3月20日(木) 10:20
まずは、年代別の平均年収を比較します。
国税庁が発表している「令和3年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-」によると、給与所得者全体の平均年収は443万3000円です。さらに、年代別の平均年収を表したものが表1です。
表1
年齢 | 平均年収 |
---|---|
20歳~24歳 | 269万円 |
25歳~29歳 | 371万円 |
30歳~34歳 | 413万円 |
35歳~39歳 | 449万円 |
40歳~44歳 | 480万円 |
45歳~49歳 | 504万円 |
50歳~54歳 | 520万円 |
55歳~59歳 | 529万円 |
※国税庁「令和3年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-」を基に筆者作成
年齢が高くなるにつれ平均年収も上昇し、50代前半では520万円、後半では529万円となります。
年代別の平均年収をふまえて、年収満足度も確認してみましょう。
株式会社スタジオテイルが20~50代の男女を対象に行ったアンケート調査によると、年代別の満足度の割合は表2になります。
表2
年代 | 満足している | 少し満足している | 少し不満 | 不満 |
---|---|---|---|---|
20代 | 5% | 23% | 38% | 34% |
30代 | 5% | 26% | 45% | 25% |
40代 | 10% | 31% | 40% | 19% |
50代 | 17% | 17% | 35% | 31% |
※株式会社スタジオテイル「現在の年収に満足してる?年収アップへの取り組みは?400名へのアンケート結果」を基に筆者作成
この表から、現在の年収に「満足している」と答えたのは、50代が17%と最も多い結果です。しかし「少し満足している」の割合も含めた場合、50代は34%で40代の41%よりも少ない結果になっています。
50代が年収に満足できない理由としては、資金が必要なライフイベントが多くなることや、老後について考え始める年齢だからといった背景が考えられます。
例えば50代になり、子どもの進学や親の介護といったライフイベントをむかえるケースもあるでしょう。
また、50代の7割は老後資金を確保できていないといったアンケート結果もあります。貯蓄や収入に対して出費が増えることで、将来に対する不安が募り、年収への不満につながっているのかもしれません。
では、50代から老後資金をためるためには、どのような方法があるのか考えてみましょう。
まずは、毎月の収入に対する支出の割合を把握することが重要です。使途不明金や無駄な支出をなくし、老後資金として一定額を貯蓄に回せるように調整するとよいでしょう。
ほかにも、住宅ローンが残っていれば完済することや、子どもが独立した後の保険の見直しも、老後への備えになる可能性があります。
さらに、効率よくお金を増やす方法として、新NISAやiDeCoといった税制優遇制度の利用も検討するとよいかもしれません。ただし、これらには元本割れするリスクがあることも把握する必要があります。
今回紹介した調査結果では、50代で年収に満足している人の割合は、34%でした。
50代が年収に満足していない理由は、老後の不安やライフイベントで支出が多くなっていることなどが考えられます。
定年後に困らないためにも、今のうちから無駄な支出をおさえることや、お金を増やす努力をすることで、老後の不安を軽減できるかもしれません。
国税庁 令和3年分民間給与実態統計調査-調査結果報告-
株式会社スタジオテイル みんなの転職「体験談」。現在の年収に満足してる?年収アップへの取り組みは?400名へのアンケート結果
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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50代、中小企業の部長です。旧友との飲み会で「年収600万円だ」と言ったら微妙な反応でした。友人は大企業に勤めていますが、そんなに年収に差が出るのでしょうか?