【きのこいぬ】久野美咲×日菜×千本木彩花 鼎談! 温かい現場の雰囲気を感じて!

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【きのこいぬ】久野美咲×日菜×千本木彩花 鼎談! 温かい現場の雰囲気を感じて!

11月29日(金) 18:30

10月3日(木)より放送・配信中のアニメ『きのこいぬ』。愛犬を失い、傷心の絵本作家・夕闇ほたる。彼の前に現れたのは、片耳がきのこになっている謎の生物・きのこいぬ。ふたりの不思議な共同生活が、きっとあなたを癒してくれる……。

今回は、プラムを演じる久野美咲さん、あんずを演じる日菜さん、つばきを演じる千本木彩花さんに、それぞれの役や作品について、またアフレコ現場の様子などを伺った。

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◆きのこいぬのセリフがどこにもなくて……◆

――最初に、出演が決まった時のお気持ちからお聞かせください。

久野とってもとっても嬉しかったです。まさか任せていただけると思わなかったので、びっくりしました。

日菜私は出演が決まったお知らせをいただいた時、マネージャーさんがすごく真剣な面持ちで三人もいて、「私、何かしたかな?」くらいの緊張感だったんですけど、すぐに「あんずちゃん役、日菜が受かりました!」って言われて。緊張と嬉しさの差も相まって、めちゃくちゃボロボロボロって泣いてしまったほど、すごく嬉しかったです。

千本木つばきはオーディションがなかったんです。スケジュールに『きのこいぬ』と入っていて、マネージャーに聞いたところ、「お母さん役で決まりました、おめでとうございます!」と言われて。もともと『きのこいぬ』は知っていましたが、そこから原作読ませていただいて、大丈夫かなという不安もあったのですが、すごく嬉しかったですね。

久野ぼんちゃん(千本木さん)は『きのこいぬ』のこと知ってたんだね。

千本木そうなんです。本屋さんでコミックが並んでるのを見たことありましたし、存在は知っていたので。「うわー、嬉しいな」と思いました。

――原作のお話が出ましたが、実際原作を読んだ時の印象、どんな作品だと思いましたか。

久野私は、初めて原作を読んだのはオーディションの時でした。実はプラム役ではなくて、きのこいぬ役のオーディションに参加したんですけど、原作にはきのこいぬのセリフがどこにも書いてなくて(笑)。

一同(笑)

久野そこにまずびっくりしたのと、人物や人との関係性がきちんと描かれているので、日常をリアルに描いてる作品だなと感じました。それなのに、きのこいぬが登場するコマだけガラッと雰囲気が変わる、その緩急というか、ページ捲るたびのギャップが魅力的で、とにかくきのこいぬって何者なんだろうって、ものすごく興味そそられました。

日菜私は、心の温まる作品だと思いました。人との関わりやコミュニケーションをとることで、 ”人ってこんなに変われるんだ” と思った作品でもあります。ほたるの心情の変化をみていると、人と関わることの大切さというか、コミュニケーションをとることの大事さを教えてくれる作品という印象でした。

千本木お二人と同じようなことを私も感じていました。1話、2話が印象的ですが、ほたるの心の傷をどう癒していくかというところで、 ”きのこいぬ” というものを作り出した先生の発想力がほんとにすごいと思いました。読み進めると、いろんなキャラクターが出てきて、特に大きな話の波があるわけではないのですが、優しく寄り添い、みんなで助け合いながら過ごしている風景が、すごく素敵な作品だなと思いました。

(C)蒼星きまま・徳間書店/星鳩町きのこ研究所



◆つばきはみんなで作り上げています◆

――みなさんが演じるキャラクターの印象や、演じるときに難しかったところ、逆にすごい楽しかった、嬉しかったとか、演じるときに意識したことはありますか。

千本木つばきは私と年齢差もあり、大きな子どもがいる。そういった役を演じるのが初めてで難しいところもありました。つばきというキャラクターも、ちょっと不思議ちゃんというか、掴みどころのない飄々とした感じが魅力のキャラクターで、そういう面を掴むのに時間が必要でした。今も掴み切れてるかどうかわからないですが、監督や音響監督と相談していろんなつばきを試していきながら、作り上げている感覚です。自分とは違う面をたくさん持ったキャラクターですが、共感できる気持ちはあると思うんです。楽しい、悲しい、好きといった根源的な気持ちは一緒だと思うので、そこを探していくのは楽しい作業です。彼女がどういう人なのかをどんどん知っていくところは、大変というよりも楽しいの方が勝っているので、みなさんとアフレコをしていく中でわかっていくものなのかなと思います。

――ちなみにお二人から見た千本木さん演じるつばきは、どんな感じに見えてますか?

