宇野昌磨「ダラダラ、ゴロゴロして」充電完了初プロデュースのアイスショー『Ice Brave』に本田真凜ら「仲間」と挑む

能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

宇野昌磨「ダラダラ、ゴロゴロして」充電完了初プロデュースのアイスショー『Ice Brave』に本田真凜ら「仲間」と挑む

3月20日(木) 22:05

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宇野昌磨『Ice Brave』会見&インタビュー 前編(全3回)

3月19日、名古屋市内。宇野昌磨(27歳)は、自身初となる企画プロデュースのアイスショー『Ice Brave(アイス・ブレイブ)』の記者発表を行なっている。「トヨタイムズスポーツ」でも生配信された。

3月19日、名古屋市内で『Ice Brave』の発表会見を開いた宇野昌磨

3月19日、名古屋市内で『Ice Brave』の発表会見を開いた宇野昌磨





宇野は6度の全日本選手権優勝、世界選手権連覇、そしてオリンピックでは団体の銀メダルを含めて、日本のフィギュアスケート史上最多3個のメダルを獲得。競技の歴史に名を刻んでいる。

記録だけではない。ケガに見舞われながら、それをはねのけて表彰台の一番高いところに立ったり、目を覆うような不調から一気に王者になったり、難解な曲を優雅に滑りきって芸術性が賛美されたりした。記憶に残る演技が多かった。

その宇野が、次にどのようにスケートと向き合うのか。昨年5月の引退会見後、新しい挑戦が本格的に動き出したーー。

【ダラダラゴロゴロ...休養を経てリスタート】「現役時代は、技術を磨き上げる毎日で......セカンドキャリアは望んでいた家でダラダラ、ゴロゴロができました」

会見場で、宇野はそう言って小さく笑った。それは本心なのだろう。心身ともに限界まで追い込んで真剣勝負を戦ってきたはずで、リスタートするには休養が必要だった。

「十分ダラダラ、ゴロゴロして......打ち込むことがある大切さにもあらためて気づきました。今は、『Ice Brave』をすばらしいショーにするため、過酷なスケジュールも苦ではないです」

充電は完了したのか、リンクに立つと、自然とスイッチが入った。稽古では、8時間も氷の上に立ちっぱなしという日もあったほどだ。

『Ice Brave』では、現役時代のプログラムを中心に滑る。本人いわく、「頑(かたく)なにやってこなかった演目も」入っているという。ダンサーが陸で振り付けを担当し、それを氷の上に落とし込む。今まで以上に"踊る"要素の強い世界をつくり出すことになりそうだ。

【本田真凜や恩師ランビエールら「仲間」とめざす一体感】「ようやく、自分のやりたかったことができているかなって思います」

宇野は一つひとつの言葉を丁寧に紡ぐ。

「フィギュアスケートは競技性、芸術性のどちらもあるものですけど、現役時代はどうしても"ジャンプが跳べた・跳べていない"で毎日、一喜一憂していました。今はスケートをもっとうまくなりたいということに向き合えていて、それがやりたかったことで、練習がどれだけ長くても苦になりません。みんなも一緒にやってくれているので」



この日、宇野は「仲間」という言葉を何度も使っている。

「スケートは個人競技で、ショーは団体競技で同じ方向に向かっていく一体感が楽しいなって感じています」

宇野はそう言ってほおをゆるめた。本田真凜、本郷理華、そして恩師であるステファン・ランビエールら総勢7名で物語をつくり出す。今年6月、地元である名古屋で初公演が決まっている。その後、福岡、新潟でも公演予定だ。

「僕ひとりだけではすばらしいショーはつくれないと思います。みんな、得手不得手があって、皆さんの協力を得て、作品として完成させるというのを色にしたい。それに、試合もたくさんの拍手があるとうれしいですが、(今回も)会場にたくさんの方にいらしてもらい、そこで楽しんでもらって自然にボルテージが上がり、ようやく"アイスショーが大成功"ってなるのかなって」

宇野は一体感を求めている。観客も含めた仲間がそろうことで物語が完結。壮大なカタルシスを生み出すのだ。

「ひとりでも多くの人に見てもらいたいと思います。それが言えるだけの熱量でつくることができています。会場に来てもらって完成するショーなので。リンクからもお客さんの表情は見えるし、楽しんでもらえているのを感じられたら、それがエネルギーになるはずです」

【憧れの高橋大輔のような演技をめざして】『Ice Brave』というショーのタイトル、最後は満場一致で決まったという。勇敢を冠したタイトルは、宇野のスケート人生に通じるものがあった。

「タイトルをつけるのは難しかったです。あまりかっこよすぎるのも自分に合わず、恥ずかしいし......たくさん(候補が)出たなか、自分の現役時代の軌跡と近いなって決めました。気持ちを前に強く出していく選手だったと思うので。エネルギッシュに、全力でいくってところは、自分でも自信を持っているところ」

宇野はプロデューサー兼メインスケーターだが、肩書きは決めかねているという。それはこれから定まるのかもしれないし、表現者にとって称号は冠に過ぎないのだろう。

「小さい時に憧れた高橋大輔さんのようなスケーターに、今の自分がなれているか。それで言ったら、まだ自分は満足できていなくて。それを目指して、このショーに向けても自分の強みを活かし、もっと改善していきたいって思っています」

彼は表現に対し、現役時代以上にどん欲だ。

「自分はアニメでも漫画でも、ネタバレされたくないほうなので。(どのプログラムを滑るか)言われたくない、という方もいるかもしれない。だからそこはお楽しみということで」

宇野は公演内容については、少しずつ明らかにしていくという。彼なりのエンターテインメント魂だろう。本番に、乞うご期待だ。



中編につづく

【プロフィール】

宇野昌磨うの・しょうま

プロフィギュアスケーター。1997年12月17日、愛知県生まれ。現役時代には、全日本選手権優勝6度、世界選手権連覇、2018年平昌五輪銀メダル、2022年北京五輪銅メダルなど華々しい成績を残す。2024年に現役引退し、現在はアイスショー出演などプロスケーターとして活躍している。2025年6月〜7月に自身が初めて企画プロデュースしたアイスショー『Ice Brave』を名古屋、新潟、福岡の3都市で開催予定。

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