「500円以内」で外食を楽しむなら“チェーン店のモーニング”一択。「おすすめの店」「初心者が行くべき時間帯」をプロが伝授

松屋「とろっとたまご丼」(380円)

「500円以内」で外食を楽しむなら“チェーン店のモーニング”一択。「おすすめの店」「初心者が行くべき時間帯」をプロが伝授

3月11日(火) 6:52

提供:
慌ただしい朝は自宅でゆっくりと朝食をとっている時間がない……。そんな人は仕事や学校へ行く途中で朝食をとることも多いだろう。昨今は早朝から営業していたり、朝限定メニューが充実した飲食店が増えている。しかし、毎朝同じお店で同じメニューではじきに飽きてしまうはず。

そこで注目したいのが、めくるめく“チェーン店モーニング”の世界だ。今回、話を聞いたのは、『東洋経済オンライン』で、連載「チェーン店最強のモーニングを探して」を執筆するライターの大木奈ハル子さん。この分野のいわば第一人者である彼女に、おすすめの店やトレンド、楽しみ方などを余すことなく伝授してもらった。

「安い×早い」と「高い×オシャレ×ゆったり」に二分化

大木奈さんによると、近年のチェーン店モーニングは2タイプに大別され「客層も大きく二分化している」とのこと。ひとつは〈安くて早い〉が売りのチェーン店だ。

「ビジネスマンやガテン系の男性などがメインの客層で、常連客化している人も多く感じます。おもに牛丼やそばなどのチェーンです」(大木奈ハル子さん、以下同じ)

もうひとつは〈高くてオシャレでゆったりできる〉が特徴のモーニングだ。ファミレスチェーンなどがそんなスタイルのモーニングを提供している。

「女性のひとり客や、リタイアしたシニア層などがメインの客層でしょうか」

こちらは牛丼チェーンとは違って中~高価格帯ではあるものの、昼食を兼ねたいわゆる“ブランチ”として楽しみたい層に好評だ。

飽きのこないメニューラインナップの『松屋』

〈安くて早い〉の定番は何といっても牛丼チェーンだ。『松屋』『すき家』『なか卯』はモーニングに力を入れており、300円台から食べられるメニューが人気。大木奈さんが注目しているのが『松屋』だという。

「卵とチーズを使ったオムレツ的なものをごはんにのせた『とろっとたまご丼』が昨年リリースされました。これが常連客を中心に評判を呼んでいるようです」

この「とろっとたまご丼」は380円。さらにオプションでソーセージをのせた「とろっとたまごソーセージ丼」(530円)や、豚汁付きのものなども登場している。「男性の常連客を想定し、飽きさせないために少しずつ目先を変えたラインナップになっている」と大木奈さんは分析。

さらに定食では「好きな小鉢を選べるメニューが登場している」らしい。

「ミニ牛皿、納豆、とろろ、冷奴の中から好きな小鉢を選べる定食が5種類。そのうち『Wで選べる玉子かけごはん』は、生玉子or半熟玉子を選べます」

つまり選び方次第で24通りの定食を楽しめることになる。たしかに少しずつ目先を変えていけば、しばらく飽きはこないかもしれない。

朝のくつろぎタイムを楽しむ層も

一方、ファミレスチェーンが展開する〈高くてオシャレでゆったりできる〉モーニングはどうだろうか。大木奈さんが注目するのは、すかいらーくグループが運営する『むさしの森珈琲』だ。

「コーヒーが1杯500円台と少し高めですが、くつろげる空間でちょっとぜいたくなモーニングを楽しみたい層に人気があります」

店内は高原リゾートをイメージしており、座り心地のいいソファに腰を下ろして美味しいモーニングを楽しめる。客層も「自宅で朝食をとらずに来店して、美味しいものを食べながらゆったり過ごしたいシニア層や女性グループが多い印象」なのだとか。メニューもパンケーキやマフィンサンド、厚切りトーストなどが600円台から楽しめる。

「午前の時間帯をすべて朝食タイムにあてたい人たちが増えているのではないでしょうか」と大木奈さんは指摘する。「手早くすませて仕事に行く」といった、安くて早いモーニングとは真逆のスタイルが定着しつつあるといえそうだ。

