80歳になっても現役で「経営者」だった父が急逝しました。父の分の「確定申告」は誰がやればいいのでしょうか?

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3月6日(木) 13:20

納税者の方が亡くなった場合、遺族が代わりに確定申告をしなければなりません(準確定申告)。申告期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内で、期限を過ぎると罰則が科される可能性があります。 今回は、準確定申告の方法や期限などを解説します。

準確定申告の概要

個人事業主は、毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた収入・経費・所得を自分で計算し、翌年の2月16日から3月15日までに確定申告をしなければなりません。
 
しかし、確定申告をする必要がある方が年の途中で亡くなった場合、相続人が代わりに確定申告をします。相続人が代わりに確定申告することを「準確定申告」と呼びます。
 
準確定申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内に、申告と納税をしなければなりません。
 
相続人が亡くなった人の収入・経費・所得を計算しなければならず、かなり手間がかかるのは否めません。亡くなった方の事業に携わっていない限り、「そもそも帳簿がどこにあるのかわからない」「会計ソフトのログインIDとパスワードがわからない」という事態は十分に想定できます。
 
また、準確定申告では、通常の確定申告と同様に所得控除の適用を受けられます。必要以上に税金を納める事態を回避するためにも、以下のような情報を調べなければなりません。
 

・医療費控除 :死亡の日までに被相続人が支払った医療費
・社会保険料控除・生命保険料控除・地震保険料控除 :死亡の日までに被相続人が支払った保険料
・配偶者控除・扶養控除 :死亡の日における現況により判断

 
なお、相続放棄をした場合、準確定申告を行う必要はありません。相続放棄をすると、法律上は初めから相続人ではなかったとみなされるためです。
 

準確定申告の方法

準確定申告をする際に必要な書類は、以下のとおりです。
 

・確定申告書
・準確定申告書の付表を添付
・被相続人の源泉徴収票
・控除証明書(生命保険料、社会保険料など)
・医療費の領収書(該当する場合)
・委任状(還付金を代表者が受け取る場合)
・相続人全員の本人確認書類(マイナンバーカードなど)

 
準確定申告書には、各相続人の氏名や住所、被相続人との続柄などを記入した付表を添付します。必要書類が揃ったら、被相続人の死亡当時の納税地の税務署へ提出しましょう。相続人が2人以上いる場合は、各相続人が連署により準確定申告書を提出します。
 
ただし、他の相続人の氏名を付記したうえで、各相続人が別々に提出することも可能です。この場合、当該申告書を提出した相続人は、他の相続人に申告した内容を通知しなければなりません。
 
準確定申告を通じて還付金が発生する場合は、各相続人がそれぞれ受け取るか、相続人の代表者が一括で受け取る方法から選択できます。
 
各相続人がそれぞれ受け取る場合は、確定申告書の付表に各相続人の相続分や還付金額、振込口座を記載します。相続人の代表者が受け取るときは、還付金の受領に関する委任状の提出が必要です。
 
場合によっては、相続人だけで正しく準確定申告ができない可能性が考えられるでしょう。準確定申告には期限が設けられているため、必要に応じて税理士に申告を依頼するのも一つの手段です。
 

まとめ

相続が発生したとき、準確定申告をする必要があるかもしれません。特に亡くなった方が事業をしていた場合、正確な申告をするためには、詳細な情報を集める必要があります。
 
準確定申告の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内です。相続が発生したあとは忙しい日々を過ごすケースが多いですが、必ず期限内に申告しましょう。
 

出典

国税庁 No.2022納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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