3月3日(月) 0:20
家賃や住宅ローン以外にも、家にはさまざまな費用が必要です。単純に家賃と住宅ローンだけで比較しても、そのほかの費用面を含めて検討しなくてはなりません。ここでは、賃貸と持ち家それぞれの家にかかる費用について解説します。
まずは、賃貸に住む際にかかる費用について見ていきましょう。
・家賃
・敷金、礼金、仲介手数料
・共益費・管理費
・駐車場代
・更新費用
・火災保険
賃貸の場合、入居する際の手数料のほか、マンションの管理費用もかかります。車を持っている場合は、駐車場代もかかるでしょう。また、更新時には更新費用も支払わなくてはなりません。
火災保険について、賃貸の場合は家財を対象とする火災保険への加入が一般的で、不動産会社によっては一律の料金の場合もあります。一方、持ち家の場合は建物の構造によって保険料が変わり、鉄骨構造であれば比較的保険料はおさえられるものの、木造の場合は保険料が高い傾向にあります。
持ち家の場合に必要な費用は以下のとおりです。
・住宅ローン
・購入時の諸費用(仲介手数料、印紙税、登記費用など)
・固定資産税・都市計画税
・修繕費用積立(マンションの場合は修繕積立金)
・(車所有の場合)駐車場代
・(マンションの場合)共益費・管理費
・火災保険・地震保険
持ち家の場合、固定資産税をはじめとした各種税金が課されます。マンションを購入した場合は、修繕費用や共益費・管理費など月々の負担が発生します。一戸建て住宅であっても将来のリフォームを視野に入れて、個人で修繕費用を積み立てておく必要はあるでしょう。
なお、持ち家の場合、一定の条件を満たせば住宅ローンの支払いに「住宅ローン控除」が適用されることがあります。適用されれば、所得税や住民税の負担を減らせるでしょう。
賃貸と持ち家には、それぞれ費用がかかります。持ち家のほうが費用はおさえられるようにも見えるものの、地域や物件によっても変わります。また、費用をおさえられたとしても、自分のライフスタイルに合わなければ意味がありません。
賃貸と持ち家で迷った場合は、特徴を見て自分にあったほうを選ぶとよいでしょう。本項では、賃貸と持ち家それぞれの特徴と向いている人について紹介します。
賃貸の特徴は、以下のとおりです。
・固定資産税などの税金負担が少ない
・修繕費用の負担が少ない
・収入や家族構成の変化に強い
・引っ越ししやすい
・家賃を支払い続けなくてはならない
・リフォームしにくい
・資産にならない
・高齢になると契約が難しくなる可能性がある
賃貸の場合、固定資産税の負担はありません。また、修繕費用は貸主負担となるため、借主による負担は少ないでしょう。
住み替えのしやすさも、特徴の一つです。収入の増減や家族構成の変化により家の広さを変えたい場合には、気軽に住み替えやすいといえます。
しかし、賃貸の場合は家賃を払い続ける必要があります。借りている家であるため、リフォーム等はしにくいでしょう。また、高齢になると新規契約や更新が難しくなる可能性があります。
続いて、持ち家の特徴を見ていきましょう。
・将来的に自分の資産になる
・リフォームや建て替えが自由
・住宅ローン控除を受けられる場合がある
・固定資産税や火災保険料の負担がある
・簡単に引っ越しができず、ライフスタイルの変化に対応しにくい
・修繕費用が自己負担
持ち家は、自分の資産となります。住宅ローンの支払いを終えれば住居費の負担が減るため、老後の住まいに不安を持ちたくない人にとってはメリットといえるでしょう。リフォームも自由で、物件の選択肢も幅広い傾向です。
一方で、税金を納めなくてはならなかったり、家族の人数や収入の増減などライフスタイルの変化に対応しにくかったりする点はデメリットです。住み替えが前提の人にとっては、持ち家は向かないでしょう。
マンションであれば、共益費・管理費、修繕積立金がかかります。一戸建ての場合も、自身でお金を貯められる人でないと、いざというときに設備の修理ができなくなるでしょう。
賃貸の家賃や持ち家の住宅ローンの支払いがどちらも月10万円であったとしても、それ以外の費用は違います。いくら費用をおさえられたとしても、自分にとって住みやすいほうを選ばないと満足度が低くなってしまうため、自分に合う物件を選びましょう。
国税庁 No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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