11月23日(土) 2:10
高級時計には確かに資産価値があります。特に有名ブランドの人気モデルは、時間が経っても価値が下がりにくく、むしろ値上がりすることもよくあります。
例えば、ロレックスのデイトナは定価600万円のモデルが平行品販売店で4000万円という価格で取引されることもあります。また、パテック・フィリップにおいては、定価1億円を超えるスペシャルモデルが販売直後に約5億円になったケースもあります。このように、一部の高級時計は定価を大きく上回ることがあるのです。
しかし、すべての高級時計に高い資産価値があるわけではありません。資産価値は、ブランド、モデル、生産数、需要と供給のバランスなど、さまざまな要因によって決まります。また、時計市場の動向によっても価格は常に変動するため、必ずしも安定した資産とはいえません。
高級時計を純粋な投資対象として見るのではなく、長期的に使用し楽しむことができる「価値の落ちにくい贅沢品」として捉えるのが適切でしょう。
高級時計の中でも、資産価値が高くなるモデルにはいくつかの共通する特徴があり、それらの特徴を理解することで、時計選びの指針になります。それでは、具体的なポイントを見ていきましょう。
ロレックス、パテック・フィリップ、オーデマ・ピゲなど、長い歴史と高い評価を持つブランドの時計は資産価値が高くなりやすいです。これらのブランドは、時計業界での地位が確立されており、品質と信頼性が保証されています。
限定モデルや生産終了したモデルは、希少性が高まるため価値が上がりやすくなります。例えば、パテック・フィリップの一部の複雑機構を持つモデルは、年間生産数が数十本程度と極めて少ないため、高い価値を維持しています。
各ブランドの代表的なモデルや、長年人気を維持しているモデルは資産価値が高くなる傾向があります。ロレックスのデイトナやサブマリーナー、オーデマ・ピゲのロイヤルオークなどがその例です。
貴金属を使用したモデルは、素材自体の価値もあるため資産価値が高くなりやすいです。特に、プラチナや18Kゴールドを使用したモデルは、素材価値も相まって高値で取引されます。
新品同様の状態を保っている時計は、中古市場でも高値で取引されます。傷や汚れが少なく、付属品がすべて揃っている状態が理想的です。
ロレックスのサブマリーナーやデイトナ、パテック・フィリップのノーチラス、オーデマ・ピゲのロイヤルオークなどは、これらの特徴を多く備えており、資産価値が高いといえます。
ただし、これらの特徴に当てはまっていたとしても、必ずしも価値が上がるとは限りません。時計市場の動向や経済状況によっても変動するため、注意が必要です。また、ブランドやモデルによっては、一時的なブームで価格が高騰し、その後下落するケースもあります。
高級時計を投資対象として考える場合、以下のリスクと注意点を理解しておくことが重要です。そこで、高級時計投資における主要なリスクと注意点を解説し、長期的に価値を保つためのポイントをお伝えします。
時計市場は経済状況や流行に影響されるため、価格が大きく変動する可能性があります。また、時計業界のトレンドは変化します。現在人気のモデルが将来も同じように人気を維持するとは限りません。
高級時計は定期的なメンテナンスが必要で、その費用は決して安くありません。例えば、ロレックスの機械式時計の場合、3〜5年ごとのオーバーホールが推奨されており、その費用は数万円から10万円以上かかることもあります。これらのコストも考慮に入れる必要があります。
高級時計の価値を維持するには適切な保管とケアが必要です。傷や劣化は価値を大きく下げる原因となります。湿気や直射日光、強い磁気を避け、専用の保管ケースを使用するなど、適切な環境で保管することが重要です。
高級時計の偽造品も多く存在します。購入時には信頼できる販売店を選び、真贋鑑定を行うことが重要です。特に中古市場では、偽造品や改造品に注意が必要です。専門家による鑑定や、ブランドの正規サービスセンターでの点検を受けることをおすすめします。
上記以外にも、高級時計を売却して利益が出た場合、所得税が課される可能性があります。そのため、税金の計算や申告も念頭に置く必要があります。また、高額な時計を所有する場合は、盗難や紛失に備えた保険の加入も検討する必要があります。
これらのリスクと注意点を踏まえた上で、高級時計の購入を検討しましょう。
高級時計は、条件次第では資産価値を保つことが可能であり、一部の人気モデルでは大幅な価値上昇も期待できます。ただし、これを実現するには、高級時計に関する知識や調査、そして目利きの力が必要です。また、市場の変動や維持費、保管に伴うリスクについてもしっかりと理解しておく必要があります。
短期的な利益を狙うのではなく、長期的に楽しみながら所有することが、高級時計との正しい向き合い方といえるでしょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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