11月22日(金) 23:30
一般社団法人日本自動車工業会が2023年に実施した「軽自動車の使用実態調査」の結果によると、軽乗用系のユーザーは「60代以上」と「女性」が多くなっています。
主運転者の平均年齢は55歳で、65歳以上の比率は32%です。性別については、男性が38%なのに対し、女性は62%となっています。また、軽乗用系ユーザーの世帯年収については、中央値が495万円で、年収ごとの割合は表1の通りです。
表1
世帯年収 | 割合 |
---|---|
200万円未満 | 12% |
400万円未満 | 24% |
600万円未満 | 26% |
800万円未満 | 19% |
1000万円未満 | 9% |
1000万円以上 | 9% |
出典:一般社団法人日本自動車工業会「2023年度 軽自動車の使用実態調査報告書」を基に筆者作成
最も多かったのは「400万~600万円未満」の26%ということで、一定以上の年収がある世帯でも軽自動車を保有していることが分かります。年収600万~800万円未満の世帯でも20%近くが軽自動車を使用していることからも、年収に関係なく軽自動車に乗る人もいると考えてよいでしょう。
同調査によると、軽自動車を選択した理由について「車使用面」と答えた人が「経済面」と答えた人の割合を若干上回っています。
経済面では「税金が安いから」「価格が安いから」「燃費が良いから」などの回答が上位を占めており、車使用面では「運転がしやすいから」「狭い道で使いやすいから」などと答えた人が多いようです。
また、軽乗用系の使用状況については「ほとんど毎日使う」という人が67%、「週に4~5日」が15%、「週に2~3日」が11%で、買い物や通勤・通学、趣味・レジャーなど幅広い用途で使われていることが分かっています。
上記からも、使い勝手のよさから軽自動車を選んでいる人も多いと考えられます。そのため、今回の事例のように「娘の結婚相手が軽自動車に乗っている」ということがあっても、必ずしも経済的な心配をする必要はないでしょう。
軽自動車の維持費として毎月かかるものには、ガソリン代や駐車場代などが挙げられます。
経済産業省資源エネルギー庁より、レギュラーガソリンの全国平均価格である175円(2024年11月18日時点)を使用し、燃費15キロメートル/リットルの軽自動車で1ヶ月に400キロメートル走行したとして計算すると、月のガソリン代は約4667円です。
比較する普通自動車の車種にもよりますが、基本的には軽自動車の方が燃費が良いといわれています。駐車場代はかかる場合とかからない場合がありますが、仮に月2万円とします。合計すると、毎月の維持費は2万5000円程度になるでしょう。
年単位だとこれに保険料や軽自動車税・メンテナンス費用・車検代などがかかってきますが、ほとんどの項目において普通自動車より軽自動車の方が安く済む場合が多いようです。
軽自動車だと維持費がおさえられる分、ほかの生活費などに余裕を持たせられる可能性があるため、結婚後の生活設計を考えているという捉え方もできるでしょう。
軽自動車は普通自動車に比べて維持費が安く済む場合が多いため、経済的な理由から選ぶ人もいるでしょう。しかし、年収が高くても運転のしやすさや使い勝手のよさからあえて軽自動車に乗る人もいるようです。実際に、年収600万~800万円未満でも20%近い人が軽自動車を選んでいる調査結果も出ています。
そのため、今回の事例のように「娘の結婚相手の愛車が軽自動車」ということがあっても、経済的な理由だけで選んだわけではない可能性もあると考えられます。維持費が安く済む分、ほかのことにお金を使えることになるので、結婚後の生活設計をしっかり考えているといえるかもしれません。
一般社団法人日本自動車工業会 2023年度軽自動車の使用実態調査報告書 I.軽自動車の使用と購買実態 1.軽乗用系(2)ユーザー属性(23ページ)、(4)軽自動車を選択する理由(27ページ)、(5)使用状況(29ページ)
経済産業省資源エネルギー庁 石油製品価格調査 1.給油所小売価格調査(ガソリン、軽油、灯油) 11月20日(水)結果詳細版
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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