3月12日(水) 18:00
自分が将来もらえる年金額を調べるためには、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」を確認したり、Webサービスである「ねんきんネット」をチェックしたりする必要があります。
しかし、ねんきん定期便の場合は紛失すると、すぐには年金額を確認することができなくなってしまいます。また、ねんきんネットを利用する場合、最初に利用手続きを行う必要があったり、パスワードが必要になったりと、手間を感じることもあるでしょう。
そのようなときは、厚生労働省が作成している「公的年金シミュレーター」を使うと便利です。パスワードや詳しい年金の記録がなくても、簡単に年金の目安をシミュレーションすることができます。
入力項目は、自分の生年月日と働き方・暮らし方(会社員、自営業、配偶者の扶養など)、年収額などです。ねんきん定期便があれば、さらに正確な年金額を調べることも可能です。
大体の年金額を把握しておきたいという方は、ぜひ公的年金シミュレーターを活用してみましょう。
では実際に、公的年金シミュレーターを使いながら、必要な老後資金を計算してみましょう。今回は、以下のようなケースを考えます。
<モデルケース>
・1975年1月1日生まれで現在50歳の男性
・20歳から59歳まで会社員として勤務(予定)
・年収は毎年400万円
・年金の支払い開始は65歳から
・現在、毎月25万円を生活資金として使っている
・89歳までの老後資金を考える
<シミュレーション結果と必要な老後資金>
この場合、公的年金シミュレーターによると、65歳からもらえる年金額は年間で162万円、毎月で計算すると13万5000円です。
現在月25万円の支出があり、老後もこの金額が必要と仮定すると、毎月11万5000円(25万円-13万5000円)の赤字となります。65歳から89歳までの老後資金として、自分で貯金しておくべき金額は、3450万円(11万5000円×12ヶ月×25年間)です。
仕事を退職するときにもらえる退職金や、現役時代にコツコツと貯金しておいたお金が老後資金の原資となります。老後資金を準備できそうにない場合は、老後の生活水準を下げる(毎月の支出額を減らす)、65歳以降も働き続けるなど、対策が必要です。
このように、自分が将来もらえる年金額を知り、老後のマネープランを検討することは、豊かな老後の生活を送るうえで大変重要です。複雑で細かすぎる計算だと、マネープランを立てることを面倒に感じてしまう方もいるかもしれません。
まずは、ざっくりでいいので、シミュレーションで年金額を知り、老後に必要な貯金額を計算してみましょう。
自分の年金額を知る方法は、ねんきん定期便やねんきんネットのほかに、シミュレーターを利用するという方法もあります。今回ご紹介した内容を参考に、自分の年金額をシミュレーションしつつ、老後に必要なお金を計算してみてはいかがでしょうか。
厚生労働省 公的年金シミュレーター
執筆者:下中英恵
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)、第一種証券外務員、内部管理責任者
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