こんな目にあうなんて…小4女子が上級生から受けた性被害を描く衝撃作に「リアルで考えさせられる」の声【漫画】

上級生から受ける性被害に悩み、恐怖を感じる小学4年生の女子/(C)Sara Chikuma

こんな目にあうなんて…小4女子が上級生から受けた性被害を描く衝撃作に「リアルで考えさせられる」の声【漫画】

2月25日(火) 23:20

上級生から受ける性被害に悩み、恐怖を感じる小学4年生の女子
【漫画】著者の実体験を元に描かれた小学生の性被害を描いた作品に「前知識として読んでおいて損は無い内容」の声

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、漫画家・ちくまサラさんの『10歳で性被害にあいました誰にも相談できない』をピックアップ。

同作は子供の性被害について、著者自身の体験談をもとに描いたコミックエッセイ。被害者と加害者がともに小学生という、どの学校にでも起こりうる題材で、被害者の視点から、そして親や教師といった周囲の大人の視点から問題を見つめている。本記事では、ちくまサラさんにインタビューを行い、制作の背景や本作にこめた思いについて語ってもらった。

■平穏な学校生活が一転、地獄の日々に…
『10歳で性被害にあいました誰にも相談できない』より

小学4年生のなるみは、憧れの放送委員会の活動に胸を躍らせていた。しかし、そこで待ち受けていたのは、放送室で好き勝手に行動する6年生のゲンシ。彼は担任も頭を悩ませている問題児で、女子のスカートめくりや不適切な発言を繰り返すなど、問題行動が後を絶たなかった。そんな中、ある日放送室でなるみとゲンシは二人きりになってしまい、事件は起きる…。

漫画を読んだ読者からは「夢中で読んだ」「いろいろな視点からの気付きがあった」「学びに繋がる部分も多い」などのコメントが寄せられている。

■作者・ちくまサラさん「一人でも多くの人が価値観をアップデートし、周りに広めていくしかない」
『10歳で性被害にあいました誰にも相談できない』より

――『10歳で性被害にあいました誰にも相談できない』というタイトルにも衝撃を受けましたが、この作品が生まれるきっかけはどのようなものだったのでしょうか。

もともとは自身のブログで『10歳で性被害に遭った話』という実録漫画を描いたことがきっかけです。世の中の、子どもの性教育や性犯罪に対する理解がまだ低いと感じ、自分自身の実体験を描くことで性被害の現実と性教育の大切さを発信しようと考えました。

その漫画を読んでくださった編集部の方にお声がけいただき、フィクションストーリーを加えて書籍という形で出させていただくことになりました。

――なるみは学校でゲンシの行動に悩まされます。スカートをめくったり、下品なことを言ったり…。ゲンシに対するなるみの心情を教えてください。

「されたくない。けど、どうしたらいいか分からない」「抵抗したらどうなるか分からないから怖い」「誰に何て言って相談したらいいか分からない」「相談するのが恥ずかしいし、言ったらどうなるか分からないから不安」などです。

「嫌だ」という感覚はしっかりとあるものの、分からないことだらけで、「嫌だ」から先に進む知識がないんです。

――なるみの母・みどりも、娘を守るため行動しますが、娘にとって最善か自信が持てずにいます。母娘の関係性、みどりのとった行動について、描きたかったことはどんなことでしょうか。

子のためを思ってしたことが、その子にとってはNG行動だった…という経験は、子供に関わっていると大なり小なり経験します。今回は「繊細な子と大雑把な親」というパターンで描きましたが、全ての親子関係で起こりうることだと思っています。

子と向き合う時は、自分の感覚やものさしだけで子を見ていないか?子の気持ちを十分に理解できているか?と立ち止まることが大切だと自戒をこめて描きました。

――本作の中で、ちくまさんの印象に残っているエピソードや一場面を教えてください。

性被害の事件ももちろん大事なのですが、個人的には親子の関係も大事だと思っていて。特に、「子供視点で見た親」と、「親視点で見た親」の違いは、私自身が親になっていなかったら絶対に描けないエピソードでした。

なるみがみどり(母親)に対して思っていたこと、執着していたことを、最後に手放せたのは、私の中ではとても大切なシーンです。

――ちくまさんが本作で描きたかったことや今作に込めた思いを教えてください。

最初に元漫画を発信した際に、「煽りではなく純粋に疑問なんですけど、なぜ誰にも相談できなかったのですか?」というコメントを複数いただきました。なので今回はそれをサブタイトルにし、性被害に悩んでいる子供がなぜ大人に相談できないのか?という部分を特に丁寧に描きました。

また、性被害にあったり、性被害を目撃した時に、どう行動すべきかの正解を一発で出すことがいかに難しいかという部分も伝えたかったです。

――現在、小学生・未就学児等を対象にした「プライベートゾーン等の啓発キャンペーン」など、子供たちに自分を守るための知識を持ってもらう活動が行われ始めました。本作に出てくる、ゲンシの親が“スカートめくりとかのぞきとか私が子供の頃は普通でしたよ?”と言うシーンや、男性教師の態度など、知識のない大人にも必要な教育ではと思わされます。現在行われ始めている子供たちへの性教育について、ちくまさんのご意見をお聞かせください。

いろいろな活動やキャンペーンが広がっているのはとても良いことだと思うのですが、長い目で見たらまだまだスタートラインでしかありません。

そして、興味のある人だけが情報を収集している状態なので、興味のない大人は昔の価値観のまま「なんだか知らないけど最近はエロ規制が厳しい」とか「自分自身もちゃんと大人になったし、わざわざ性教育を変える必要はないだろう」という認識であることが問題だと感じています。

これには、一人でも多くの人が価値観をアップデートし、周りに広めていくしかないと思います。私も、私の作品を読んでいただくことで少しでも多くの人に性教育を教えることの大切さが伝わればいいなと思っています。

――最後に読者のみなさんへ、メッセージをお願いします。

今までの文章を読んでいただければ分かる通り、いろいろな人物が登場し、大事なシーンもたくさんあります。

単純に事件が起きて解決スカッと!という漫画ではありません。頑張って描いたので、ぜひお読みいただき、いろいろなことを考えるきっかけにしてほしいです。



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