企業連携によって持続可能な社会の実現を目指す一般社団法人アップサイクル。同団体は、会員として参画する企業フジワラテクノアートの持つ固体培養技術を使い、抽出後のコーヒー豆を麹化して製パンにした「ポリフェノールたっぷりパン」を、「ネスカフェ原宿」(東京・原宿)にて数量限定で販売している。
【写真】カフェイン含有量は少量。苦味もほとんど感じられない
この取り組みは、プロジェクト「Enz Koji(エンゾ コウジ)」の一環として行われた。同団体は、本来廃棄されるはずの食品残渣や搾りかすから“麹”を作っており、これについても「Enz Koji」と呼んでいる。
プロジェクト「Enz Koji」の第1弾として開発された「ポリフェノールたっぷりパン」は、機能性成分ポリフェノールを豊富に含んでいること、また、カフェイン含有量が少量でありながらも、コーヒーの豊かな風味を楽しめるのが特徴だ。神奈川県海老名市にある栄屋製パンが開発を担当し、ネスレ日本が製パンに協力した。
こうした取り組みを行ったアップサイクルの広報担当者に、開発にいたった経緯や、パンを製造した感想について話を伺ってみた。
――コーヒーについて、「世界中で1日20億杯以上消費されているけれど、抽出後の豆は多くが焼却・埋め立て処分されており、有効活用が課題となっている」…と伺いました。この課題について、アップサイクルではこれまでどのような対策をされていたのでしょうか?
【広報担当者】(「のこりもの」から染める)のこり染めという染色方法で、コーヒー残渣を衣類の染料として活用し、コーヒー染めをした製品も制作してきました。また、コーヒー残渣を発酵&熟成させた植物性たい肥にも取り組んでいます。ただ、「抽出後の豆を有効活用する」というこの課題については、新しい対策も模索し続けておりまして、今回の“抽出後のコーヒー豆を発酵させて麹で活用する”という方法もこれにつながっています。
――「ポリフェノールたっぷりパン」を製造した感想を教えてください。
【広報担当者】製パン時の水分量の調整には苦労しました。菓子系のパンをチョイスしたのは、保水性が少なく、発酵をあまり必要としなかったからなんです。作ってみると、見た目としてはコーヒーの色がしっかり出るのですが、コーヒーの苦み&酸味は、マイルドに風味に生きてくるため“扱いやすかった”という点がよかったなと思います。ポリフェノールが十分に確保でき、栄養価が高いのもいいところだと思いました。
今後は、コーヒー以外の食品副産物も麹にして、新しい商品にアップサイクルする取り組みを考えているという同団体。どのような麹ができるのか注目していきたい。
取材・文=平井あゆみ
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