12月30日(月) 18:50
2024年7月3日より「新紙幣」の発行がスタートしました。紙幣のデザイン変更(改刷)は2004年以来20年ぶりで、内閣府の政府広報オンラインによると改刷の目的を「偽造対策の強化とユニバーサルデザインの向上」と述べています。
偽造対策として、新紙幣では高精細なすかしや新しいデザインの3Dホログラムを採用しました。また、誰もが使いやすいようユニバーサルデザインにも工夫がされており、識別マークの配置や形状の変更、すかしの位置の変更、ホログラムの形状の変更、額面数字の拡大などがなされています。
新紙幣の発行によって「旧札」となった旧紙幣ですが、保管しておけばいずれは価値がつくのでしょうか。使用済みの旧札がすぐに高価になる可能性は低いかもしれませんが、未使用のまま保管しておけば将来的に価値がつく可能性もあります。例えば、旧1000円札の買取価格相場を調べると、表1のような結果となりました。
表1
種類(肖像) | 発行された年代 | 使用済み品 | 未使用品 |
---|---|---|---|
甲号券(日本武尊) | 1942年~1946年 | 5万円程度 | 25万円前後 |
B号券(聖徳太子) | 1950年~1965年 | 1500円程度 | 1万5000円前後 |
C号券(伊藤博文) | 1963年~1986年 | 1500円程度 | 8000円前後 |
D号券(夏目漱石) | 1984年~2007年 | 1000円程度 | 1万円程度 |
※参考資料を基に筆者作成
このように、昭和や平成に発行された旧1000円札でも、未使用品には価値がついているものもあることが分かりました。しかし、日本銀行が「現在有効な銀行券」として定めている、現在でも使用できる紙幣には価値がつきにくいかもしれません。
例えば、金地金などと交換できる兌換紙幣(だかんしへい)として発行された甲号券は発行期間が短いため、高い価値がついています。しかし、戦後に発行された紙幣は未使用品でないかぎり、あまり価値はついていません。
前述の通り、昭和や平成に発行された紙幣でも、未使用のものであれば価値がつく可能性があります。その他にも、以下に該当するものは「レア紙幣」として扱われるため、額面以上の金額で売れるかもしれません。
●一度も使用していない未使用品
●発行番号(記番号)が若い
●発行番号(記番号)のアルファベットが1桁
●発行番号(記番号)がゾロ目
●サンドイッチ番号やラスト番号など発行番号(記番号)に特徴がある
今回は紙幣の改刷に着目し、旧紙幣の価値について解説しました。現在でも使える紙幣に価値がつく可能性は低いかもしれませんが、未使用品やレア紙幣であれば高く売れるかもしれません。また、発行番号(記番号)に特徴のある新紙幣や旧紙幣をお持ちの場合は、使用しないで保管しておくのもおすすめです。
内閣府 政府広報オンライン 2024年7月3日、新しいお札が発行!
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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