またこうしたスタイルのモーニングは女性客などが“ごほうびモーニング”として利用するケースも増加傾向にある。

「月に1回程度、癒しのひとときを味わうために来店する人もいるのではないでしょうか」

定食は『やよい軒』がおトク、ハンバーガーは『ロッテリア』に注目

定食チェーンでは『やよい軒』のモーニングが「激オシ」なのだとか。

「300円台~500円台で定食を味わえて、出汁飲み放題、白米のごはんはおかわり自由です。ごはんをたくさん食べたい人にはおすすめですね」

お新香や海苔、生玉子、冷奴、納豆などのおかずがひとつずつ小さな小鉢に分けられて提供されるのも特徴のひとつ。

「量は少ないけれど“盛りだくさん”感があり、見た目にも豪華な印象があります」

ハンバーガーチェーンでは断トツで『マクドナルド』と言い放つ。その理由は?

「低価格で店舗数も多く、メニューも豊富です。モーニング限定のマフィンメニューは美味しいですね」

同時に大木奈さんが挙げたのは、『ロッテリア』。『ロッテリア』は一昨年、『すき家』や『はま寿司』などを展開するゼンショーホールディングスの傘下になった。それ以降、モーニングにも変化が見られるようになったそうだ。ハンバーガー単品の価格はそのままで、セットメニューにすると安くなる価格設定になったのだ。

「単品で290円のベーコンエッグサンドも、ドリンクとハッシュポテトのセットにすると490円と、ワンコインでおさまるのです。今後の展開にも注目しています」

“チェーン店モーニング初心者”におすすめの時間帯は?

これからチェーン店モーニングを楽しみたい人に向け、大木奈さんはこんなアドバイスをしてくれた。

「7時台、8時台など早めの時間帯は常連客で混んでいます。訪れるなら、10時から11時の間がねらい目です」

この時間帯はお店のアイドリングタイムのため、比較的空いている。ゆったり過ごせて「10時半以降ならブランチ的に楽しめる」のもメリットだという。

注意しておきたいのは、チェーン店とはいえ、すべての店舗でモーニングを実施しているとは限らない。またコロナ禍のときは夜営業ができない分、モーニングに注力するチェーンも多かったが、状況は刻々と変化している。

「コロナが落ち着いてからは、モーニングをやめてしまったチェーンもあります。久しぶりに行ってみたらやっていなかった、なんて事態も珍しくないのです」

どのチェーンのどの店舗に行くのか、事前にチェックしておくのがよいだろう。

食べたいものを朝からしっかり食べる時代に

ライフスタイルの変化とともに「外で朝食をとる」のも当たり前になっている。家で朝食をすませると、それなりに時間や光熱費などがかかってしまう。「外で食べたほうがかえって割安になることもあるのではないか」と大木奈さん。

また最近はラーメンやカレー、とんかつや焼肉などのチェーンでもモーニングを実施していることもある。以前ならば、昼食や夕食で食べていたメニューが朝から楽しめるわけだ。

朝食をシンプルにすませるのは、すでに昔の価値観になりつつあるのかもしれない。1日の活力源だからこそ、食べたいものを選んでしっかり腹を満たせば、その日は元気に頑張れそうだ。“モーニング初心者”の筆者は、まずは近所の松屋から挑戦してみるつもりである。

<取材・文/松本壮平>

【松本壮平】
ライター&編集者。日本唐揚協会認定カラアゲニスト。「からあげの聖地」である大分県中津市出身。専門店だけでなく、居酒屋、食堂、スーパーなどで唐揚げを見つけては食べてみる「から活(からあげ探索活動)」を継続する一方、話題食などの食レポ記事も執筆する。

【関連記事】
不二家「ケーキ食べ放題」気づけば料金が3倍に…。店舗で“実食レポ”した本音
ドリンク1杯で280円分の食事がタダに!コメダ珈琲「お得なモーニング」を実食レポ。食べ方アレンジも
「びっくりドンキー」の“ホテル並み”豪華モーニングを実食。ワンコイン以下の独自メニューも
ココスの1000円以下「朝食バイキング」。30種類以上のメニューだけじゃない“意外な楽しみ”とは
“高すぎる”と話題の「豊洲 千客万来」海鮮バイキングを実食。“最安値6000円以上”の価値はあるのか
日刊SPA!

生活 新着ニュース

エンタメ アクセスランキング

急上昇ランキング

注目トピックス

Ameba News

注目の芸能人ブログ