「東京から秋田の地元へ、18時間の列車旅。お金がなくて駅弁が買えない私に車掌が...」(神奈川県・70代以上男性)

地元に帰る列車の中で…(画像はイメージ)

「東京から秋田の地元へ、18時間の列車旅。お金がなくて駅弁が買えない私に車掌が...」(神奈川県・70代以上男性)

11月23日(土) 6:00

神奈川県在住の70代以上男性・Aさんは秋田出身で、若いころに上京した。

彼が忘れられないのは、今から55年ほど前の年末の帰郷のための列車旅。

18時間に及もぶ長旅が始まったところで、予想外のアクシデントが発生して......。

<Aさんからのお便り>

もう55年も前になります。

当時秋田の田舎から上京していた私は、年末に帰郷しようとしていました。

切符を購入して新宿駅の改札を通り、各駅列車に乗車。18時間の長旅が始まります。

「他のお客様から頂いたのですが...」

切符を購入した残りのお金は、ちょうど1000円。駅弁3回分になると踏んでいました。

しかし、赤羽駅で駅弁を買おうとポケットを探ると、千円札がありません。

血眼になって荷物も探しましたが、やっぱり無いのです。

それからは、周りの人が駅弁を食べているのを横目に空きっ腹をかかえて、停車駅では水を飲んで我慢していました。

空腹にさいなまれながら...(画像はイメージ)

すると、確か福島を過ぎたあたりで、車掌さんに話しかけられました。

「他のお客様から頂いたのですが、私は食べませんのでどうぞ」

そして、リンゴを差し出されました。

それまでに何回が車内検札があって、車掌さんに切符を見せていたので、もしかしたら、私がお金がなくて何も食べていないと思われたのかもしれません。

遠慮しようかと思ったのですが、空腹にはかなわず、頂きました。そのリンゴが何よりもご馳走でした。

車掌さんのお名前を聞きそびれてしまい、お礼が出来ないまま今日に至ってしまいました。

あのときの車掌さん、本当にありがとうございました。


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