2年前、予定帝王切開で息子を出産しました。緊張と不安の中、手術台の上で気分が悪くなってしまった私。もうすぐ息子に会えるうれしさはあるものの、長い手術の間、ずっと耐えなければいけないと思うと、絶望的な気分になってしまったのです――。
日付が変わった瞬間から絶飲食
7年前に娘を緊急帝王切開で出産していたため、息子も帝王切開での出産になり、手術の前日に入院しました。私は妊娠糖尿病だったので、夜ごはんは薄味でほんのわずかな量。しかも手術当日に日付が変わった瞬間、食べ物はもちろん一切の水分の摂取も禁止されていました。
手術は午後3時から。ずっと点滴をしているおかげか空腹はあまり感じないけれど、喉の乾きがつらかったです。
麻酔後、気持ち悪さが限界に…
いよいよ手術の時間になり、手術室へ向かいました。娘のときは緊急だったのであまり覚えていないけれど、改めて自分で手術室へ入ると不安と恐怖で逃げ出したくなるほどでした。
そして局部麻酔をしたとき、緊張がピークになり喉の乾きが限界に……。喉の奥が乾いて気持ち悪く、えづくようになってしまったのです。息子に会えるのはうれしいけれど、長い手術の間ずっとこの気持ち悪さに耐えないといけないのかと思うと絶望的な気分でした。
医師に体調を確認されたので、私は「喉が乾き過ぎて吐きそうです……」と訴えました。すると、そばにいた看護師さんが、酸素マスクを外し、水分を含ませたガーゼを口元に持ってきてくれたのです。そして「水は飲ませてあげられないけど、少しましになるかと思います」と、やさしい言葉をかけていただきました。
私はガーゼに含まれた、わずかな水分を吸うことでとても喉が満たされたような感覚に。一瞬で気持ち悪さが消えたのです。その後も、その看護師さんは手術の間「大丈夫ですよ。もうすぐ赤ちゃんに会えますからね」と、ずっと手を握っていてくれました。私は涙が出そうになるくらいうれしく、安心できました。
出産の翌日、その看護師さんが病室まで会いに来てくれたので、改めてお礼を言うことができました。あのときの看護師さんの対応がなかったら、私はどうなっていたかわかりません。あれから2年経ちますが、ふと出産を思い出すときに、やさしくしてくださった看護師さんの顔が同時に思い浮かび、心があたたかくなります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:堂本ちか/30代女性/2015年1月生まれの娘と2022年11月生まれの息子、年の差きょうだいのママです。お調子者の娘とおバカな息子のかわいさに癒されながら毎日育児奮闘中です!
イラスト:きりぷち
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年2月)
監修者・著者:助産師 松田玲子 医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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