私は夫のおばあちゃんのことが大好きです。歳をとってもおしゃれで、新しいことに敏感なおばあちゃんを見ていると、私もそんなふうになりたいと思ってやみません。そんなおばあちゃんの宝物は、おじいちゃんからもらったというダイヤモンドの指輪です。とっておきのお出かけのときにつけていて「私が死んだらあげるわね」と言われていましたが、そんなことは考えたくありません。「ダイヤはいらないから長生きしてね」と伝えていたのです。そんなダイヤモンドを狙っていたのは義母でした。義母は、おばあちゃんが私に指輪を譲ってしまわないか、目を光らせていてーー。
指輪がない!?
最近おばあちゃんは認知症が始まってしまいました。調子が悪いと私のこともわからなくなってしまい、とても悲しくなってしまいます。
しかし指輪のことだけは別。どんなときも、おじいちゃんからもらったときのシチュエーションは忘れていませんでした。嬉しそうに思い出話をするおばあちゃんが大好きでした。
そんなおばあちゃんの指輪がある日突然なくなりました。おそらく義母がこっそり隠したのでしょう。しかし義母は「ボケちゃったから捨てたんじゃない?」とシラを切るのです。
義母がとったと確信したのは、そのすぐ後のこと。お酒を飲みながら友だちと電話で話している声が聞こえてきました。
指輪、危機一髪!
義母によると、おばあちゃんが私に指輪をあげてしまう前にジュエリーリメイクに出したのだそう。形状が変わればわからないだろうと高笑い! ジュエリーショップへの預かり証を嬉しそうにひらひらさせていたかと思えば、そのまま泥酔して眠ってしまいました。
おばあちゃんの宝物をそんなふうに扱うのは許せません。私は義母にバレないように、そっと預かり証を回収し、そっくりの用紙を用意しました。目覚めた義母がしれっとしまい込んでいたので、その用紙が偽物であることはバレていないはずです。
私は義母を連れて、急いでジュエリーショップへ。幸いまだリメイクには着手しておらず、おばあちゃんの指輪は無事でした。
指輪の完成を待っていた義母は…
その日、おばあちゃんは調子が良く、すべてを悟ったよう。形見だと言って私に指輪をくれました。私も、また義母に取られては困るので、預かることに決めたのです。
待てど暮らせどリメイクができあがらない義母は、痺れを切らしてジュエリーショップに電話をかけたよう。もちろんすでに私が受け取っているので、指輪はそこにはありません。
義母は烈火の如く怒っていましたが、盗んだ後ろめたさもあり、誰を責めることもできません。それからもおばあちゃんに探りを入れて指輪のありかを突き止めようとしていましたが、うまくいかず、いつの間にか諦めたようです。
祖母が他界…指輪の行方は?
その後、おばあちゃんは他界。指輪をおばあちゃんの骨壷に入れようか夫と相談しましたが、私に持っていてほしいと何度も言われたこともあり、私が受け継ぐことにしました。
おばあちゃんが大切にしていた指輪なので、デザインのリメイクなどはせず、サイズ変更のみ。そして、指輪の裏に刻印されていたおじいちゃんとおばあちゃんのイニシャルの横に、私と夫のイニシャルを入れました。
いつまでもおじいちゃんのことを大切に思っていたおばあちゃん。私たち夫婦もそんなふうに歳をとりたいと思っています。
おばあちゃんにとって、ダイヤモンドの指輪は単なる装飾品ではなく、亡き夫との思い出が詰まった、かけがえのない宝物でした。しかし義母にはそれがわからず、ただの“金目のもの”に見えていたのでしょう。
宝物には特に、他人にはわからない背景があります。大切にしているものだからこそ、そのような背景があることを理解したいですね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
著者:ライター ベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班
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