【写真】毎話「えっ」のさまざまなバージョンも見せた杉浦(ジェシー)
趣里が主演を務める「モンスター」(毎週月曜夜10:00-10:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)の最終回となる第11話が12月23日に放送された。亮子(趣里)は相棒の杉浦(ジェシー)、そして父・粒来(古田新太)と共に戦うことに。(以下、ネタバレを含みます)
■異色のリーガル・エンターテインメント
本作は、“常識”にとらわれず、“感情を排除”して相手と向き合う得体のしれないモンスター弁護士・神波亮子(趣里)が主人公。時に法が追いついていない令和ならではのさまざまな問題と向き合い、まるでゲームのように法廷闘争に立ち向かう、異色のリーガル・エンターテインメントだ。
物事の本質を見抜き、独自の解釈のもと裁判を掻き回す型破りな“モンスター”だからこそ、人間が訳もなく悪意に満ちてしまう、“モンスター”になる瞬間を見逃さず、冷静に事件を解決に導き、周囲の価値観を覆しながら影響を与えていく。
亮子に振り回されることになる東大法学部卒の若手弁護士・杉浦義弘をジェシー(SixTONES)、失踪中の亮子の父・粒来春明を古田新太、亮子と杉浦が所属する法律事務所の所長・大草圭子をYOUが演じる。
■亮子が弁護士になったのは…
最終回で亮子が弁護士になった理由が明らかになった。もともとは群馬県のある村に建てられた産廃処理業者・サカミクリーンの不審な点を知りたいと思っていた粒来が大金を積まれて顧問弁護士を依頼される。ただ、サカミクリーンは反社のフロント企業であるため、弁護士登録を取り消してアドバイザーとして懐に入り込むことに。その際に、亮子と暮らした家を出て、名前を変えた。
著しい健康被害が出た従業員は帝東電機の産廃物を扱っていたのだが、帝東電機は技術が世界で注目されることになり、サカミクリーンの産廃システムを買い上げて反社の色を消そうと画策。そのうち、帝東電機がSDGsの方針を掲げる企業発表会を行うことになり、「言ってることとやってることが違うから見物してやろう」と粒来は再び弁護士登録をした。
その発表イベントで、帝東電機にヤジをとばす反社らしき男たちと並んでいた粒来の姿をネットニュースで見た亮子が弁護士を「やってみようかな」と決めたのだった。
亮子の弁護士の始まりは、父・粒来の存在であるが、今回の案件に導かれたかのようだ。
■亮子の問い掛けに考えさせられる
幼いときのオセロゲーム対決、第5話・6話で描かれた弁護士としての法廷対決。いずれも粒来が一枚上手だったが、似た者親子が共闘するとなれば何倍もの力を発揮する。
帝東電機というモンスターを着実に追い詰めていった亮子と粒来。その様子に挟み込まれた天秤の映像。弁護士バッジには公正と平等を象徴する天秤が描かれているのだ。片方には重りが乗り不均衡だったが、もう片方に軽い羽が一本ずつ舞い落ちていくことで亮子たちの動き=弁護士としての信念を示した演出が面白い。
裁判に勝つつもりの真面目な杉浦に対して、「(裁判に)勝たなくちゃいけないの?」と言う亮子と、「いいんじゃない、勝てなくて」と言う粒来は、本当に根が同じなのだと感じる。先の天秤の映像が重りよりも無数の羽のほうが重くなって一気に傾いたとき、世間のイメージが一転した帝東電機は、サカミクリーンの従業員と村人たちに賠償金の支払いを申し出た。
企業の本当の姿をあぶり出し、正しい道へと導こうとした亮子たち。ただ、亮子(おそらく粒来も)は、その先を見ていた。
まったくといっていいほど今回の件を信じず、協力もしなかったのに、SNSなど世間で注目されたことで意見をひるがえした従業員や村人たち。賠償金を得られるとなったら、その額を引き上げようとした。すると亮子は「いくらもらえたら満足するんですか」「あればあるほど豊かな人生になる?」と問い掛けた。そして「幸せってなんですか」と。
亮子は裁判になった事件に潜む、人々の心の中にあるものにぐっと切り込んできた。そこにモンスターがいるとでもいうように。最終回では人生の豊かさや幸せという普遍的なものを、作品を見る者にも問い掛けたかたちだ。亮子がこぼした涙が胸に迫る。
ラスト、「神波先生にとっての幸せって、何?」と杉浦に問い掛けられた亮子は、言葉にはせずに、とびっきりキュートな笑顔を見せた。弁護士という仕事をしていることが幸せなのだろうか。そうでなくても、楽しそうな亮子にまた会いたいと思うような終わりだった。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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