3月20日(木) 9:50
同居する親族の扶養控除を受ける場合、親族の年齢によって条件や控除額が変わります。
表1は国税庁の「No.1180扶養控除」を基に、扶養親族の年齢別に受けられる控除額を示したものです。
表1
扶養親族の区分 |
扶養親族の
その年の12月31日時点の年齢 |
扶養控除額 | |
---|---|---|---|
老人扶養親族 | 同居老親等以外の者 | 70歳以上 | 48万円 |
同居老親等 | 58万円 |
出典:国税庁「No.1180扶養控除」を基に筆者作成
親が70歳以上の場合、条件を満たすことで「老人扶養親族」の中の「同居老親等」の区分で所得税において58万円の控除を受けることが可能です。では、どのような条件を満たす必要があるのか、確認してみましょう。
扶養控除を受けるためには、第一条件として「扶養親族」に該当する必要があります。扶養親族になるためには、次の4つの条件を満たしていなければなりません。
●配偶者以外の親族である(例外あり)
●納税者と生計を共にしている
●年間の合計所得金額が48万円以下(給与所得のみの場合、103万円以下)
●青色申告者の事業専従者として給与を得ていない、もしくは白色申告者の事業専従者ではない
扶養控除を受けるための最大のポイントは、年間の合計所得金額です。もしも親がパートなどで働いている場合、その年間の収入が103万円以下でなければなりません。
たとえパートで働いていなかったとしても、高齢の親の場合、多くは年金をもらっているでしょう。その場合、年金収入が扶養親族になるための条件である「合計所得48万円」に引っかかってしまう可能性があります。
ただし、年金収入は、受け取ったままの額が48万円以下ではありません。受け取った額から年齢や収入などにより異なる「公的年金控除額」を差し引いた額が48万円以下となっていれば、扶養親族とみなされます。
65歳以上の場合、実際に受け取る年金額が158万円以下であれば、公的年金控除額を差し引いても48万円以下となり、扶養親族としての条件を満たすことが可能です。
扶養親族の計算は複雑なため、該当するか判断に迷った場合は、国税局電話相談センターや勤務先の担当者に相談してみましょう。
扶養控除の対象となるかを判断する際の1つのポイントが「同居の有無」です。
高齢になると、老人ホームのような施設に入居したり、病院に長期入院したりといった可能性もあります。この場合、病院に長期入院している親は、同居しているとみなされます。
一方で、老人ホームに入居している人は老人ホームが居所とみなされ、同居しているとは言えないため、注意が必要です。
同居する70歳になる親を扶養した場合、条件を満たすことで扶養控除の対象にできます。
扶養控除に該当するための一番のポイントは、親の収入です。パート勤めをして103万円以上の収入がある場合や、年金収入が158万円以上ある場合は対象外となってしまうため、注意が必要です。
扶養控除は、対象者の年齢や収入によって控除の可否、控除額が変わります。判断に迷った場合は、国税局や勤務先に確認してみましょう。
国税庁No.1180扶養控除概要扶養控除の金額
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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