内野聖陽「宝石のような希望を感じてもらえる作品」 『連続ドラマW ゴールドサンセット』完成報告会を開催

『連続ドラマWゴールドサンセット』完成報告会より

内野聖陽「宝石のような希望を感じてもらえる作品」 『連続ドラマW ゴールドサンセット』完成報告会を開催

2月8日(土) 1:00

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2月23日(日・祝) よりWOWOWで放送・配信される『連続ドラマWゴールドサンセット』の完成報告会が2月7日に実施され、主演の内野聖陽と脚本&監督の大森寿美男が登壇した。

本作は、内野演じる謎の男・阿久津勇が出会う心に傷を負った女子中学生・上村琴音(毎田暖乃)をはじめ、人生崖っぷちの中年女性・太田千鹿子(坂井真紀)、その叔母・太田紀江(風吹ジュン)、職場でのトラウマを抱える女性・三橋芳子(和久井映見)、大切な人に優しい嘘をつき続ける青年・竹之内駿介(中島裕翔)など、生きづらさや苦悩を抱えながら生きる人々が、演出家・小巻沢梨子(小林聡美)率いる劇団「トーラスシアター」との出会いを通して、ひとつの物語に結び付けられていく。そして謎多き男・阿久津の探し続ける女性・節子(三浦透子)、やがて阿久津がひた隠しにする節子との過去が明らかになる。

作家・白尾悠による原作も熟読し、役に臨んだという内野は「読了した後に拍手したいくらい素晴らしい本で、これを長年信頼している大森さんが監督されるということで……。ぜひやりましょう!とお答えしました」とオファーを快諾。撮影時55歳で初老を演じるということに「自分に初老の演技ができるのかと不安だった」というも「大森監督が“歳をとった阿久津を見たいのではなく、精神が老けてしまった阿久津を見たい”と仰ってくれたので、それならば自分にもできるのではないかと思った」と4度目のタッグとなる大森監督に背中を押されたという。

演劇の世界がモチーフながらも、演劇のバックステージものではなく、表現の実用的価値を描きたかったという大森監督は、「原作を読んだ時に我々が普段やっていることの価値を問われている気がして、気合を入れて全身全霊で取り組まねばと思った。視聴者の皆さんには、どんな表現も人の身近にあるもので、それが人の支えになるものだと感じていただけたら嬉しいです。誰にも当てはまる物語だと思って作りました」と語った。

現在56歳の内野は、64歳の阿久津、若かりし頃の30代、そして劇中劇でリア王も演じる。「プロの俳優ではない阿久津が、全身全霊をかけて目の前にはいない大切な人のために演じて許しを請うような物語。リア王は普通に演じるのも大変なのに、一世一代のワンナイト公演にどれだけ阿久津の魂をリア王に乗り移らせる演技ができるのか?それが一番のプレッシャーでした。果たして阿久津のリア王は贖罪の演技になっているのか……。その判断は視聴者の方々にゆだねたいです。55歳当時の私が演じる老人が、あざとく作り物に見えたら嫌だなと思いつつ、心の荒んでしまった阿久津を頑張って演じました」と熱演を報告。大森監督からは当初「20代の阿久津も演じて欲しい」と言われていたそうで、内野は「今の私が演じたら無理が出て客が引いてしまうので、そこは流石に若い人を探してほしいとお願いしました。無理難題を押し付けられるカンパニーでした」と大森監督の厳しい洗礼に苦笑いだった。

一方、大森監督は「阿久津は無茶ぶりのような難しい役。20代の阿久津は平埜生成さんにお願いをしましたが、30代から老人までの精神的な流れは、ひとりの同じ役者さんにやってもらわないと時間の流れや心の移ろいを見せられないと思った。阿久津は内野さんしかできない役だと思いました」と全幅の信頼を寄せる。それもそのはず、内野とはNHK大河ドラマ『風林火山』でも脚本家として組んでおり「大河ドラマでひとりの男が老けていくまでの過程を見ていたし、内野さんは役を演じるよりもその役となってその時間を必死に生きる俳優。その熱量が欲しかったので、内野さんしかいないという答えが出ていました。そして内野さんは本作で見事にリア王も阿久津の人生も生き切ってくれました」と期待通りの結果だったと胸を張っていた。

