島田珠代さんの現在のパートナーであるひろしさん。「珠代さんと出会うまでは感情を露わにしたことがない」と自身で言うほど平静な彼が男泣きした出来事とは……?
唯一無二の持ちギャグで、新喜劇を長きに渡り支えている看板女優の島田珠代さん。舞台とは違う裏側の珠代さんの姿を赤裸々に綴った自身初のエッセイ『悲しみは笑い飛ばせ! 島田珠代の幸福論』(KADOKAWA)より一部抜粋してご紹介します。
第3回となる今回は、現在のパートナーである「ひろしさん」について綴ったエピソード「死に場所」。
現在のパートナー・ひろしさんとの出会いは、2人目の夫と別れた後のこと。当初、ひろしさんとお付き合いすることになるとは想像もしていなかった珠代さんでしたが、自分とは全く違う考え方や物の見方をするひろしさんに、どんどん惹かれていきました。
死に場所
出会った頃のひろしさんの口癖は「死に場所を探している」で、感情を表に出すよりも押し殺して生きているように見えました。彼自身「珠代さんと出会うまでは感情を露わにしたことがない」と言っていて、通っていたバーのママも「彼の前歯を一度も見たことがない」と冗談交じりに話していました。
そんな彼を私が男泣きさせたことがあります。
(提供写真)
私はひろしさんと真逆で、笑うのも泣くのも激しめで、嫉妬心も強いし、彼とたったの数時間ほど連絡が取れないだけで不安になって取り乱したり。
ひろしさんが男泣きしたときも、私の嫉妬心に火が付いてしまった状況でした。焼きもちを焼いてひろしさんを責めているうちに彼が泣き出してしまったのです。
彼は「こんなに責め立ててくる人、こんなに感情が激しい人には会ったことがない。でも、珠代さんが焼きもちで言ってくれていて、僕に関心を持ってくれているのは分かる。だから涙が止まらない」と言ってポロポロと涙をこぼしました。そのすぐ後で「僕は初めて男泣きをした。だから、あなたを僕の死に場所とします」と泣きながら話しました。
この最中の私はというと「泣いてごまかすなよ!」と彼を責め続けていたらしいのですが、正直よく覚えていません。
(提供写真)
私とひろしさんはお付き合いを始めて7年ほどになりますが、今のところ結婚していません。夫婦と同じように仲良く過ごしているし、夫婦ゲンカのように言い合いになることもあるし、関係性としては夫婦同然、結婚するのが自然な流れなのかもしれません。娘とひろしさんの関係も良好なようで、娘は「ママが穏やかに過ごすために必要な相手なら私は嫌がらないよ」と言って、私とひろしさんの仲を後押ししてくれています。
パートナーとして過ごしている今も、婚姻届を出して夫婦になってからも、彼と一緒にいる心地よさはきっと変わらないと思っています。「いずれ籍は入れましょう」と彼は言ってくれていて、例えば娘が大学に進学したタイミングとか、何かのきっかけがあるときに自然に事が進んでいくのでしょう。
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この続きは、書籍でお楽しみください。
島田珠代さん/芸人・役者
大阪府出身。17歳で芸人デビュー。長きにわたり新喜劇を支える看板役者。「パンティーテックス」「男なんてシャボン玉」など唯一無二のギャグと独創的な動きで、老若男女問わず見た人を笑いの渦へと巻きこんでいる。
※本記事は、『悲しみは笑い飛ばせ! 島田珠代の幸福論』著:島田 珠代/KADOKAWAより抜粋・再編集して作成しました。
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