2月26日(水) 19:30
結婚式は、新郎新婦にとって人生の新たなスタートを意味する大切な儀式です。ご祝儀として渡すお金には、新しい門出にふさわしい「新札」を用意することがマナーとされています。新札を使うことで、二人を祝福する気持ちが表現できると考えられているのでしょう。
ご祝儀のために新札を用意することには、「結婚式を心待ちにしていた」という気持ちを伝える意味もあるとされています。普段から新札を持ち歩く人は少ないため、用意するには、銀行に行くなど事前の準備が必要です。
新札でご祝儀を渡すことにより、「二人の結婚式を楽しみにして準備しました」という気持ちを表すことにもなるでしょう。
ご祝儀のために新札を準備することがマナーとされている中、実際には新札と旧札が交ざっているケースも少なくないようです。これには、いくつかの理由が考えられます。
一つは、単純な準備不足や忘れによるものです。銀行に行って新札を用意する時間がなかったり、うっかり忘れてしまったりして新札が用意できず、一部旧札を交ぜざるを得なかったかもしれません。
また、ご祝儀の金額によっては、新札だけでは金額を調整しにくかった可能性もあります。例えば、3万円のご祝儀を渡す場合、1万円札3枚を全て新札で用意することが難しく、仕方なく旧札を使用することがあるかもしれません。
そのような場合は、旧札であっても破れや汚れが目立たない、できる限りきれいな状態のお札を用意するようにするといいでしょう。
新1万円札の肖像画に使用されている渋沢栄一は、日本の近代化に大きく貢献した実業家として知られています。しかし、一部では「渋沢栄一の肖像画はご祝儀に不向き」という意見も聞かれます。
これは、渋沢栄一には本妻のほかに多くの女性がいたことから、ご祝儀にはふさわしくない、という説によるものです。
ただし、これはあくまで一部の人の解釈によるものであるといえるでしょう。ある企業が実施したアンケートでも、20代〜40代の約70%がマナー違反だとは感じていないことが分かりました。
一般的には、渋沢栄一の新1万円札をご祝儀に使用することに問題はないと考えられ、何よりも二人を祝福するという気持ちを忘れないことが大切といえます。
結婚式のご祝儀に関するマナーは、時代とともに少しずつ変化しています。新札を使用することが望ましいとされていても、実際にはやむを得ず新札が準備できなかったなどの理由で、新札と旧札が交ざることもあるでしょう。
ご祝儀を贈る側が、新郎新婦への祝福の気持ちを込めてご祝儀を準備することがもっとも大切なマナーといえます。新札が用意できない場合でも、きれいな旧札を準備して丁寧に包むなどできる範囲で配慮することで、十分に気持ちを伝えられるのではないでしょうか。
結婚式というおめでたい場では、細かいマナーにとらわれすぎず、心からの祝福を伝える機会としてご祝儀を捉えることが大切です。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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