11月22日(金) 4:30
テレワーク・リモートワークの情報サイト「テレリモ総研」を運営する株式会社LASSICが2024年に実施した調査によると、テレワークのデメリットに光熱費などの自己負担が増加してしまったと回答した人の割合は約26.3%と、デメリット割合のトップ3の多さです。多くの人がテレワークによる家計負担の増加を感じています。
原因としては、日中部屋の電気をつけっぱなしにする、パソコンの充電を一日中し続けながら業務を行う、季節によっては冷暖房を長時間使うことなどが影響していると考えられます。
図表1
株式会社LASSIC テレリモ総研 【2024年度版】テレワークのメリット・デメリットとは?
それに対して図表2の通り、テレワーク手当を実施している企業は全体の約20%に留まっているのが現状です。在宅で仕事をできるようになったのは良いものの、家計への負担が増している人が多くいるということがこの結果からも分かります。
図表2
労務SEARCH 【2024年】テレワーク実施企業の現状調査|従業員の声から見えた課題とは
本ケースのように月3000円のテレワーク手当が支給された場合、家計の負担増に対して十分にカバーできているか確認してみます。電気代は、テレワーク時にかかる内訳をパソコン、照明、エアコンの3つに区分しその合計金額で見ていきます。
なお、電気代は 消費電力(W)÷1000 × 使用時間(h)× 電気料金単価 (円/kWh)で計算します。
また、在宅勤務は1日8時間、ノートパソコン(45W)と照明(60W)、エアコン(1000W)を使用すると仮定し、電気料金単価は31円/kWhで計算しています。
※家電ごとの1日あたりの電気代
・ノートパソコン=45W ÷ 1000 × 8時間 × 31円/kWh =約 11円
・照明=60W ÷ 1000 × 8時間 × 31円/kWh = 15円
・エアコン=1000W ÷ 1000 ×8時間× 31円/kWh = 248円
図表3
電気代の計算結果をもとに筆者作成
筆者の計算結果に基づくと、週2日程度のテレワークの場合は月の電気代は約2192円の増加、フルリモートの場合は月の電気代が約5480円も増加しました。フルリモートの場合には、毎月の手当に対して2000円以上も赤字になる結果となり、本ケースの場合は会社側の手当では家計の負担増はカバーできていないことが分かります。
フルリモートの場合、現状の企業からの手当では毎月の家計はマイナスになる可能性が高く、最低でも月5000円程度のテレワーク手当の支給が必要であることが分かりました。電気代削減のためにエアコンを切るなどの対策は、逆に体調を崩す恐れがあり、業務のパフォーマンスが下がってしまう可能性もあるため得策とは言えません。
フルリモートによる家計負担増を解決するためには、電気代の安い電力会社を選び直す、食費はフルリモートで家にいる分、基本的に自炊にすることで費用を抑えるなど、工夫を凝らして家計負担増を軽減することが大切です。
株式会社LASSIC テレリモ総研 【2024年度版】テレワークのメリット・デメリットとは?
労務SEARCH 【2024年】テレワーク実施企業の現状調査|従業員の声から見えた課題とは
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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