3月20日(木) 10:40
まずは、4人家族の1ヶ月当たりの食費の平均額をチェックしてみましょう。総務省統計局の調査を基に、2013年・2018年・2023年の「1ヶ月当たりの食費」と「5年前からの上昇率」を以下の表1にまとめました。
表1
1ヶ月当たりの食費 | 5年前からの食費の上昇率 | |
---|---|---|
2013年
(平成25年) |
7万5693円 | ― |
2018年
(平成30年) |
8万2406円 | 約9% |
2023年
(令和5年) |
9万712円 | 約10% |
※筆者作成
2023年の平均額は9万712円と、5年前の2018年の8万2406円から8306円増加しています。上昇率は、2018年・2023年のどちらも5年でおよそ10%上昇していることが分かるでしょう。
また、各年の「1ヶ月当たりの消費支出」は次の金額になっています。
・2013年:32万6668円
・2018年:32万5690円
・2023年:32万3324円
上記のデータを基にエンゲル係数を計算すると、2013年から順に約23%、25%、28%と年を追うごとに上昇しています。なお、エンゲル係数とは、「消費支出」に占める「食費」の割合のことです。
一般的に、エンゲル係数の数値が低いほど、生活水準は高いといわれています。理想値は15%〜20%とも言われており、28%は理想値を大きく上回っていることになります。
食品の値上げラッシュの中、少しでも節約するために、次のような方法が考えられます。
食品のロスをなくすことで、食費をおさえられるかもしれません。
一度使った野菜の残りや賞味期限切れの食材など、仕方なくそのまま捨ててしまった経験のある人は、食品ロスをなくす方法を考えてみるとよいでしょう。例えば、賞味期限間近の食材は1ヶ所にまとめておき、その中からメニューを考えるなどすると、無駄がなくなる可能性があります。
食事のメニューを決める際に、買い物をしながら何となく考えるのではなく、冷蔵庫の中身をふまえたうえで食事のメニューを決定してみましょう。
冷蔵庫の中身をメインに考えることで、食品ロスを減らせるだけでなく、無駄な買い物を減らせる可能性があります。
買い物に行くたびに予定にないものを購入してしまったり、子どもにお菓子をねだられたりして、余計な出費をしている人もいるかもしれません。そのような場合、買い物の頻度を減らすことも、節約になる可能性があります。
「まとめ買いの適量が分からない」という人は、あらかじめ1週間ほどの献立を考えておくと、無駄なく買い物ができるかもしれません。
ふるさと納税で、米や肉類など普段の食事でつかえる食材を選ぶことも1つの方法です。
ふるさと納税では、普段はなかなか食べられない高級食材を選ぶ人もいるかもしれません。しかし、同じ寄付金額でも普段使いできる食材の方が量は多く、お得になることも考えられます。
とくに米のように重い食品は、直接家に届いた方が持ち運びの負担も少なく済むと考えられます。
家族4人の食費の平均額は9万712円です。そのため、もしも4人家族でありながら食費を6万円に済ませられているのであれば、一般的に見て節約できている可能性があるといえるでしょう。
食品価格の何らかの値上げは毎月のように行われており、対策を考えなければ、今後ますます食費が高くなっていくことが考えられます。「家計が厳しい」と感じている人は、無理な節約はせず、できるところから始めてみましょう。
e-Stat 政府統計の総合窓口家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2023年
e-Stat 政府統計の総合窓口家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2018年
e-Stat 政府統計の総合窓口家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2013年
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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