【写真】着物から腕の刺青をのぞかせる樋口可南子“城島りん”
「日本の名匠シリーズ 苛烈!濃密!恍惚! 五社英雄特集」と題して、BS松竹東急(全番組無料放送・BS260ch)では1月27日(月)より、五社英雄監督が手掛けた6作品を一挙放送。本記事では、色彩と欲望が織りなす愛憎の人間模様がダイナミックに描かれた各作品のあらすじと見どころを紹介していく。
■北の大地で繰り広げられる男女の愛憎劇「北の螢」
1月27日(月)夜8時からは、土佐の遊興場で繰り広げられる愛憎劇を描いた映画「陽暉楼」(1983年)をノーカット放送。物語の舞台は、昭和7年の高知県、かつて西日本一を誇った遊興場・陽暉楼。12歳で売られた芸妓・桃若(池上季実子)が、当代一と言われ大変な売れっ子になるまでの成長や、彼女を陽暉楼の女将・お袖に預けた父・勝造(緒形拳さん)との愛憎の物語が描かれている。女同士が風呂場で斬り合いの格闘をするなど、五社監督が得意とするダイナミックな演出が見どころだ。
1月28日(火)夜8時からは、明治時代の開拓途上の北海道を舞台に、男女の愛憎を描いた映画「北の螢」(1984年)をノーカット放送。重罪人を収監する刑務所・樺戸集治監で“鬼典獄”と恐れられた月潟(仲代達矢)。囚人を虫けらのように扱い、看守にも容赦のない月潟の前に、囚人を追ってきた芸者・ゆう(岩下志麻)が連れてこられる…。夢と野望に溢れた男たちと、炎に燃え立つ女たちの愛と憎しみを描いた本作は、壮絶なアクションとエロチシズムが散りばめられた一作に仕上がっている。
■配給収入6億円の大ヒット映画「吉原炎上」
1月29日(水)夜8時からは、小説家・宮尾登美子と五社監督がタッグを組んだ映画「櫂」(1985年)がノーカット放送される。緑町界隈で、芸妓・娼妓紹介業を営む富田岩伍(緒形さん)。仕事で大阪・神戸へ行った際、菊(石原真理子)という少女を連れて帰ってくる。彼にはすでに竜太郎、健太郎という2人の息子がいたが、菊も育てることを決め――。宮尾自身の生家を描いた自伝的長編小説を映画化した本作。宮尾が大栄楼の女将として出演している点にも注目だ。
1月30日(木)夜8時からは、遊廓の吉原が最も賑わっていたと言われる明治末期に生きる女たちを描いた映画「吉原炎上」(1987年)がノーカット放送される。明治末期に、父親の借金のため吉原の中梅楼に売られてきた18歳の久乃(名取裕子)。九重の妹分になった彼女は、若汐という源氏名をもらい、救世軍の古島信輔(根津甚八さん)と知り合うが…。本作では、ヒロインとして出演する名取、二宮さよ子、藤真利子、西川峰子、かたせ梨乃の5人が、昼と夜とをタイプの違う遊女で魅せる。五社監督は吉原の栄華と汚辱、虚飾と真実を描き、配給収入6億円の大ヒット作品となった。
■「なめたらいかんぜよ」夏目雅子さんの名ゼリフが飛び出す「鬼龍院花子の生涯」
1月31日(金)夜8時からは、土佐の侠客と女たちの愛憎を描いた映画「鬼龍院花子の生涯」(1982年)をノーカット放送する。“四国一”と言われる魚市場や港、遊廓を支配下に威勢を張り、その名を轟かせた侠客・鬼龍院政五郎。そんな政五郎の養女となった松恵(夏目雅子さん)は、一つ屋根の下で繰り広げられる正妻、愛人、養女、娘との女の業と生き様を見ることになる――。本作では、夏目さんの「なめたらいかんぜよ」という印象的なセリフが一世を風靡し、流行語にもなった。ちなみに、同セリフは原作や脚本にはなく、現場で五社監督が考案したものだという。
2月1日(土)夜9時からは、“熊本の花街”を舞台に女胴師が活躍する任侠アクション「陽炎」(1991年)がノーカット放送される。主人公は“不知火おりん”という異名を持つ女胴師・城島りん(樋口可南子)。幼いころに両親を亡くし、熊本で料亭を営む惣兵衛、よしに育てられた。しかし2人の死後、料亭は乗っ取られてしまい――。本作では、樋口演じる城島りんの「往生しなっせ!」という名ゼリフが当時注目を集めた。また、“もろ肌を脱いで勝負に挑んでいく女胴師”という難しい役どころを、情熱的に演じきった彼女の演技も見どころの一つとなっている。
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