久野ぼんちゃんと共演したことは今まで何度かありますが、レギュラーでがっつりとご一緒するのはこの作品が初めてでした。つばきとプラムは掛け合うシーンがたくさんあったので、嬉しかったですね。プラムはつばきのことを信頼していて、とても慕っています。私自身から見たつばきは、掴みどころがなくミステリアスですっごく魅力的な女性だなぁという印象で。ぼんちゃんのつばきのお芝居は、表現をどんどん足していくというより、引き算というかニュアンスをつけすぎず表現なさっていて、音響監督の吉田さんとのディレクションのやり取りを聞いていると、そのさじ加減が絶妙で素敵だなぁっていつも思っていました。

千本木そんな風に言ってもらえるとすごくうれしいです。プラムの演技もめっちゃ素敵です。

久野つばきは、求められることのニュアンスも含めて、ほんとに難しい役だよね。

千本木いろんな方のつばき像があって、それを集めてまとめていく作業をしているので、つばきというキャラクターをみんなで作っている感覚です。なのでいろいろな方向性を試しながら演じています。

――日菜さんはつばきさんどうですか?

日菜つばきは、あんずのお母さんとしての役割を果たしながらも、絵本を描いていたりと、子ども心を忘れてない遊び心がすごくあるキャラクターだという印象です。先ほど久野さんがおっしゃっていたように、実際現場でのディレクションを聞いていると、ミステリアスだからこそ遊び心とか、そういう部分がすごく映えて見えてくる、面白いキャラクターだと思いました。

(C)蒼星きまま・徳間書店/星鳩町きのこ研究所



◆あんずはしっかりしつつかわいらしい子◆

――ありがとうございます。あんずはどんな女の子で、演じるときはどういうことを意識していましたか。

日菜あんずは、中学二年生にしてはすごくしっかりしています。しっかりしてる中の9割は優しさが元になっていると思います。誰かのためにこうしてあげたいという気持ちがとても強い子で、そういうしっかりした中に時折見せる中学生らしい甘えた部分や、かわいらしい部分のギャップに心を打たれています。初めのころは、どちらかというと中学生らしいかわいさを意識していましたが、「あんずは優しさやしっかりした部分がある子なので、そういう部分を全面に出してほしい」とディレクションをいただいたんです。芯は優しくてしっかりしている中で、かわいらしさを時折見せるとその分映えると気づいたので、甘える部分はしっかり甘えて、かわいらしさも出せていけたらと思って演じさせていただいています。

――お二人から見た、日菜さん演じるあんずちゃんについてもお伺いしたいです。

千本木あんずちゃんは真っすぐさもあるし、お茶目なかわいい部分もあるので、今聞いたことは現場でも感じます。つばき自身が抜けている部分もあるからこそしっかりしているのかな?とか、いろんな過去を含めて、あんずがこういう子になっているんだろうなと。あんずの9割の優しさというのは、きっとつばきがかけてきた愛情があるからこそなのかと思うと、二人の親子関係がすごく素敵に見えてきます。本編では描かれてない二人の日常は本当に優しい日々なんだろうなと思いますので、そういうところも日菜ちゃんと一緒に表現していけたらいいのかなと思います。

久野あんずちゃんとつばきの親子の関係は、どこかお友達感があってすごく良いなって。お互い思ってることを素直に出し合えている間柄というか、きっと今までもずっとそうだったんだろうなって想像できるし、二人がこれまで一緒に過ごしてきた時間が、二人のシーンからあたたかく伝わってきました。あんずちゃんは裏表なく自分の気持ちを柔らかく相手に伝えることができる子だなぁって。言葉だけではなくて表情も豊かだし、素直で可愛らしい子だなって思います。

プラム役の私は途中参加だったので、自分が登場する前の話数の音声が入った映像を参考に頂いていたんです。そのときに、日菜ちゃんのあんずちゃんのお芝居がすごくナチュラルでとっても素敵だなって。現場でご挨拶したら、まさかの現役の高校生で、びっくりしました。セリフから瑞々しさのようなものを現場でも感じて、個人的にもとっても心が清らかになってます。

(C)蒼星きまま・徳間書店/星鳩町きのこ研究所



◆プラムが家族の雰囲気を作ってくれる◆

――では最後に、プラムはいかがですか?

