シリーズ累計発行部数1000万部を超えるメガヒット作を実写映画化する『はたらく細胞』(12月13日公開)の完成披露舞台挨拶が12月4日に丸の内ピカデリーで行われ、永野芽郁、佐藤健、芦田愛菜、阿部サダヲ、山本耕史、仲里依紗、松本若菜、板垣李光人、加藤諒、加藤清史郎、マイカピュ、新納慎也、小沢真珠、Fukase、武内英樹監督がズラリと登壇した。
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細胞を擬人化して描き、その斬新かつユニークな設定が大きな話題を呼んだ漫画「はたらく細胞」とスピンオフ作品「はたらく細胞BLACK」を原作に、人間の体の中を舞台に繰り広げられる“世界最小の物語”を描く。赤血球役を永野、白血球(好中球)役を佐藤が演じる。この日、メンバーは会場の後方扉から客席を通って、歓声を浴びながら登場。
永野は「撮影は2年弱くらい前。たくさんの方々と力を合わせて、本当におもしろく、楽しい映画ができました」と胸を張り、「完成したことを報告できることがとてもうれしい。私自身もこの映画をすごく好きになりました」と笑顔を見せた。佐藤は「豪華でしょ」とニヤリとしながらキャスト陣を見渡し、「豪華でちょっと変なメンバーでしょ。この『はたらく細胞』のチームの一員になれたことをうれしく思っています」と喜びをにじませていた。
佐藤は、白塗りで白血球役を演じた。「ちょうど花粉症が一番来ている時期」と撮影を振り返った佐藤は、「鼻をかむたびに白がはげる。ちょっと白がハゲたまま、映っちゃったりもしている」と告白。「白血球も、その時の感情や状況によって白が変わってもいいかと開き直った」そうで、シーンごとに「白がどの白なのか注目して見ていただけるとうれしいです」とアピールした。この言葉に大笑いしたのが血小板役のマイカピュで、佐藤も「白血球おもしろかったよね」と楽しそう。マイカピュは「すごいおもしろかったです」と笑顔を弾けさせた。白血球と過ごす時間の多かった永野は、「たまに健さんと向き合った時に、ちょっと白が『おや?』という時がある。『健さん、白を足しますか?』とお話ししながら撮影をしていました」とNHK連続ドラマ小説「半分、青い。」以来の共演となった2人が、息ぴったりに撮影を思いだしていた。
シリーズ史上初となる人間側の視点も盛り込まれた本作。不摂生にもほどがある父の茂、健康優良な女子高生の日胡の親子を演じるのが、芦田と阿部だ。また日胡が想いを寄せる憧れの先輩、新役を加藤清史郎が演じた。日胡と新のデートシーンが印象に残っているという芦田は、「清史郎くんと水族館に行くシーンで、日胡がドキドキとしているシーンがある。そこでシャチに、波が見えるくらいの水をかけられてしまった」と興奮気味に当時を回想。加藤(清史郎)も「すごかったよね。シッポでバシャバシャと僕たちをめがけて水をかけられた。思った以上にびしょびしょ。終わった後、服が絞れるくらいだった」と続くと、芦田は「本当に楽しかった。その時はドーパミン全開でした」とリアルな楽しい表情が映っているという。
すると佐藤は「デートは濡れたほうがいいらしい」と情報を差し込み、周囲は「どこの情報?」とざわざわ。「私調べです」という佐藤は、「水を(かぶって)同じものを共有するとか、吊り橋効果。デートで『はたらく細胞』を4DXで観れば、2人して濡れることができる」と場面によって風や水しぶきなどが受けられる4DXは、デートムービーとしてもオススメだと話して会場を盛り上げていた。
謎に包まれた細胞たちの最強の敵を演じるのが、Fukaseだ。劇中では白血球役の佐藤とのバトルシーンもある。Fukaseは「今回はアクションがあって、健くんとバチバチにやるシーンがある」と切りだし、「健くんが『手加減しなくていい。そういうのは映像に映っちゃうから』と言うわけです。『もっと来て』『もっと来いよ!』と言うんです。ああもういいやと思って、死んじゃえ!みたいな感じでやった。役者ってこういう感じなんだなと思った」と刺激を受けながら、ぶつかり合ったと話していた。
またマイカピュのトークの場面では、その愛らしさに会場からも「かわいい」という声が終始あがっていた。マイカピュは「みんなで力や息を合わせないとできない場面があって。そこが大変でした」と苦労した場面を語りつつ、「みんな演技が上手い。自分も頑張らなきゃという気持ちになって、みんなが支えてくれるんだなと思いました」とにっこり。これには芦田も「すごいかわいい」と愛おしそうに目尻を下げていた。
第25回サンディエゴ・アジアン映画祭では、オープニング作品として上映がかなった。渡米して会場の反応を浴びた武内監督は「みんなゲラゲラ笑って、最後は泣いていた。本当に国境がない映画なんだと思った」としみじみ。「体のなかは全世界、人類みんな同じ構造になっている。世界に挑戦したい作品になりました」と語った。最後に永野は「本当に楽しくておもしろい映画」と改めて力を込め、「こんなに笑って、泣くかと思いました。体は世界共通なもの。皆さんが自分の体を大切にしながら、年末年始を過ごしてもらえたら」と希望。佐藤は「改めて王道のエンタテインメントというのは、やっぱりいいんだなと思い知りました。個人的には子どもたちが喜んでくれたらいいな、子どもたちが笑ってくれたらいいなと思っています。こういう映画が生まれたことがうれしいし、こういう映画に携われたことが光栄。こういう映画がヒットしてほしい」と熱い想いを口にしていた。
取材・文/成田おり枝
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