【写真】東京マラソンで見事完走を果たしたママタルト檜原「M-1グランプリ」にて2022年から2年連続で準決勝に進出し、2024年には悲願の決勝進出と着実に認知度を高めているお笑いコンビ・ママタルト。独特な言い回しの長尺ツッコミが癖になるツッコミ担当・檜原洋平さんは、持ち前の陽気な性格とハッピーオーラで笑顔を届けるご機嫌ボーイです。「ママタルト檜原の楽しみ日記」では、そんな檜原さんの生活にある“お楽しみ”を皆さんにおすそ分け!
■第8回「マラソン」
かなり春めいてきましたね。
僕は春が来るのを楽しみにしています。そんなん言われたらなんで春が来るのを楽しみにしているのか説明してほしくなりますよね。もちろん説明するやろう。僕のことを説明をする猿やと思ってもらってかまわんやろう。
というのも僕はその昔、宅配ピザのアルバイトを10年間やっていて、冬はジャンパーを着て、防寒ズボンを履いて、手袋をつけて、ネックウォーマーをして配達に出ていたんです。
店内で洗い物などをする涼しい格好から防寒バッチリの状態に変身するまでなんだかんだ2分ほどかかりますから、「あぁ、この2分がもったいない、この2分があったらもっと早くお客さんにピザを食べてもらえるのに(本気で)」となっていました。
(「いや、ピザが出来上がるタイミングに合わせて変身したらいいじゃないですか」という人、俺も読み返してそう思った!もうアルバイトを卒業して4年になるからね、細かい記憶は正直失われつつある。どんなふうにアルバイトしていたか結構忘れてしまいました。あれほどピザを届け続けた日々があったというのに。残念や。でもまた別の思い出を作ればいいやろう。)
それが毎年3月の中頃にあったかくなってきて、店内にいる格好でもそのまま配達にいけるようになった時のスピード感は忘れません。今でも当時のスピード感を味わいたくて、裸でトイレ掃除をしてそのまま風呂に入っています。
裸でトイレ掃除をするのはいいよぅ。全力で洗えるのがいいよぅ。便座の裏についた成分だけが固まったおしっこの結晶みたいなやつも、濡らしたトイレットペーパーを使ってガリガリ削り落として、そのままトイレに流して自分自身もすぐにシャワーで洗い流すことができますからね。
第8回のお楽しみはマラソン。
これは今回予想的中できた人も多いかもしれません。なぜなら私、2025年3月2日に東京マラソンに出場して、5時間53分でゴールしたからです。
脳科学者の茂木健一郎さんは5時間50分でゴールしたらしく、茂木さんに「日本のお笑い(ママタルト檜原)は遅れている(マラソンのタイムが)」と言われても言い返せなくなってしまいました。
昨年末、日本テレビの「サンデーPUSHスポーツ」という番組から「東京マラソンを走りませんか?」というオファーがあり、M-1の決勝を控えていたのもあって、「もし優勝したら練習の時間がとれないかもなので遠慮させてほしいんですが、優勝しなかったらチャレンジさせてほしいです」と返事させていただきました。
決勝本番でネタが始まって数秒後、僕がエアコンのフィルターがなんたらかんたらと、くだらないことを喋った時「フルマラソンかぁ……」とよぎり、そのさらに数秒後、僕が「何そのおしゃれな服」というような、ちんぷんかんぷんな返事をしていたころには「走りきれるかなぁ〜」と不安でいっぱいでした。
結果は10位に終わり、Aマッソの加納さんからこのようなLINEが来ていました。
加納さん「いやあのね、M-1見てて思ったんだけどね」
僕「はい」
加納さん「ちょっと走ったほうがいいんじゃないか?と!!!」
という、「あなたブタになってますよ」という意味のメッセージが来て、僕の東京マラソンへの道はスタートしました。
僕が東京マラソンを走ることを報告すると加納さんはすぐに「3/2ひわちゃん東京マラソン」というLINEグループを作ってくれ、どんぐりたけし、Gパンパンダ星野、こたけ正義感、紅マドンナロキという頼もしいランナーを招集してくれました。この5人の協力がなければ僕の東京マラソン完走はありませんでした。
やはり目標があるというのは重要で、今までは1ヶ月に一度のペースで加納さんからジョギングに誘ってもらって、3回に1回参加するような太り方をしていたんですが、東京マラソンが決まってからというもの、週に1〜2回は10kmのジョギングに参加するようになりました。
皇居の周りは一周5kmになっていて、最初は5km走るのも大変だったんですが、ちょっとずつ体が慣れてきて、いつの間にか「10kmなんかおしゃべりしてたらあっという間に終わっちゃう」みたいになっていました。大鶴肥満に会うたびに「最近は体の変化を実感するのが楽しい。体の変化を実感するより楽しいことはこの世にはない」と報告するようにもなっていました。
運動には心も前向きにしてくれる効果もあり、ジョギング中に行われるおしゃべりもポジティブになっていました。
俺「(エッホエッホ)2周目はきついですけどね、走れば必ず終わりはやってきますよ」
俺「(エッホエッホ)人生も一緒ですよ、ちょっとしんどいなと思うことでも、走り出せば、必ず終わるときがきますよ」
俺「(エッホエッホ)いやぁ、これは心が強くなりますよ」
と、4〜5人で走ってるのに僕が独り言をぶつぶつ言う時間もありながら、年が明けてから東京マラソンに向けて取り組んだ日々はとても実りある期間でした。
皇居の周りは警察官の方がよく巡回をしていて、怪しい人物がいないかチェックしてくれていました。僕たちが、将来計画している大犯罪を実行するため体力をつけている極悪ランナー集団と勘違いされてしまうと困るので、警察官とすれ違う瞬間、
「みんなはさぁ、どんな豚汁が好きぃ?」
というようなトークテーマを加納さんがふってくれたりして善良な市民なことをアピールした日もあり、有意義でした。
東京マラソン当日は、日本テレビのジョギングチームの4人の方が僕と一緒に走ってくださりました。みなさん何度もフルマラソンを完走されているベテランで、常に「とってもいいペースです!すごいですね!」と僕の気分をあげてくれました。
練習で22kmを走った時は膝が完璧に終わって、着地のたびに虫歯の1番やばい時みたいな痛みが押し寄せていたというのに、本番では気づいたらノンストップで30kmの地点まで走れていました。
そこで足裏が痛くなってしまって、「ちょっと1kmだけ歩いていいですか?」とお願いすると、みなさんは「もちろんです!フルマラソン初挑戦で30kmまで止まらなかっただけですごいことですよ!」と言ってくださり、結局そこから最後まで歩いてしまいました。
「すみません、ちょっとまた走り出すの厳しいです」と僕が言うと、「全然大丈夫です!歩けてるのがすごいんですよ!30kmまで走った分貯金ができてますから!完走はできますよ!」と励ましてくださり、ZAZYと6年ルームシェアした僕はその優しい言葉に泣きそうになりました。
ZAZYは「そんなんやからM-1も最後までネタを詰めずに挑んで最下位になるんやろ」と言いますので、ZAZY4人に囲まれて走ることにならなくてよかったです。
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