【ハイキュー‼×SVリーグ】ヴィクトリーナ姫路の伊藤麻緒が思う自分とチームの変化烏養コーチ、武田先生の「歯車が噛み合ったら」に共感

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【ハイキュー‼×SVリーグ】ヴィクトリーナ姫路の伊藤麻緒が思う自分とチームの変化烏養コーチ、武田先生の「歯車が噛み合ったら」に共感

2月22日(土) 22:00

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『ハイキュー‼』×SVリーグコラボ連載(38)

ヴィクトリーナ姫路伊藤麻緒

(連載37:ヴィクトリーナ姫路の松本愛希穂は試練に直面も「逃げたくない」 田中龍之介のように、下を向いている暇はない>>)



彼女はよく笑う。幸せな空気を身にまとっている。本人は「"陽キャ"じゃない」と言うが、自然と周りを心地よくする。平和的で、フラットなのだ。

もっとも、勝負への自負心は人一倍強い。

「私のなかでミドルブロッカーは、ブロックの中心じゃないといけない。『相手のミドルを抑えてナンボ』だと思っています。1回、気持ちよく打たれたら『次はやらせない』となりますね」

ミドルの矜持というのか。それが、ヴィクトリーナ姫路の伊藤麻緒(24歳)の"燃料"だ。

伊藤がバレーボールを始めたのは、小学5年と決して早くはない。小学校で仲よくなった友だちの多くがバレーをやっていて、「やろうよ」と誘われた。当時から身長が高かったため、彼女もその気になったが......。

「小4で『やってみたい』となったんですが、姉の習いごとが忙しすぎてこちらまで手が回らず......1年、我慢することになりました」

うずうずとしながら、その瞬間を待ち続けた。

「ようやくバレーをやれることになったんですが、最初は『難しいな』と思いました。ボールがしっかり手に当たらないし、前に飛ばないし、痛い(笑)。体が大きくて、周りには『できそう』って見られていたけどできない。それで、恥ずかしい思いもしましたね」

半年ほど悪戦苦闘したが、気づいたら楽しくなっていた。レシーブから始め、スパイクを打てるようになり、高さも生かせるようになった。

「当時は、身長が大きくて目立つのが嫌だったんです。でも、バックでの守備から始めて、前でスパイクを打てるようになり、身長の生かし方もわかるようになってから変わりましたね」

伊藤はバレーのとりこになった。そして、彼女のそばには必ず仲間がいた。その日々こそ、彼女の原点だ。

「小学校時代の6人の友達が、同じ中学に上がってバレー部に入りました。みんな意欲が高くて、すごく楽しかったんです!ずっと6人がスタメンで、自分は真ん中(ミドル)でした。みんなの結束が強かったから、県内では強かったし、本当に楽しかったですね」

伊藤はそう言って表情を輝かせる。

「高校はバラバラになりましたが、それぞれがバレーを続けていました。対戦することもあって、青春でしたね(笑)。今でも、年に1回は集まってあの頃の話をします。私の原点ですね」

高校3年時にはVリーグからの誘いもあったが、勉学も続けたくて大学進学を選んだ。東海大では多くのタイトルを獲得した一方で、4年生になる頃には、やや燃え尽きかけていた。

「『バレーは大学でやめよう』と思っていました。4年時には春季リーグ、東日本インカレ、秋季リーグを制したあと、『全日本インカレも獲りたい』とは思っていたのですが疲れてしまって......。『4冠を達成してすっきりやめよう』と。正直、その先のことは考えられませんでした」

伊藤は当時を振り返る。

「(実業団のチームに入って)やりきれるのかわからなかったし、中途半端は嫌だったんです。お金をいただいてプレーするわけですから、学生時代とは違う。でもヴィクトリーナには、アンダーからお世話になっている指導者の方がいて、声をかけてもらって『1回やってみよう』と気持ちが固まりました。

それで欲も出たと思います。4冠がかかった最後の全日本インカレは、応援してくれる方もたくさんいました。勝った瞬間も気持ちよくて、『もっとこんな瞬間を経験したい』となったんだと思います」

修羅を生き抜く、飽くなき渇望だ。

「SVリーグは土曜と日曜で同じチームと戦います。土曜の試合で相手のミドルの打数が多くて決定率も高かったら、同じポジションとして嫌じゃないですか。気持ちよく打たせてしまっていると思ったらムカムカします(笑)。そんな時は、日曜の試合に魂を込めて、相手ミドルの打数、決定率も下げにいく。クイックを止められた時などもテンションが上がりますね」

嬉々として言う伊藤の表情には、せめぎ合いを続けてきた者だけが持つ気迫がにじんでいた。

勝負では命を燃やす。そのバレー人生は晴れやかで、貪欲だ。

【伊藤麻緒が語る『ハイキュー‼』の魅力】

――『ハイキュー‼』、作品の魅力とは?

「リアルなところですね。登場人物も、現実にいそうなキャラクターばかり。陰で支えるタイプとか、感情が突出しちゃうタイプとかもいますし、読んでいるこちらの感情も忙しくなります(笑)」

――共感、学んだことは?

「烏野のツッキー(月島蛍)は同じポジションですし、共感しますね。一歩出たいけど、出られないっていうのを繰り返してしまうマインドは、自分も経験があるので。何をしていいかわからず、きっかけを誰かに求めちゃう気持ちもわかります」

――印象に残った名言は?

「合同合宿の時に、烏養(繋心)コーチと武田(一鉄)先生が『歯車が噛み合ったら』と話をするシーンです。みんなが、それまでとは違ったプレーの質を高めていって、そうしてできた新しい"歯車"が噛み合っていくことで、チームがレベルアップするっていうのがいいですよね。

ヴィクトリーナもSVリーグが始まる時に、新しいことをやるようになったんです。例えばリベロの選手たちと、エースの(井上)愛里沙さんが早いバックアタックを合わせ始めたり、私が早いAクイックをやり始めたり。それが噛み合っていくのは、あのシーンと重なりました」

――好きなキャラクター、ベスト3は?

「1位は稲荷崎の北(信介)さん。何事に対しても『ちゃんとやんねん』って感じの人が好きです(笑)。試合に出られなくても堂々としていて、後輩たちに好きにやらせながら、締めるべきところは締める。こんな先輩がいたら心強いですよ。

2位は烏野の菅原(孝支)さん。タイプ的には北さんと同じですかね。3位は、ミドルブロッカーのなかでも『いいな』って思う音駒のクロ(黒尾鉄朗)です」



――ベストゲームは?

「烏野vs稲荷崎戦ですね。試合後もいいんですよ。北さんが『どや俺の仲間すごいやろってもっと言いたかったわ』って言うシーンが大好きです!」

【プロフィール】

伊藤麻緒(いとう・まお)

所属:ヴィクトリーナ姫路

2000年6月23日生まれ、静岡県出身。178cm・ミドルブロッカー。小学5年でバレーを始める。富士見高校では春高バレーなどで活躍し、2018年にはU19日本代表に選ばれてアジア選手権に出場した。東海大学では、全日本インカレ2連覇、4年時には大学バレー4冠を達成。2023年、ヴィクトリーナ姫路に入団した。

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