令和版・サラリーマン金太郎に出演中の鈴木伸之&影山優佳。「原作漫画を読んだから」気がついたことが

鈴木伸之(左)と影山優佳(右)

令和版・サラリーマン金太郎に出演中の鈴木伸之&影山優佳。「原作漫画を読んだから」気がついたことが

1月24日(金) 23:51

提供:
本宮ひろ志さん原作の同名漫画が令和の時代、新たに実写映画化された。

『サラリーマン金太郎【暁】編』(公開中)、『サラリーマン金太郎【魁】編』(2月7日公開)の2部作が連続公開。青森県でマグロ漁師をしていた元ヤンキーの矢島金太郎が、ある出会いをきっかけに大手建設会社のサラリーマンへと転身し、東京へやってくる。

幾度も映像化されてきた人気シリーズの“令和版”で、金太郎を演じる鈴木伸之さんと、ヤマト建設の同僚でオリジナルキャラクターの前田一美を演じる、影山優佳さんに話を聞くと、互いをべた褒めし合う展開に。

まさか自分が矢島金太郎をやる日がくるとは(鈴木)

――ビッグタイトルですが、原作&過去の実写化作品ともに、おふたりより上の世代に支持されてきた作品です。

鈴木: そうですね。僕も平成生まれなので、まさか自分が矢島金太郎をやる日がくるとは思っていませんでした。すごく驚きましたが、どうやったらこの令和にぶっ飛んだキャラクターである金太郎を応援してもらえるかなと考えながら、毎日撮影させてもらいました。

影山: 長い間、みなさんに愛される作品って、本当にすごいと思います。実際に撮影をしていて、何度も実写化されているなか、令和版といいつつどの時代でも人に刺さる作品だなと改めて実感することが多かったです。

鈴木: サラリーマンをやったことのない主人公が東京に出て来て、右も左もわからないところから仕事を始めます。はじめはもちろんうまくいかなくて、会社で水やりをさせられるところからですが、すごく対話を大切にするキャラクターだと感じました。

影山: 私がその水やりをさせるきっかけ(となる会社の先輩・一美)なんですけど(笑)。自分と違うものに出会ったとき警戒心を持つことって誰しもあるかなと思うんです。

一美も最初は金太郎に警戒心があった。でもそれを自分の目や心で解いていく金太郎の姿は本当に勉強になりましたし、対話というのが、日常生活でいかに自分を形作っているのかを実感する瞬間ばかりでした。

金太郎の存在や人柄に吸い込まれていく感覚がある(影山)

――過去にも映像化されてきた人気作です。過去作をご覧には。

鈴木: 高橋克典さんのものも、永井大さんのものも見ました。それからアニメ版も見ましたし、原作も読みました。それぞれに良さがありましたが、やっぱり金太郎のキャラクターが強くて、あの魅力的なキャラクターは、どこにも存在していた印象です。

――令和版と謳っていますが、クールな金太郎ではなく、鈴木さんらしいより爆発力に溢れた熱い金太郎になっている気がします。

鈴木: 声が枯れました(笑)。

――影山さんは過去作については。

影山: もともと金太郎の存在は知っていましたが、ちゃんと拝見したことはなかったので、永井さんの作品を拝見したのと、役作りと思って原作漫画を全巻読んだんです。そしたら一向に一美が出てこなくて。映画のオリジナルキャラクターだったことに、全巻読破してから気づきました(笑)。

でも読めば読むほど、金太郎の存在や人柄に吸い込まれていく感覚がありましたね。太陽の方向を向くひまわりみたいで、ひまわりがみんなを笑顔にするのと似た感覚だと思ったのですが、それって金太郎が心で会話をするからで、相手がいるからより感じる魅力なんだろうなと。

影山さんは人の懐に入るのが上手な方です(鈴木)

鈴木: 金太郎の良さを、関係値で見せられたらいいよねという話は一緒にしていましたし、僕自身、意識していました。

――現場では結構会話を?

鈴木: 影山さんがすごく優しくて、率先していろんな方に声をかけていました。なんというか、人の懐に入るのがとても上手な方というか。僕は割と人見知りなので。

影山: ええ!そうなんですか?

鈴木: そうなんです。だからすごくありがたかったです。

影山: 私の方こそ、みなさんに救われてばかりで、いつも気にかけてくださって。服装もオフィスカジュアルで寒そうな格好だったんですけど、すごく気にかけていただきました。ありがたかったです。

あと伸之さんはお芝居のとき、ずっと目を見て話を聞いてくださっているのがすごく印象的で心強かったです。

――それは金太郎として?

