妻のひまわりは誰からも愛される笑顔の似合う女だった…。しかし現在の姿は…!!結婚10周年、夫婦そろって30歳を迎えたばかりだというのに、妻はまるで老婆のように歳を取っていた!
【漫画】本編を読む
「気味悪いったら」「や~だ~、こわい~」と近所でも噂された。「奥さんを見たら驚くわよ」「ほら!あれよあれ!」「あのおばあさんも30歳」と近所の主婦たちは興味本位の視線を送る。夫は気にせずやさしく妻を大切にするのだが、どうしてもできないことがあった。それは、急激に老いていく妻の顔を直視すること。「俺は…老いが恐ろしい」と妻に隠れ、嗚咽していた。
読者からは、「あぁ、つらい。すごくよいお話でした」「つらい…けど美しい」「残酷な物語だけど、美しすぎる物語だ」という賛辞が相次いだ。また読後に泣かされた人も多かったようで「涙腺が崩壊」「嫁さんの前で泣いちゃったよ」という声も。
本作の作者は、2017年冬期のゲッサン新人賞(小学館)や、2021年5月期の新世代サンデー賞(小学館)で佳作受賞の経歴を持つ墨染清(@sumizomesei)さんだ。最近では「DLsite comipo」(viviON)にて「強がりユキヒト君はデレたくないのに」を連載していた漫画家である。墨染清さんに本作について話を聞いてみた。
――「老い」について描いた本作のタイトルは「としとしあわせ」で、「歳と幸せ」と「歳歳合わせ」をかけたタイトルとのことですが、このタイトルに込めた想いについて教えてください。
無情に訪れる「老い」ですが、伝えたいことは「夫婦の幸福」でしたから、幸せを感じられるタイトルにしたいという想いがまずはじめにありました。とはいえ、ただまっすぐにタイトルをつけてもおもしろみに欠けると考え、夫婦が立ち向かう「歳」と「幸せ」、そして夫婦が手を取り合うイメージから「合わせる」…このフレーズを組み替えて言葉遊びをした結果、このタイトルになりました。
――読者から「涙腺崩壊」「涙が止まらない」など驚くほど多くの感想が届いてましたね。読者からの大反響に対して墨染さんはどう感じましたか?
自分が老いることよりも、大事な人が老いて弱る姿を見る方がよほどつらいと昔から強く感じていて、その苦痛を当時の私なりに精いっぱい詰め込んだ作品です。この思いを受け止めてくれる人はいるのかと不安に感じていましたので、たくさんのご感想をいただけて、驚いたと同時に心からうれしかったのを覚えています。
――ラストの結末については、読者ぞれぞれに思うところがあったようですね。
ラストの結末は曖昧に描きすぎたために読者の方を困らせてしまいましたが、それぞれ「私はこういうことだと思う」という考えを聞かせてもらえたので、それもとてもうれしかったです。
――先々月の2024年12月に好評のまま最終回を迎えた連載漫画「強がりユキヒト君はデレたくないのに」について、見どころを教えていただけますか?
簡単に紹介すると「年上の女子大生に片思いをしている小学6年生男子の話」です。見どころは普段クールぶってる幸仁(小学6年生男子)が夏澄(女子大生)に振り回されてバカっぽくなるところでしょうか。電子版単行本1冊で完結していますし、ライトにサラッと読める作品ですのでラブコメ好きの方におすすめしたいかなと思います。
本作のラストについては読者からさまざまな意見が寄せられている。「最高のラストでした」「ハッピーエンドも好きだがこういう最後も好きだなぁ」という絶賛する声が多数を占めるが、その上で「ラストに胃が圧殺された」「ラストがどう解釈していいかわかんねぇ」「ラストはハッピーエンドなのか、どうなのか?」と、内臓をえぐられるような想いや頭を抱える人も。最後の数ページは、果たして神が与えてくれた奇跡なのか胡蝶の夢なのか…あなたはどう受け取るだろうか?
取材協力:墨染清(@sumizomesei)
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