久野プラムはきのこいぬと同様に謎の生物という位置づけで、どうやら動物でもないらしい、でも生き物で、どうやら感情もある、という今まで演じたことのないキャラクターで、どう演じたらいいんだろう?と考えていました。ですが、こばくん(小林大紀くん)が先にきのこいぬを表現なさっていたので、こばくんのきのこいぬの雰囲気に合わせていけたらいいなと思ってアフレコに臨んだら、まさかの「きのこいぬと差別化を図ってほしい」とディレクションをいただいたんです。きのこいぬが犬なら、プラムは猫くらい違う感じにしたいと言われて、どうしよう!?って最初は思いました。でも自分の声優人生でやったことが無い役だからこそ、ものすごく楽しくて。台本にはプラムの感情はカッコ書きでひらがなで書いてあるのですが、セリフは一切書いてないんです。声をどう出すのか、何を喋るのか、どこにアドリブを入れるかも、自由に任せていただいている部分が多くて。すごく難しいのですが、演じていて思わず笑顔になってしまうようなハッピーな心地ですね。

――お二人から見たプラムはいかがでしょう。

日菜プラムは言葉のセリフがないからこそ、久野さんのお芝居のユニークさというか、お芝居の幅で表現されているキャラクターです。特に自分が楽しいことをしてる時のプラムはもう本当にかわいくて面白いです。思わず笑ってしまうくらいの面白さと、可愛らしさもあるキャラクターは、久野さんの表現の仕方で完成されていると思います。

千本木アフレコ中に、多分久野ちゃん本人も思っていないであろう声が出る瞬間がたくさんありました。思っていたものではないものが出る瞬間は、お芝居をやる上でもものすごく素敵な瞬間だと思うので、そのユニークな部分が、久野ちゃんからでてくるのが、先生の作り上げてる世界観、つばきたちの空気感にぴったりだと思いました。そういうプラムを見ていると、つばきの表現が難しくていろんな事を考えてしまい、考えがガチガチになっている私をほぐしてくれるので、この家族の空気を作ってくれてるのはプラムだと感じています。私たちのところに来てくれたのがプラムでよかったなと思わせてくれるんです。きのこいぬがほたるとちょっと似てるように、プラムも私たち家族にちょっと似ている感じがします。

久野そんな風に言ってもらって恥ずかしいけど、嬉しいな~。「”ブサかわ” でお願いします」というディレクションもありました。

千本木笑った顔がちょっと怖い顔になるのも、つばきに似ているかも。

一同(笑)

千本木そんなプラムを見ていると、私もつばきらしくがんばろうと、現場ではすごく力をもらえるので、ほんとにプラムは可愛いなあ!と思いながら見ております。

――最後に見どころを含めてメッセージをお願いします。

久野三人でお話しした通り、私たちは毎回アフレコをすごく楽しみながらやっていて、現場の雰囲気も和気あいあいとしています。原作の素敵な空気感も伝わってくれたら良いなという想いでやらせていただいておりますので、原作ファンの方はもちろん、アニメから『きのこいぬ』を知ってくださった方にもご覧になっていただきたいです。きのこいぬとプラムはアニメだと鳴き声が付きますし、音響や映像のアニメならではの表現など、原作との違いも味わって楽しんでいただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。

日菜私もすごく温かい現場でやらせていただいていることに感謝しています。この温かい場所で収録してきたからこそ、『きのこいぬ』という作品の温かさもより伝わるんじゃないかなと思っています。原作ファンの方もアニメから入った方も、きっとこの作品を通して考えることや、癒されたりだとか、いろいろと感じる部分が多いと思います。ぜひご覧ください。よろしくお願いします。

千本木二人と想いは一緒です。これを読んでくれている皆様は、ここまで一緒にアニメを観ていただいていると思うので、きのこいぬの魅力は伝わっていると思います。新しい風として私たち三人、プラムとあんずとつばきが入ってきて、また世界がちょっとだけ広がるので、そういったところも楽しんでいただきながら、最後まできのこいぬたちに癒されながら、心がぽかぽかっとする瞬間を感じてほしいと思っております。よろしくお願いします。

(C)蒼星きまま・徳間書店/星鳩町きのこ研究所
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