飾ってあり、それらを見ているだけでもあっという間に時間が過ぎてしまいそう。

「映画を観なくとも立ち寄れるような雰囲気にしたい」と語る切替氏。実際、映画を観ずとも見学だけするお客さんもいるそう。ほかの映画館に比べてステージ部分が広いスクリーンでは、地元アイドルのコンサートやプロレスといったイベントも行われてきた。「ずっと来たかったんです」と言う斉藤は同館のオリジナルTシャツを入手。松井も「改めて来られてとてもうれしかったです。魅力がたくさんある映画館なのでずっと残ってほしい」としみじみ語った。



このときの様子は後日、YouTubeチャンネル「ジャガモンド斉藤のヨケイなお世話」でも紹介されるので、乞うご期待！

ほかにも、最近の「#ミニシアターへ行こう」のアンバサダー企画では、カルチャー動画メディア「MEW'S BOX」編集部のもっちゃんとタレントの関根ささらが大分のミニシアターを巡った動画もアップ。そちらもぜひチェックしてみてほしい。

文/山崎伸子


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