上白石萌音、新たなチャレンジと自身で練ったこだわりの演出で全国ツアーを走り抜ける

上白石萌音の全国ツアー「“yattokosa” Tour 2024-25《kibi》」が千秋楽を迎えた/カメラマン:板橋淳一/柴田和彦

上白石萌音、新たなチャレンジと自身で練ったこだわりの演出で全国ツアーを走り抜ける

2月10日(月) 1:52

上白石萌音の全国ツアー「“yattokosa” Tour 2024-25《kibi》」が千秋楽を迎えた
【写真】ピアノの弾き語りで切なくも力強いバラード「変わらないもの」を披露

上白石萌音の全国ツアー「“yattokosa” Tour 2024-25《kibi》」が、2月9日に千秋楽を迎えた。2024年12月6日に大阪でスタートした今回のツアーから、2月2日の東京公演の模様をリポートする。

■“歌手・上白石萌音”の世界を表現

2016年のデビュー以降、作品リリースやライブ活動をコンスタントに続ける上白石。2024年11月リリースの最新アルバム『kibi』を中心とした今回のツアーは、初めて訪れる場所(青森、佐賀、三重、京都、福井、香川、広島)を含む、自身最多となる全10カ所11公演を開催。

ツアー終盤となる東京ガーデンシアター公演でも、こだわり抜いたセットリストや舞台美術、演出、そして表情豊かなボーカルで“歌手・上白石萌音”の世界を表現した。

■序盤から会場には心地良い一体感が生まれる

自身が作詞を手掛けた「あくび」でスタートした東京公演。「ねえ今日はもうずっと寝転んでいようよ」というサビで幕が開くと、椅子に座った上白石の姿が。1番を歌い終わったタイミングでスッと立ち上がり、一礼する上白石に、客席からは大きな拍手が送られる。

セットリストの中心は、「ある1日の時間の流れの中にある、さまざまな情景や感情の機微を表現した」というアルバム『kibi』収録曲。繰り返す日常への愛しさを描いた「Loop」から、「皆さん、立っていいですよ!」という呼び掛けでポップチューン「skip」へとつなぎ、心地良い一体感が生まれる。

MCで「アルバム『kibi』は同世代のアーティストの皆さんとたくさんご一緒しました」と語ったように、アルバムでは「かさぶた」や「アナログ」を提供したとたや、「perfect scene」を提供したLaura day romanceら、同世代アーティストの楽曲がライブでもスパイスとなり、上白石の新たな表現を引き出していく。

そして、自身の思いが濃く反映されたアルバムの世界観は、図面の時点からこだわった舞台美術などにもつながって表現される。「風」は、鍵盤と歌のシンプルな編成。アルバムの中でもある意味、異色の1曲で、さまざまなジャンルの提供曲を歌いこなす上白石の歌手としての軸を見せ、「でも風君はこの空を思うまま行け」というフレーズを手渡すように歌う姿が印象的。

また、公演先の土地にちなんだ楽曲を歌う“ご当地ソングコーナー”で、東京公演では「東京キッド」(美空ひばり)をセレクト。戦後の時代に誘われるような、ノスタルジックな雰囲気がゆったりと広がり、幅広い年齢層の観客を魅了する。

ライブ中盤では“ロンドンコーナー”も。2024年に舞台「千と千尋の神隠し」の公演でロンドンに約3カ月滞在。「そのときに得た文化的な刺激を皆さんと共有したいと思いまして」と選ばれたのは、「Yesterday」(ザ・ビートルズ)、「お砂糖ひとさじで(A spoonful of sugar)」(ミュージカル「メリー・ポピンズ」より)、「夢やぶれて」(ミュージカル「レ・ミゼラブル」より)。自ら和訳した歌詞を映し出しながら、楽曲へのリスペクトを込めて歌い上げる。

切なくも力強いバラード「変わらないもの」は今ツアーでの新たな挑戦の1つ、ピアノの弾き語りで披露。伸びやかで力強い歌声が会場に響きわたる。

「“これだ!”と思えるような言葉を人から頂けるって、人生の宝物ですよね」というMCからの「スピン」、美しく洗練されたメロディー、アレンジを丁寧に描き出した「ひかりのあと」と『kibi』の楽曲を続け、観客の心と身体を揺さぶった後は、楽曲冒頭部分が独唱から始まる上白石の歌手としての始まりの曲「なんでもないや」(movie ver.)。

さらに、「私もしんどいときは、いろんな曲やエンタメに力を頂いてきて。すごく感謝しているので、その恩返しを皆さんに渡していけたらいいなと思っています。ちょっとでも心が軽くなったり、元気になれる何かを手渡せたらいいなと思っているので、皆さん、幸せに生きていってください」という言葉から、本編ラストは「スピカ」。おおらかで優しい歌声が、観客1人1人を包み込んだ。

■アンコールではいきものがかりとセッション

アンコールでは、東京公演のみのスペシャルゲスト・いきものがかり(吉岡聖恵、水野良樹)が登場。まずは水野が作詞・作曲を手掛けた「まぶしい」をセッション。さらに、上白石がいきものがかりを好きになるきっかけとなった楽曲「YELL」(いきものがかり)を披露。

吉岡、水野がステージを去った後、感激のあまりステージに倒れ込んだ上白石。最後の楽曲も水野の作詞・作曲による「夜明けをくちずさめたら」。「分かち合うことをあきらめたりしない」というメッセージを響かせ、豊かな感動が広がっていく。そんな余韻がまだ残る中、1曲目「あくび」の一節を歌って幕が降り、ライブはエンディングを迎える。

カーテンコールでは当日が節分だったため、バンドメンバーと一緒に豆まきを行い、観客にサイン入りボールを投げ入れる。そして、生声で「ありがとうございました!」と感謝を伝えステージを後にした上白石。

スクリーンに映し出された「ありがとうございました!あったかくして寝てください萌音」という手書きメッセージを含め、こだわり作り込まれた演出と、上白石自身の飾らない姿や思いが感じ取れるステージとなった。

上白石萌音の全国ツアー「“yattokosa” Tour 2024-25《kibi》」から東京公演の模様をリポート



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