影山: そうだとは思うのですが、相手を理解しようとしてくれたり、言葉を受け取ろうとしてくださっているのが、一美としても自分としても心強くて、金太郎以前に、伸之さんの温かい人柄が出ているのだろうと思いました。それがフィルム越しでも伝わっていると思います。

伸之さんはカラッとした笑顔で現場を盛り上げていた(影山)

鈴木: 影山さんは本当に誰に対しても笑顔で接してくれるので、寒い現場も影山さんの笑顔で乗り越えられました。

さきほど金太郎が太陽を向くひまわりだとおっしゃいましたが、影山さんこそ、太陽のように明るい方ですし、これからもっともっと素晴らしい人になっていく姿が想像できるので、違う現場でもまたご一緒できるように僕も一生懸命頑張りたいです。

影山: 私としてはそのまま言葉を返したいです。

「はじめまして」のときから、伸之さんはカラッとした笑顔で場を盛り上げて、カメラさんとかいろんな人とも対話をしてらっしゃいますし、どんなに朝が早くても元気に気持ちよく座長としいらっしゃったので、伸之さんに失礼のないようにと思ってました。

たぶん、キャスト、スタッフ、みんな思っていたと思います。

“伸之さん”と“影ちゃん”

鈴木: ちょっと話が外れるんですけど、僕、14年くらいこの仕事をやっていて、「伸之さん」と呼ばれるのが初めてで、すごく新鮮で嬉しいです。

――現場では。

鈴木: 金ちゃんでしたね。「伸之さん」って普通の「ぶ」に圧がかかるイントネーションはたまにありますけど、平らな感じの「伸之さん」っていうトーンが、またキャッチーでいいし。なんかちょっと可愛らしいし(笑)。

影山: 鈴木さんってたくさんいるなと思って。

鈴木: たしかに。これから年下の方には影山さん方式の「伸之さん」って呼んでもらおうかな。

影山: なんだかすみません。

鈴木: いえ、嬉しいです。

――影山さんのことは。

鈴木: 影山さんですね。

――せっかくなのでちょっと可愛らしい呼び方にするなら、何がありますかね。

影山: 影ちゃんが一番よく言われます。

鈴木: では影ちゃんで。

影山: ありがとうございます(笑)。

ふたりはこれから、どんな先輩になっていきたい?

――今回、鈴木さんが座長でしたが、共演者の方々にはベテランの方も大勢いました。これからおふたりは年齢的にもキャリア的にもどんな先輩になっていきたいですか?

鈴木: 僕は気を使われるのは嫌なんです。僕自身は、気を使いたいんですけどね。だからたとえば僕と同じシーンがあったとして、良い意味で「楽だな」と無駄な緊張感を抱かせない人になりたいです。

――自分自身は気を使いつつ。

鈴木: そこは悟られないように。自分が気を使っていることが伝わると相手もそうなっちゃうので。だから自分もあまり肩肘張らず、「なんだか今日は楽しい現場だな」と思ってもらえる人になりたいです。まだそう成れていないと思うので。

影山: そんなことないです。もう体現されていると思います。本当に穏やかでフランクで、ゆっくりした時間の流れを作ってくださっていました。

もちろんなあなあじゃなくて、リスペクトさせていただく空気がありながら、「自由に芝居していいよ」と言われている感覚がありました。もうステキな先輩だと思います。

――影山さんは。

影山: 私はもともとグループ(日向坂46)でも一期生だったので、先輩のような立ち振る舞いをすることが多かったんです。それで8年ぐらいやっていました。ただ後輩の半分くらいが年上でした。なのでちょっと特別な距離感でしたね。

これからは年下の後輩もたくさん出てくると思うので、一緒にご飯に行ったりできるくらい、友達みたいな先輩になれたらいいなと思っています。

ふたりが語る“金太郎の良さ”

――最後に改めて、メッセージをお願いします。

影山: 諦めたくなったり挫折しちゃったり、後ろ向きになる瞬間が、観てくださる皆さんにもきっとあると思います。

撮影を通じて、私自身が、金太郎の存在に背中を押されました。予告編だとちょっと怖く見えるかもしれないですけど、「自分は自分でいいんだよ」と金太郎が教えてくれる、温かい作品だと思います。

鈴木: 金太郎ってはじめのうちは何にもできないんですけど、とにかくでっかい声でどっしりとしていてくれる。

そんな金太郎に、なぜか周りが惹かれていってしまうみたいな構造が、原作を読んでいても好きだったので、どうにかその感じに近づけたらいいなと思いながらやりました。

SNSやさまざまなことが普及した時代に、上司や仲間やいろんな人に直接語り掛けていく彼の姿には、とても大切なことが詰まっていると感じました。僕自身、コミュニケーションって大切だなと改めて認識しましたし、そこが金太郎の良さなのかなと思っています。

<取材・文・撮影/望月ふみ>

鈴木伸之さんヘアメイク/下川真矢(BERYL)スタイリスト/中瀬 拓外
影山優佳さんヘアメイク/遠山 祐紀スタイリスト/合田凪沙(ALCATROCK)

【望月ふみ】
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

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