小さな頃から動画やゲームが当たり前。子どものスマホやタブレットの使用ルールに正解はある!?【著者インタビュー】

『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』より/(C)アベナオミ、森山沙耶/KADOKAWA

小さな頃から動画やゲームが当たり前。子どものスマホやタブレットの使用ルールに正解はある!?【著者インタビュー】

11月24日(日) 21:05

『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』より
【漫画を読む】『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!?もしかしてデジタル依存!?と思ったら』を最初から読む

「子どもがずっとゲームや動画を見続けている」、「視力が低下しないか心配」、「ゲーム中に暴言を吐く」、「依存症になっているのではないか」…などなど、子どもとデジタルメディアの付き合い方は悩ましいものですよね。
あれ?と思ったら最初に読むべき!と話題沸騰中の本、『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』(KADOKAWA)は、漫画家のアベナオミさんが子育てをする中で実際に感じたデジタルメディアの心配事について、臨床心理士の森山沙耶さんがわかりやすく解説してくれる一冊です。今回は、著者のアベナオミさんに、子どもとデジタルメディアの付き合い方についてお話を伺いました。

■親世代が子どもの頃と決定的に違うのが「オンライン」であること

『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』より

『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』より

『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』より

――作品の中で、ママ友と動画の視聴時間について話していた際「自分が小さい時になかったから正解がわからない」という声をよく耳するとつづられています。アベさんの子ども時代と現代を比べて、子どもの過ごす環境はどのように変化していると感じますか?

アベナオミさん:まず一番の違いはオンラインであること。私が小さい頃にプレイしていたゲームはオフラインで、アップデートもマッチング対戦もありませんでしたからね。「ラスボスを倒して全クリしてしまったらそのゲームはおしまい」というのが当たり前の私たち夫婦にとっては、オンラインでいつまでも遊び続けられることが、本当に驚きです。全世界の知らないプレイヤーとマッチングしてチームで対戦したりできるなんて、90年代のオフラインの世界にいた小学生の私が知ったらびっくりしますよね。



■ルールを設けるには納得できる理由が必要。我が家のデジタルデバイスルール

『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』より

『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』より

『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』より

――子どもがデジタルデバイスを触るのは当たり前となっている中、家庭でのルール作りが大切になってきます。アベ家では「ゲームは21時まで」という決まりがあるそうですが、なぜこのルールを設けたのでしょう?

アベナオミさん:生活していく中で自然とできたルールでした。ゲームが21時までなのは遅い方なのでは・・・と少しドキドキするのですが、丁度ゲームをすることにも疲れてくる時間というタイミングというのが理由かもしれません。
夕食後は家族全員が好きなことをする「スーパーだらだらタイム」がスタートして、お風呂タイムなども挟みますが、さすがに子どもが集中してゲームや動画を凝視していられるのにも時間の限界があります。我が家にとってはそれが21時ごろで、「そろそろ歯磨きするよ〜」とか「そろそろ寝る準備しようか」と声がけすると、割とすんなりやめてくれます。

――アベ家にとってちょうどいい生活リズムになっているのですね。家の外でのルールとしては、「外食の時とバス・在来線に乗っている時は動画・ゲームNG」といったものもあるそうですね。

アベナオミさん:外出時のルールですが、バスや在来線では通過するバス停や駅、下車する駅を一緒に確認すること、パブリックな場所とプライベートな空間は違うことはもちろん、乗り方や、乗っている間は静かにしていること、体の不自由な人がいたら席を譲ることなど、社会で生きていくルールがあることを見て聞いて肌で感じて欲しいと思っているので、動画とゲームはNGにしています。
外食も同じで、プライベートな家での食事とは違うと感じて欲しいですし、コミュニケーションを取りながら楽しく食事することに重点を置いてます。



■子どもにルールを守ってもらうために大人が気を付けるべきことは?

『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』より

『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』より

『うちの子、ゲームして動画ばっかり見てますけど大丈夫ですか!? もしかしてデジタル依存!? と思ったら』より

――スマホやタブレットの使用ルールは各家庭のライフスタイルに合わせればOKとのことですが、最初に設ける基準やルール作りは何を参考にすべきでしょうか?

アベナオミさん:私が一番参考になったのは、職場や子どもの同級生の先輩ママたちの経験談です。少し先を行く先輩ママたちがどんな風に対処しているのか、すごく参考にさせてもらいました。それでもたった1〜2年で子どもを取り巻く環境は変化していくので、その時々で最良の判断ができるようにネットや書籍で情報収集を続けています。



――作品の中では子どもにルールを守らせる工夫についてのお話もありましたが、アベさんご自身はどんなことを心掛けていますか?

アベナオミさん:私自身も子どもとの小さい約束をしっかり守ることを心がけています。お菓子が欲しいとねだられて今日は買えないという時に「また今度買ってあげるからね」とか、少し遠いお店に行きたいと言われた時に「平日は無理だから休日ならいいよ」など、本当にすぐに忘れてしまいそうな小さな約束をなるべく破らないようにすること。小さい約束を親が守ることで子どもたちとの信頼関係が深まるので、約束を守ってくれるようになったと思います。

――作品の中で、子どもがルールを破ってしまった…など、親が注意をしなければいけない時は、「まずはいいところをほめてから、注意する」という森山さんからのアドバイスがありました。アベさんが実践した際に「めっちゃむずい」と感想をつづられていましたが、現在はいかがですか?

アベナオミさん:相変わらずめっちゃむずいです。急にほめ出した時点で長男も次男も察しますね。でも、ほめられた後に注意されてムカついても「親が自分をちゃんと見ている」と感じるせいか、逆ギレするようなことはほとんど無くなりました。
末っ子はほめると素直に喜んで、注意された後はご機嫌斜めになり、スケバン並みにメンチを切ってきます(若いママさんわかるかな? 笑)

***

厳しいルールを一方的に押し付けるのではなく、親子でしっかり話し合ってお互いが納得できるルールを作っていくことが大事なのですね。親としてはついイラッとしてキツい言い方をしてしまうこともあるけれど、まずは上手な伝え方から学んでいきたいと感じます。

取材・文=宇都宮 薫


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