2025年劇団☆新感線45周年興行・初夏公演いのうえ歌舞伎【譚】Retrospective『紅鬼物語』製作発表会見より
3月13日(木) 7:30
元花組トップスターの柚香光が3月13日、都内で行われた2025年劇団☆新感線45周年興行・初夏公演「いのうえ歌舞伎【譚】Retrospective『紅鬼物語』」の製作発表会見に出席した。2024年5月に宝塚歌劇団を退団し、演劇としては本作が退団後初の舞台。10代の頃から数々の新感線作品に触れてきたという柚香が、男役の衣を脱ぎ捨てて新境地に挑む。
今年で45周年を迎える劇団☆新感線の記念イヤーを飾る第1弾公演は、“【譚】Retrospective”と銘打ち、古来より日本で伝承が残る鬼をモチーフにした、ショーアップされた新感線流の“お伽噺”が届けられる。
柚香は、出演が決まった際の心境を「とても光栄で、本当にドキドキワクワク、そして心臓はバクバクでした」と回想。劇団☆新感線に対するイメージは「華やかで迫力があり、数々の立ち回りも魅力。一度見たら、心をグッとつかまれる」と語っていた。稽古を前に共演陣と本読みに臨んだといい「男性の方と初めて本読みをさせていただき、とても新鮮で刺激的。お客様に喜んでもらう舞台を作りたいという気持ちが、さらに湧いて、気合いが入っております」と闘志を燃やした。
劇中で演じる、哀しき因果を抱える紅子役については、「鬼ではあるんですが、人間に思いを抱く存在」と説明。ヒロインであると同時に、妻、母親という立場でもあり「自分としては初めての挑戦になる」と背筋を伸ばす。衣装をはじめ、“紅”色が基調になったキャラクターで「赤には魔除け、情熱、生命力といった意味があるので、血潮燃える気持ちで、自分にしかできない役作りをしたい」と意気込んだ。
会見には、柚香をはじめ、演出のいのうえひでのり、作劇を手がける青木豪(『ミナト町純情オセロ〜月がとっても慕情篇〜』)、共演する早乙女友貴、喜矢武豊、一ノ瀬颯、樋口日奈、粟根まこと、千葉哲也、鈴木拡樹が出席した。
青木は、本作が当て書きだと説明し「柚香さんは、『鴛鴦歌合戦』を拝見し、凛とした姿が印象に残った。今回は、宝塚時代にはなかった、女性役の部分を(キャラクターに)入れられたら」。いのうえは、柚香について「今まではかっこいい男性を演じてこられたが、今回は母性や包み込むような雰囲気といった、真逆のものが要求される」と語り、「鬼なんですけど、物語の性質上、鬼の部分を抑え込んでいる女性。ゆえに儚い部分もある」と、紅子というキャラクター像に言及した。
鈴木は、行方不明になった妻・紅子を捜索する貴族の源蒼役で、劇団☆新感線には、2017年・2018年の『髑髏城の七人~Season月《下弦の月》』以来7年ぶりの出演。「45周年、本当におめでとうございます。その気持ちを背負って、次の50周年を迎えてもらうためのいいスタートを切りたい」と抱負のコメント。「前回は課題もありましたし、それをクリアしていく現場だった。クリアした分プラスして、今回はもっと成長したい」と誓った。また、柚香との本読みについて「相手を見て、本読みをしてくださった。もっと、ちゃんとセリフを入れてくれば良かったと後悔しました」と恐縮していた。
主演の柚香をはじめとする、以下3名のキャストが新感線に初参加する。かねてより新感線作品への参加を望んでいたゴールデンボンバーの喜矢武は、「なんで、僕が呼んでもらえたのかなと(笑)。普通、変なエアーバンドの変なギター、呼ばないでしょ」と照れ笑い。会見の模様が生配信されるなか、「足を引っ張ったら、ギャラは返したい」と宣言した。
2019年にスーパー戦隊シリーズで主演デビューした一ノ瀬にとっては、本作が初舞台となり、「とにかく必死に食らいつきたい。歌や殺陣に挑戦したいと常々思っていたので、すてきな機会をいただいた」と喜びの声。乃木坂46の元メンバーでグループ卒業後は主演ドラマからミュージカル、ストレートプレイまで実力を発揮している樋口は、「この幸せを噛みしめつつ、気を引き締めて頑張っていきたい」と語り、紅子と源蒼の娘役・藤を演じることについては「こんな光栄なことはない」と話していた。
取材・文・撮影:内田涼
<公演情報>
2025年劇団☆新感線45周年興行・初夏公演
いのうえ歌舞伎【譚】Retrospective『紅鬼物語』
作:青木豪
演出:いのうえひでのり
【出演】
柚香光/早乙女友貴喜矢武豊一ノ瀬颯樋口日奈/粟根まこと千葉哲也/鈴木拡樹
右近健一河野まさと村木よし子インディ高橋
山本カナコ礒野慎吾吉田メタル中谷さとみ
村木仁川原正嗣武田浩二
【大阪公演】※SkyシアターMBSオープニングシリーズ
2025年5月13日(火)~6月1日(日)
会場:SkyシアターMBS
【東京公演】
2025年6月24日(火)~7月17日(木)
会場:シアターH
チケット情報:
https://w.pia.jp/t/akaoni/