監督としては初となる大森とのタッグを評して内野は「大森さんはロマンチスト。監督として出すディレクションが崇高かつ哲学的で、具体的な言葉では示さずに抽象的な観念で示す監督でした。具体的な言葉がない分、面白いけれど難しい。でも演技に伸びしろが生まれるので、こちらも“やってやろう!”と思わせてくれる演出でした」と新鮮さを感じていた。また同一シーンでの共演はなかったものの、竹之内駿介役の中島に触れて内野は「完成したドラマを見て、素直な感性をお持ちの方だと思った。いつかご一緒出来たらいいなと思いました」と本格的共演を望んでいた。

そんな中、阿久津が住むアパートの隣人・上村琴音役の毎田暖乃から「阿久津さん、あの頃は音と声にいつもビクビクしてましたが、今は静かな環境で勉強もはかどっています。けど、あの存在感のあるリア王の声が聞けないのは、寂しいです。放送をとても楽しみにしています。大森監督、撮影中は、沢山悩ませていただきました!けれど、それが私にとって本当に大きな学びとなりました。監督の求めていることがわからなくて、沢山聞いてしまいましたけど、いつも丁寧に教えてくださってありがとうございました。阿久津さん、気持ちに持っていけない時に、私を暖かく見まもってくださってありがとうございました」とサプライズコメントが届いた。

これに内野は「作文、ありがとうございます!」と喜びながら「暖乃ちゃんは幼いのに感じたところからバッと演技に没入していく感じがあり、小手先に頼らず心の表現をしようとする姿勢を“偉いな~”と思いながら見守っていました」と絶賛。大森監督も「ポテンシャルの塊で、演技に悩めば悩むほど次の瞬間に凄い答えを出してくれたりして頼もしかった。これから彼女が大きな役者になっていく過程において本作が何らかの糧になっていたら嬉しい」と大物女優の誕生に期待を込めていた。

「隠された過去」が次第に明らかになっていく内容にちなんで、「まだ明かしたことのない過去のバレンタインデー秘話」をそれぞれ発表。内野は「バレンタインデーという言葉にワクワクしない年頃になってしまった……」と苦笑いしつつ「僕は引っ込み思案の少年で、バレンタインの日も照れくさくて走って帰りました。家まで3人の女の子がチョコを届けに来てくれたけれど、顔が出せないほどの恥ずかしがり屋で。翌日にチョコをくれた3人の女の子に会っても“ありがとう”の一言も言えず、恥ずかしくて下を向いていました」とうぶすぎる幼少期を回想。「あの時にお礼を言えなかった3人にありがとうと言いたい。名前も覚えています」と照れていた。

一方、大森監督は「子どもの頃を振り返ってもバレンタインデーの記憶は全くなくて、そんな日があったかどうかも覚えていない。何もないです」とドライに笑わせていた。

最後に大森監督は「人生で辛い事悲しい事は沢山あって、自分の弱さから人を傷つけたり、自分が深く傷ついたり、苦しい思いをすることもある。けれどもこの世は生きる価値があるんだとそう思わせるために、この世のあらゆる表現はあるのだと思っています。このドラマもそのような気持ちに寄り添って作りました。内野聖陽がリア王をたっぷり演じる最終話までしっかりご覧ください」とアピール。主演の内野も「我々も確実に老いるわけで、老いていくことは人生のひとつの大きなテーマでもあると思います。それを扱い、なおかつその中で老いてさらに豊かにならんとする姿勢はこれから大事な事でもあると思います。そのようなテーマが散りばめられた宝石のようなドラマで、老いを見つめる事の希望を感じてもらえる作品になっています。最後までじっくりとご覧ください」と呼び掛けていた。

<番組情報>
『連続ドラマWゴールドサンセット』(全6話)

2月23日(日・祝) 22:00よりWOWOWで放送・配信スタート(第1話無料放送)

公式サイト:
https://www.wowow.co.jp/drama/original/goldsunset/

(C)白尾悠/小学館 (C)2025 WOWOW INC.

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