2月13日、東京・南青山にあるボルボ スタジオ 東京にてボルボの最上級SUV、新型XC90がお披露目された。外観デザインの刷新に加え、インテリアの質感向上と最新のインフォテインメントシステムの搭載により、プレミアムSUVとしての価値をさらに高めている。なお、XC90はこれで2度目のマイナーチェンジで、発表会の場でボルボ・カー・ジャパン株式会社の不動奈緒美社長は「2代目XC90の完成形」だと紹介していた。
【画像】新たな進化を遂げたボルボのフラッグシップ 7シーターSUV「XC90」(写真16点)
マトリックスデザインLEDの採用でよりスリムに進化した象徴的な”トールハンマー”ヘッドライト。キャラクターラインを強調した新デザインのボンネットやフロントバンパーが、精悍な表情を演出する。LEDテールライトも新たなグラフィックパターンを纏い、リアビューに新鮮さをもたらした。このデザイン変更には、ボルボが推進する電動化への移行を象徴する意味が込められているという。
特に目新しいのはフロントグリルで、2方向から伸びる斜線が重なり合うグラフィカルなパターンは、まるで浴衣のようだ。勝手な解釈ではあるが、北欧デザインと日本の美意識が不思議と調和しているかのような雰囲気である。
室内では、11.2インチの大型タッチスクリーンが目を引く。従来モデルと比較してピクセル密度が21%向上し、より鮮明な表示を実現。この新システムは、ボルボの新型電気自動車EX90やEX30で採用されているものと同様のユーザーインターフェースを備え、直感的な操作性を提供する。
インテリアの改良点は操作性だけではない。現行オーナーからのフィードバックを反映し、より実用的な収納スペースを実現。センターコンソールには追加のカップホルダーを設置し、ワイヤレス充電パッドはメインの収納エリアと分離して配置された。これにより、スマートフォンの充電時でも収納スペースを有効活用できる。また、ダッシュボードは水平基調のデザインに一新。リサイクル素材を用いた装飾パネルと新デザインの垂直エアベントにより、現代的なスカンジナビアンデザインを体現している。
動力性能面では、マイルドハイブリッド車が新たにミラーサイクルの2リッター4気筒ターボエンジンを搭載し、燃費効率を約5.3%向上させている。また新しいダンパーを採用することで乗り心地が進化している。一方、プラグインハイブリッド車のエアサスペンションは車、路面、ドライバーを1秒間に500回モニターするアクティブ・シャシーと連動し、最も快適な乗り心地を提供。道路と走行条件に合わせて最適な車高を保ち、ダイナミックな走りと洗練された乗り心地を両立させている。グレードを問わずXC90には車体の一部に遮音材を追加し、風切り音やロードノイズをさらに低減し静粛性を向上させている。
グレード展開はマイルドハイブリッドに「XC90 Plus B5 AWD」(10,190,000円:消費税込み)と「XC90 Ultra B5 AWD」(10,990,000円:消費税込み)の2グレード、そしてプラグインハイブリッドの「XC90 Ultra T8 AWD Plug-in hybrid」(12,940,000円:消費税込み)となっている。
デビューから10年が過ぎようとしていながら、年間販売台数概ね1,000台と安定した支持を得続けているXC90。単なる高級SUVを超えた「北欧プレミアムの真髄」として、確固たる地位を日本で築いている証であろう。そして、今回の進化で手に入れた「完成形」という称号は決して誇張ではないだろう。
なお、XC90のアンバサダーとして俳優・実業家としてマルチに活動している坂口憲二さんが就任。今後、TVCMナレーションやプロモーションビデオ出演、SNSでの情報発信など様々な活動が見られるという。
文:古賀貴司(自動車王国)写真:ボルボ・カー・ジャパン
Words: Takashi KOGA (carkingdom)Photography: Volvo Car Japan
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