11月26日(火) 20:00
ソウルに住む人が憧れる江南の裏側の世界をリアルに見せる 『江南Bサイド』 。本記事では本作の見どころと最終回に向けての展望についてレビューする。
(以下、物語の内容に触れるネタバレあり)
立て続けに起きた連続女性行方不明事件を追うエリート刑事、カン・ドンウ(チョ・ウジン)は、江南を牛耳る謎の男、ユン・ギルホ(チ・チャンウク)と出会い、事件を追う検事ミン・ソジン(ハ・ユンギョン)、命を狙われた女性ジェヒ(キム・ヒョンソ)とともに事件の渦に巻き込まれていく。
『最悪の悪』 でダークな役を演じ好評だったチ・チャンウク。今回は江南の裏社会を牛耳る男・ギルホをミステリアスに演じている。さらわれた仲間の女性、ジェヒを助けるために危険を顧みず奔走し、傷だらけ、血だらけの痛々しい姿が多く、ファンは悲鳴を上げているのではないだろうか。
とにかくギルホのタフな姿に舌を巻く。悪の限りを尽くすノ・ジュンソ(チョン・ガラム)とその一味に攻撃されても倒れない。敵に腹を刺され、瀕死の状態で漢江に身を投げたにも関わらず生還する不死身の男だ。
ギルホは闇の世界に生きる男だが悪事を働く人々を心底憎み、金のために闇の世界で生きることを余儀なくされた女性たちを守ろうとする人物。クールに見えて情に厚い。
ジェヒの行方を巡ってジュンソとギルホがぶつかり、鬼気迫る表情で向かっていくギルホにしびれた人も多かったろう。 『サムダルリへようこそ』 で、好きな女性を一途に思っていた男性を演じた人物と同じなのかと、改めてチ・チャンウクの演技力に脱帽する。
後半に向けて、ドンウを演じるチョ・ウジンとのケミが感じられるシーンに期待したい。
製作発表会見でドンウを演じるにあたって、18キロ増量し筋トレに励んだと明かしたチョ・ウジン。役を演じるにあたり「今風のおじさん」を意識したというが、鋭い目で拳銃を構え相手を威嚇する姿がきまっている。特に橋の上で重傷を負ったギルホを守ろうとするシーンではイケオジぶりを体現してくれた。
ドンウは、刑事としては優秀だが娘のイェソ(オ・イェジュ)が学校で激しいいじめを受けていることを見抜けなかった。孤独なイェソを救ったジェヒが行方不明になり、探してほしいと懇願され事件に足を踏み入れる。イェソとの溝を埋めたいと考えたからだが、一度はジェヒを保護したものの、結局彼女を守り切ることができなかった。
「ジェヒと私の心を殺したのはお父さん」という衝撃的な言葉をドンウに投げつけて姿を消してしまったイェソ。ドンウはイェソを探すために刑事を辞めるが、イェソを追っているところで車にはねられてしまう。
刑事を辞めてイェソを必死で探すドンウは、ギルホと同様に鬼気迫るものを感じる。ジェヒの死で一度は決別した二人だが、どうやら見つめる先は同じようだ。最終回に向けて再びタッグを組むのだろうか?
『生まれ変わってもよろしく』 で、シン・ヘソンの妹役を爽やかに演じたハ・ユンギョンと映画『このろくでもない世界で』で、ホン・サビンの義理の妹を演じ存在感を見せつけたキム・ヒョンソが、本作でもよい味を出している。
ハ・ユンギョンが演じるミン・ソジンは、検事として野心のある人物だ。出世のために力を持つ上司に取り入ったり、闇の世界を牛耳るチェ・ハックと手を組み、自身を左遷しようとした上司を陥れたりするなど、知恵が働く。
検事として持つべき正義感に蓋をし、悪の手助けをするソジンだが、本当に彼女は正義を忘れてしまったのだろうか?一度はドンウと協力し合った彼女が最終回に向けてどのような行動をとるか、物語の展開に大きな影響を与えそうだ。
ジェヒ役のキム・ヒョンソは、影があるものの芯の強い女性を眼光鋭く演じた。『このろくでもない世界で』でも似たような境遇の女子高生を演じていたが、今回はそれ以上に哀愁を漂わせている。最終的に悲劇的な最後を迎えるが、彼女が演じたジェヒは物語の中で、圧倒的な存在感を示した。
『海街チャチャチャ』でシン・ミナの少女役を演じ注目されたイェソ役のオ・イェジュは、後半のキーパーソンになりそうだ。前半の清楚な雰囲気から一変し、裏社会に身を落とした姿をどう演じるか注目したい。
最終回まで残り2話だが、ドンウ、ギルホ、ソジン、イェソの運命はいかに?チェ・ハックをはじめとする江南の裏社会を牛耳る悪人たちとどう決着をつけるか、ジェヒの無念を晴らせるのか。スピーディーに展開していくアンダーグラウンドな世界の結末から目が離せない。
(文/咲田真菜)
『江南Bサイド』 はDisney+(ディズニープラス)で独占配信中。明日11月27日(水)に第7話と第8話(最終話)が配信開始。
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