【F1】角田裕毅、ラスベガスでギャンブル封印?入国拒否の危機を乗り越えて正攻法でポイント獲得に自信

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【F1】角田裕毅、ラスベガスでギャンブル封印?入国拒否の危機を乗り越えて正攻法でポイント獲得に自信

11月22日(金) 16:45

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ラスベガスの煌(きら)めきをイメージしたマシンカラーリングに、同じ衣装のスペシャルスウェット。

10分ほどのテレビのインタビューが終わるや否や、角田裕毅(RB)はその上にさらにジャケットを羽織った。頭にはいつものチームキャップではなく、ニット帽を目深に被っている。

今年のラスベガスは、とにかく寒いのだ。

角田裕毅は入賞したら今年こそカジノへ?photo by BOOZY

角田裕毅は入賞したら今年こそカジノへ?photo by BOOZY



「この寒さはセットアップ面で違ってきますね。夏場のレースでは経験しなかったような要素があるので、いつもとは違った勢力図になる可能性もある。そこにうまく対応できるかどうかが、マシンを速くするカギになると思います」

昼間は17〜18度まで上がるものの、午後4時半の日没を過ぎれば気温は急に下がって、ひとケタ台まで冷え込む。決勝が行なわれる午後10時の予想気温は、8度だ。

「とにかくタイヤが難しいですね。気温8度でレースをするのは冬のテストでもないことで、バルセロナでも15度とかですからね。セットアップ面でウォームアップを助けるような方向にしつつ、ただそうするとロングランで厳しくなったりもするので、その中間を見極めていきたいなと思っています」

去年は予選で時間切れになって、思うようなタイムアタックができなかったこともあったが、マシンの実力としても最下位だった。長いストレートを意識してダウンフォースを削りすぎた結果、ストレートエンドのブレーキング時の安定性は失われ、タイヤにも熱を入れにくいマシンになってしまった。

その反省と教訓を生かし、今年のラスベガスに向けては改善策のアイデアがいろいろあるという。

「僕らが去年やっていたことは間違っていたところもけっこうあったので、去年やるべきだったことを今年はFP1からトライしていきます。ある程度、いろんなセットアップを試して、去年よりはいいセットアップに仕上げられるはずです。

クルマの戦闘力がどうかはわかりませんけど、去年よりいいクルマに仕上がることは間違いない。それがうまくいって、去年とは180度違ったレース週末になることを願っています」

【入国審査でまさか別室送りになるとは...】ラスベガスの煌びやかなカジノホテルが建ち並ぶラスベガスストリップを約1.9kmに渡って全開で駆け抜けるこのサーキットは、長いストレートが続くだけに、ドラッグ(空気抵抗)の大きいRBのマシンは決して得意なレイアウトとは言えない。

しかしタイヤがうまく機能させられなければ、どんなマシンもその性能を路面に伝えることはできない。逆にライバルよりもタイヤをうまく使えれば、マシンの差を補って余りある結果を手にすることも可能かもしれない。まさしく2週間前の雨のサンパウロGPのように。

今回マシンには、本家レッドブルの2024年型マシンRB20のギアボックスとリアサスペンションが導入される。

昨年もシンガポールGPで、RB19のギアボックスとリアサスを投入してからパフォーマンスが向上したという経緯がある。だが、あれはサイドポッドやフロアなど空力面の大型アップデートがあってこその結果だった。

今回の投入も、目の前のパフォーマンス向上が目的というわけではなく、来季型マシンで採用するリアエンドを先行投入し、データを収集しておきたいという昨年同様の考えからだ。フィーリングは若干違うとはいうものの、パフォーマンスの向上はそれほど期待していないと角田は語る。

「シミュレーターではちょっと違いを感じましたけど、そこまで大きなパフォーマンスにつながるものではないと思います。来年から投入する予定のパーツを早めに投入して(データ取りをして)、来年のマシンがよく仕上がるように入れただけです」

アメリカ入国の際には、「プロフェッショナルなアスリートですか?アメリカでお金を稼ぐのですか?」という質問に「レース結果によるかも」と答えたことで別室送りになり、入国拒否になりかけるというトラブルにも見舞われた。

その後、関係各所の協力もあって疑いが晴れて、無事に入国。以降はホンダのプロモーションイベントでインディカーをドライブしたりと、アメリカを楽しんでラスベガスへ。

【ギャンブルにハマったら止められない】カジノを始めとしたギャンブルに、角田は手を染めていないという。

「大好きというほどではないですけど、嫌いではないので時々やりますね。ただ、もし本気でやるとハマってしまうと思うので、あまりやりすぎないように自己統制しています。もしハマってしまったら、止められないと思うんで(苦笑)」

去年は入賞できたら、ポイントボーナスでチームからもらえる資金をもとに、カジノで賭けようとしていた。しかし、レースは散々な結果(予選20位→決勝リタイア/18位完走扱い)に終わった。100ドルだけ賭けてみると、それが大当たりした。

今年もレース後にカジノに行くのかと問いかけると、「レース次第ですね、レース次第」と角田は笑って答えた。

サンパウロGPでは、ウェットタイヤ交換のギャンブルがうまくいかなかった。今週末のラスベガスでは、ギャンブルをせずとも正攻法でポイントを勝ち獲ることができるのか。角田の表情には、期待と自信がのぞいていた。



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