私はリンカ。小さいころは父と母、そして弟のトウマの4人で暮らしていました。私たちきょうだいはそれぞれの目的で実家を離れ、今はお互いに会社員として働いています。きょうだいの仲はわりとよいので、連絡をとりあうこともしばしば。さてそんなある日、父から連絡がきました。実家からの連絡は基本的に母からなので何事かと思いきや、どうやら父方の祖母の体調が芳しくないようなのです……。

正直なところ、即答はできませんでした。祖母のことは、好きでも嫌いでもありません。それに今会っておかなければ、二度と会えなくなる可能性のほうが高いのもわかっているつもりです。でも長いあいだ会っていませんでしたし、冷たい態度をとられていた母の手前、会いに行っていいものか悩んでしまうのです。


弟の考えを聞き、ホッとしました。これまでは母と仲が悪いからという理由で会いに行っていませんでしたが、このまま会わずに永遠の別れとなってしまえば、後悔するのは私たち自身。内緒でこっそりと会いに行けば、母と角が立つこともないでしょう。


こうして、弟との相談後、母には内緒でこっそり祖母と会うことになりました。
このときの私は「疎遠になった祖母に会う」ということを軽く考えていたのです。祖母への同情心や、自分が後悔したくないという気持ちもあったかもしれません。
しかし、疎遠になっていた理由もたいして知らない状態で、お気楽に行動すべきではなかったのです……今ではそう思っています。
あなたならこういう場合、疎遠になっていた親戚に会いに行きますか……？

【第2話】へ続く。

原案・編集部脚本・motte作画・んぎまむ

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