3月20日(木) 3:40
給料から引かれる主な項目は、大きく分けて「社会保険料(健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険)」「所得税」「住民税」の3つがあります。これらは法律で定められており、会社員であれば必ず差し引かれるものです。特に社会保険料と所得税は、給与の増加に伴い負担額が大きくなります。以下で、それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
社会保険料には、「健康保険」「介護保険」「厚生年金」「雇用保険」があります。
●健康保険料:医療費の補助を受けるための保険料
●介護保険料:40歳以上の場合、介護サービスのために支払う保険料
●厚生年金保険料:将来の年金のために支払う保険料
●雇用保険料:失業時の給付などに使われる保険料
これらは収入に応じて決まり、収入が増えると自動的に支払額も増えます。
所得税は国に納める税金で、給与額に応じて計算されます。基本的に、「給与−社会保険料」の金額に税率を掛けて算出されるため、給与が増えると税額も増えます。
住民税は前年の所得をもとに計算され、翌年6月から差し引かれます。基本的に毎月の給与から天引きされるため、知らないうちに支払っている人も多いでしょう。
では、実際に月収30万円のケースで、どのくらい差し引かれるのかを見てみましょう。一般的に、給与の手取り額は総支給額の約75~85%といわれています。今回の月収30万円の場合、手取りは約22万5000~25万5000円になります。
では、具体的に各保険料や税金がどのくらい引かれるのか、シミュレーションしてみましょう。以下は、東京都の30歳で月収30万円の場合の概算です。
健康保険料:1万4865円
介護保険料:0円
厚生年金保険料:2万7450円
雇用保険料:1800円
所得税:5541円
住民税:1万2750円
合計控除額:約6万2406円
(タレントスクエア株式会社「【2025年最新版】手取り計算ツール」より試算)
この金額が月収30万円から差し引かれるため、手取り額は以下のようになります。
30万円-6万2406円=23万7594円
思ったよりも手元に残る金額が少ないと感じるかもしれませんが、これは社会保険料や税金が給与に応じて引かれるためです。特に厚生年金の負担が大きく、給与の増加に伴って控除額も増加します。
給料から差し引かれる社会保険料や税金は避けられませんが、工夫次第で手取り額を増やすことは可能です。控除を活用したり、節税対策を行ったりすることで、負担を軽減できる場合があります。ここでは、手取りを増やすためにできる具体的な方法を紹介します。
家族を扶養している場合、扶養控除を受けることで所得税や住民税を減らせる可能性があります。配偶者の収入が一定以下であれば、配偶者控除の対象になることもあります。
勤務先によっては、住宅手当や家族手当などの支給がある場合があります。これらの手当のなかには非課税のものもあるため、会社の福利厚生制度をよく確認してみましょう。
iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISA(少額投資非課税制度)、ふるさと納税などの制度を活用すると、所得税や住民税の負担を軽減できます。特にiDeCoは掛金が所得控除の対象となるため節税効果が高く、NISAは運用益に対する税金(通常20.315%)が非課税となるため、長期的な節税効果が期待できます。
給与が増えても、社会保険料や税金の負担が増えるため、必ずしも手取り額が増えるわけではありません。「給料が増えたのに手取りが減った」と感じるのは、社会保険料の負担が一気に増えるタイミングがあるためです。しかし、扶養控除の活用や節税対策を行うことで、手取りを増やすことは可能です。給与明細をしっかり確認し、適切な対策をとることが大切です。
給与の変動がある場合は、社会保険料や税金の影響を事前に把握し、手取り額の変化に備えておきましょう。
国税庁 No.2260 所得税の税率
東京都主税局 個人住民税
タレントスクエア株式会社 【2025年最新版】手取り計算ツール
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCoってなに?
金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
総務省 ふるさと納税ポータルサイト よくわかる! ふるさと納税
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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